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院試を解く2 平面上の実数値連続関数

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今回も院試を解いていきます.

問題6 H31 京大

R2上の実数値連続関数fについて次の条件(*)を考える.
(*)任意の正の実数Rに対して次の集合は有界である.
{(x,y)||f(x,y)|R}
以下の問に答えよ.
(1)条件(*)を満たす連続関数fの例を与え,それが(*)を満たすことを示せ.
(2)連続関数fが条件(*)を満たすとき,次のいずれかが成り立つことを示せ.
(a)fは最大値を持つが最小値は持たない.
(b)fは最小値を持つが最大値は持たない.

証明 (1)f(x,y)=x2+y2と置く.B(x,y,R)で中心(x,y)半径Rの開円板を表すことにすると|f(x,y)|R(x,y)B(0,R)であり有界なので(*)を満たす.
(2)fが有界ならば上界,下界をM, mとしてR=max{|M|,|m|}と置けば{(x,y)||f(x,y)|R}は平面全体となり非有界なので(*)を満たさない.
よって最大値と最小値を共に持たないとして矛盾を導けば十分.fは連続なのでR2の像はRの連結部分集合,すなわち区間である.(*)から上または下に非有界だから必要なら1倍と平行移動をすることでf(R2)=(α,),α=2またはとしてよい.このとき(*)を満たしたままである. (*)からX={(x,y)||f(x,y)|1}は原点中心のある開球B(0,0,ϵ)に含まれる. f(B(0,0,ϵ))fの連続性からRの連結なコンパクト集合だから[a,b]と置ける. XB(0,0,ϵ)だからf(R2B(0,0,ϵ))[1,1]を含まない.α+a2[a,b]だからα+a2,b+1f(R2B(0,0,ϵ)).これはf(R2B(0,0,ϵ))の連結性に反する.

コメント:直線から有界区間を除くと二つの連結成分に分かれるが,平面から開円板を除くと連結成分は一つという性質を使います.

投稿日:2024226
更新日:2024101
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