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科学大数学系院試過去問解答例(2022午前01)

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ここでは科学大数学系の修士課程の院試の2022午前01の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2022午前01

$V$$5$次元$\mathbb{C}$線型空間とし、$v_1,v_2,v_3,v_4,v_5\in V$をその基底とする。置換$\sigma\in S_5$
$$ \sigma=\begin{pmatrix} 1&2&3&4&5\\ 3&4&5&2&1 \end{pmatrix} $$
で定義する。さらに$f_\sigma:V\to V$$f_\sigma(v_i)=v_{\sigma(i)}$で定義される線型写像とする。

  1. $f_\sigma$の固有多項式及び最小多項式を求めなさい。
  2. $f_\sigma$の固有値を全て求め、各固有値の固有空間の基底をそれぞれ一組ずつ挙げなさい。

まず
$$ f_\sigma(v_1+v_3+v_5)=v_1+v_3+v_5 $$
$$ f_\sigma(v_2+v_4)=v_2+v_4 $$
$$ f_\sigma(v_2-v_4)=-(v_2-v_4) $$
が成り立っている。また$\omega=\frac{-1+\sqrt{-3}}{2}$としたとき、
$$ f_\sigma(v_1+\omega^2 v_3+\omega v_5)=\omega(v_1+\omega^2 v_3+\omega v_5) $$
$$ f_\sigma(v_1+\omega v_3+\omega^2 v_5)=\omega^2(v_1+\omega v_3+\omega^2 v_5) $$
である。

  1. 上記の議論から$f_\sigma$の最小多項式は${\color{red}(X-1)(X+1)(X^2+X+1)}$、固有多項式は${\color{red}(X-1)^2(X+1)(X^2+X+1)}$である。
  2. 上記の議論から固有値は${\color{red}\pm1,\frac{-1\pm\sqrt{-3}}{2}}$であり、固有値$a$の固有空間を$V_a$とおくと、
    $$ V_1=\langle {\color{red}v_1+v_3+v_5,v_2+v_4}\rangle $$
    $$ V_{-1}=\langle {\color{red}v_2-v_4}\rangle $$
    $$ V_{\omega}=\langle {\color{red}v_1+\omega^2 v_3+\omega v_5}\rangle $$
    $$ V_{\omega^2}=\langle {\color{red}v_1+\omega v_3+\omega^2 v_5}\rangle $$
    である。
投稿日:1011
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント

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