分数階微分積分
分数階微分積分の定義は様々な式で定義されている. ここではRiemann-Liouvilleの分数階積分を紹介する.
数学的帰納法
のとき
のとき主張が正しいと仮定すると, のとき
積分の順序を交換して
が正の整数のときなので, 階乗をガンマ関数に置き換えることで複素数階の積分に対応させた分数階積分の定義ができる.
Riemann-Liouvilleの分数階積分
実連続関数について, の階積分を次のように定める.
注意点
関数によって定数の有無が変わることがあります.
の二階積分の場合では, が現れます.
の二階積分の場合では, 定数は現れません.
これは積分するたびに出る定数が原因で今回の級数に適応する場合, 任意のに対して, となるが存在する必要があります.
級数
を満たす. 両辺が収束して, のとき, のからまでの積分と極限が可換ならば, 次の式が成り立つ.
まで和を取ると, 有限和と積分は交換できるので
なのでに飛ばして, 積分と極限が可換であれば
を得る.
一般化
を満たす. 両辺が収束して, のとき, のからまでの積分と極限が可換ならば, 次の式が成り立つ.
区間でのの積分と極限が可換のとき
例
の階積分はである.
ダランベールの収束判定法を使うと,
よって, で絶対収束する.
のときを考える.
の場合
で発散する.
の場合
より
よって, 収束する.
おわりに
この等式の問題点は多くの関数で級数が発散することです. 収束するような関数がの累乗くらいしかないせいで本当に活用先がないです.