2

(x-1)/logxの積分と0の0乗

294
0

次の積分を計算したいと思います。

01x1logxdx=log2

素朴な計算

次のような積分を考えます。
0101xtdtdx
tから先に積分すると
0101xtdtdx=01[xtlogx]t=0t=1dx=01x1logxdx
xから先に積分すると
0101xtdxdt=01[xt+1t+1]x=0x=1dt=01dtt+1=[log(t+1)]01=log2
よって
01x1logxdx=log2
…と、あれ?

積分の順序交換

何の気なしに積分の順序を交換したものが等しい、って言いましたけれど、これが成り立つのかどうかを確かめます。積分の順序交換に関して、次のような定理がありました(名前わからん、フビニの定理の特別な場合?)。

f(x,y){(x,y)|axb,cyd}で連続ならば
cdabf(x,y)dxdy=abcdf(x,y)dydx

さっきのはこの定理の条件を満たしているのかというと、満たしていません。問題は、xt(x,t)=(0,0)で連続でない、というか連続となるように定義できないことにあります。

00を定義しようとすると

実数x,tに対して、xt=etlogxと定義する(eを底とする指数関数は級数で定義され、logxはその逆関数として定義される)と、logxx=0で定義されません。しかし、t>0ならば、x+0とするとetlogx0ですから、0t=0とするとx=0で連続となるように定義することができます。じゃあt=0で連続となるように00=0と定義しようと思うと、x0に対してx0=1ですから、不連続になってしまいます。このように、xt(x,t)=(0,0)で連続となるように定義することはできないのです。

気を付けた計算

結局、広義積分で雑に積分順序を交換してはいけないってことですね(めちゃくちゃやっちゃってた)。じゃあ慎重に計算してみます。0<a<b<1として
ab01xtdtdx=ab[xtlogx]t=0t=1dx=abx1logxdx
01abxtdxdt=01[xt+1t+1]x=ax=bdt=01bt+1at+1t+1dt
{(x,t)|axb,0t1}xtは連続ですから上の定理が使えて
abx1logxdx=01bt+1at+1t+1dt
が成り立ちます。ここで0<t<1のときa<at<1であることなどから
01bt+1at+1t+1dt>01b2at+1dt=(b2a)log2
01bt+1at+1t+1dt<01bt+1dt=blog2
よって右辺はa+0,b10としたときにlog2に収束すると分かったので
01x1logxdx=log2
が言えました。

あとがき(読まなくていいです)

しょーみ数学科じゃない人は使う関数が性質良いので気にしなくていいんですけど。またよくわからない記事を書いてしまった。誰に向けた記事なんだこれ。まあいつもテキトーなこと書いてるのでたまには慎重になってみたということです。が、やっぱり色々雑なところがあったので、公開時から何度か追記修正してます。あ、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

投稿日:202411
更新日:202412
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

furumichi
furumichi
39
4372
数学科でもないしロクな大学受かったわけでもないしガッコーのお勉強なんかむしろサボりまくってるけれどちょっと面白い話がしたかっただけの一般人です。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. 素朴な計算
  2. 積分の順序交換
  3. 00を定義しようとすると
  4. 気を付けた計算