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東大数理院試1995年度専門問4解答

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東大数理の院試(1995年度専門問4)の解答です.
自分が作った解答は ここ に置いてあります.

(東大数理1995年専門問4)

有限群Gの体K上の群環K[G]について次の問に答えよ.

  1. K[G]の元a
    a=gGagg(agK)
    と表し,K[G]の部分集合A
    A={aK[G];gGag=0}
    と定義する.AK[G]の両側イデアルであることを示せ.

(2)K[G]=ABなるK[G]の左イデアルBを全て求めよ.

(1)
任意のa,bAに対し
a+b=gGagg+gGbgg=gG(ag+bg)g,gG(ag+bg)=0
よりa+bA.また任意のxGに対し
xa=gGagxg=x1hGax1hh,x1hGax1h=gGag=0
だからxaA.よって任意のxK[G]に対しxaAとなるから,AK[G]の左イデアルである.右イデアルであることも同様.
(2)
Bの生成元gGaggを任意に取ると,
B(hGh)(gGagg)=gGag(hGhg)=gGag(hGh)
である.ただし最後の等号は,gGを固定した時写像GG,hhgが全単射であることによる.AB=K[G]よりgGag0だからhGhB.よってI:=(gGg)Bである.一方,任意にxK[G]を取ると
x=gGxgg=gG(xg1|G|hGxh)g+gG(1|G|hGxh)gAI
だからK[G]AI.従って
AIAB=K[G]AI
なので,答えは
B=I=(gGg)
のみ.

投稿日:2024127
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delta
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