自転車のツーロックしていますか?
盗難被害を防止するためには両輪に1つずつロックをかけるのがよいそう。
さて、そんな自転車のロックによく使われるダイヤル式ロック。
これはどれほどの防犯効果があるのだろうか。
最もよく使われているであろう4桁のもので考察してみる。
総数?そんなの0~9の1桁の整数を4つ並べるんだから、
10×10×10×10=10000通りに決まっているではないか。
(あるいは0000~9999までの整数で10000通り)
確かにそうなんだが、今回は泥棒が開けようとするその労力を計りたい。
そこで、泥棒はダイヤルロックが開くようにチェーンを常に引っ張りながらダイヤルのナンバーを変えていくとして、泥棒の困難度
さて、この定義にしたがって、総数10000通りを試すことを考えると
単純に考えるならば、0000→0001→…→0009→0010→…と1つずつ回して止めていけば、ダイヤルのナンバーが数字として1増えたとき、同時にdも1増えることがわかるので、この場合では最後にはd=9999となる。
※0009→0010と桁をまたぐときも、またぐ桁(この場合は一の位と百の位)をすべて選び一斉に1ずらして回せばよい。
これよりdを小さくすることは可能だろうか。
ダイヤルのナンバーを
任意の1桁の整数
を満たす1桁の整数
このとき、異なる9つのナンバーの組
は、
例)
が成り立つような1桁の整数
よって、異なる
この
したがって、
これより
Q.「困難度の定義がとても現実的ではない」
A.その通りである。
Q.「チェーンが開くように引っ張りながらダイヤルを変えるので困難度9999-1999=8000ぐらい増えるだろ」
A.その通りである。
Q.「そもそもブルートフォースで盗もうとする泥棒がどこにいるんや」
A.その通りである。
などたくさん考えられるだろう。甘んじて受け入れる。
今回はあまりに実用的ではないが、現実の問題を数理モデルに落とし込んで考えることは意外にも難しくないことも多い。
自分が今後取ろうとしている何気ない選択も、そのときの直観に任せるのではなく、数理的に考えてみてはいかがだろうか。
数学を学んだすべての人へ提案する。