(新しく知った言葉を使いたいだけとか言わないでください.)
最近、なにかと$2^\sqrt{2}$の定義が話題なので,
基本的な集合論である$\text{ZF}\ldots$と(集合に関しては)同等なアッカーマン集合論から$2^\sqrt{2}$を定義するところまでやってみようと思います!
論理記号の定義や扱いは雑になるのでご了承ください.
アッカーマン集合論では変数はすべてクラスであり, あらかじめ集合全体のクラス$V$が与えられています.
$V$の元を「集合」と呼ぶ.
正則性は今回使わないので省略します. また空なモデルでないこと$(\exists x(x=x))$も仮定します.
遺伝性から集合の要素の要素, 集合の部分集合が集合であることがいえるので, 和集合, べき集合の存在が言えます.
また, 形から置換公理の導出も難しくないと思います.
特に空集合$\varnothing$も存在します
$\phi(x)\equiv \forall N[(\varnothing\in N\land \forall z\in N(z\cup\set{z}\in N))\to x\in N]$
と置きましょう.
内包公理から$N_0$であって$x\in N_0\Iff x\in V\land \phi(x)$
なるものが存在します.
ここで$\varnothing\in N_0$であり, $z\in N_0$とすると, $z\cup\set{z}\in V, \phi(z\cup\set{z})$が言えます. これはそのまま$\phi$の仮定になっています.
つまり$\phi(x)\RR x\in N_0 \RR x\in V$ですから,
アッカーマンの公理から$N_0\in V$です。
今後この$N_0$を$\mathbb{N}$と表します.
これが$S:x\mapsto x\cup\set{x}$を後者関数としたときペアノの公理を満たすことや, 四則演算, 順序の定義は省略します.
整数環$\mathbb{Z}$は環の圏の始対象です。
$\mathbb{N}\times(\mathbb{N}\setminus\set{\varnothing})$を$(m,n)\sim (m',n'):\Iff m+n'=m'+n$という同値関係で割り、$[m,n]+[m',n']:=[m+m',n+n'], [m,n]\times[m',n']:=[mm'+nn',mn'+m'n]$として構成されます.
$[m,n]<[m',n']:\Iff m+n'< m'+n$とします.
商体$\mathbb{Q}$を、$[m,n]\leq[m',n']:\Iff mn'\leq m'n$が順序になるような同値関係で割り,
$[m,n]+[m',n']:=[mn'+m'n,nn'], [m,n]\times[m',n']:=[mm',nn']$という演算によって順序体となります.
空でない$A\subsetneq \mathbb{Q}$で
$\forall x\in\mathbb{Q},\exists a\in A[x< a\RR x\in A], \ \forall a\in A, \exists a'\in A[a< a']$
の二条件を満たすもの全体を$\mathbb{R}$と定義します.
特に$r\in \mathbb{Q}$に対し$\set{x\in \mathbb{Q}\mid x< r}\in\mathbb{R}$でこの対応は単射です.
$A+B:=\set{a+b\mid a\in A,b\in B}$とし,
$A\cdot B:= \begin{cases}
\set{x\in\mathbb{Q}\mid \exists a\in A,\exists b\in B, x< ab} & (0_\mathbb{Q}\notin A\bigtriangleup B))\\
\set{x\in\mathbb{Q}\mid \exists a\in A,\exists b\in B, x+ab<0} & (0_\mathbb{Q}\in A\bigtriangleup B)
\end{cases} $
とすると$\mathbb{R}$は$\subseteq$による順序で順序体となります.($0_\mathbb{Q}$は$\mathbb{Q}$の加法単位元.)
特に$\mathbb{R}$の加法単位元を$0$, 乗法単位元を$1$で表します.
そして$2=1+1$とします.
$\mathbb{R}$は上限性質(上に有界な集合は上限をもつ)ということが成り立ちます.(和集合を取ればすぐわかります.)
連続関数は数列の極限と交換する関数のことで, 特に上極限, 下極限と交換します. (それぞれ和集合, 共通部分によって標準的に定義します.)
中間値の定理は連続関数$f:[a,b]\to\mathbb{R},f(a)<\gamma< f(b)$に対し, 二分探索的に極限を得ることで示され
よって正の数の自然数乗根が定義されます.(多項式関数の連続性, 発散性は簡単に示されます.)
$a^{\frac{m}{n}}:=\sqrt[n]{a^m}$は矛盾なく定義され, 正の有理数$r$に対して$2^r$が定義されます.
最後に, $2^\sqrt{2}=\sup\set{2^r\mid 0< r<\sqrt{2},r\in \mathbb{Q}}$
として定義されます. ($4$が上界になります.)
この記事の作成に110分もかけてしまいました(汗)
恒等面接では使えなさそうです.
急いで作ったので五時等あれば教えてください.
ありがとうございますた!