かえでです.
数学で牛刀をもって鶏を割きたいなーと思ったので,幾何における牛刀と鶏の例を紹介します.
※牛刀をもって鶏を割く:(小さな鶏を割くのに,牛を切る大きな包丁を使う意から)小さなことを処理するのに大げさな手段を用いることのたとえ.(コトバンクより)
今回証明する鶏を以下に記します.
三角形$ ABC $において,外接円と内接円の半径をそれぞれ$ R,r $とすると,以下の不等式が成り立つ.
$ R≧2r $
この定理をある2つの牛刀を使って示したいと思います.
三角形$ ABC $の内部の点$ O $について,$ O $から各辺に下ろした垂線の足を$ P,Q,R $とすると,以下の不等式が成り立つ.
$ AO+BO+CO≧2(OP+OQ+OR) $
次のサイトにあります.
https://manabitimes.jp/math/625
三角形$ ABC $において,その外心と各辺との距離の和は,$ R+r $に等しい.
次の記事にあります.
https://mathlog.info/articles/2581
定理2(牛刀1)において,$ O $を三角形$ ABC $の外心になるようにとると,定理3(牛刀2)と併せて以下が成り立つ.
$ 3R=AO+BO+CO≧2(OP+OQ+OR)=2(R+r) $
よって,$ R≧2r $が示される.//
いきなり牛刀をもって鶏を割きたくなってしまった(?)ので急いで書いてしまったため,既出の証明方法であるかどうかは確認していませんが恐らく既出であると思います.また,循環論法になっていないことは確認済です.
以上です.