初めまして。ぼっちまんと申します。
今年の冬に機会に恵まれ、圏論のゼミに参加することになりました。
自分自身、理学部ではない学部の所属だったため、数学を独学で学ぶ必要に迫られたため、今後の参考として自主的に勉強した方法についてまとめてみようと思いました。今回の記事はB1,B2向けの内容になっていると思います。
作成するにあたり、参考にした記事を共有しておきます。
本は分野ごとに紹介していきます。
まずは、
略称ですみません。 この本 です。
まぁ、難易度で言ったら難しい寄りの本です。類書のベーシック圏論と比べると、定理の証明の行間がかなり広いです(例を挙げると極限とか)。
それもそのはず、ベーシック圏論を読んだ前提で取り組むことが推奨されている本になっているからです。私はこの事実を以前、ベシ圏ゼミに参加していた人から聞きました、、、
個人的な思い出としては、非交和などの基本的ではあるものの馴染みのない定理について色々な本や数学科の友人に聞き回って、発表用の資料を作っていたのが力になったのかなって思っています。
Web で圏論について纏めてくれているサイトになります。
運営者(alg-d)は 書籍 として圏論の本を売っていて、 YouTube でも解説動画をあげています。圏論を始めてやる人はこの人を見ることになると思います。それくらいにはわかりやすいです。
自分は後述する餅子圏の演習問題にある、「本書に載っていない〇〇の例を3つ挙げよ」という問題のほとんどをこのWebで公開されているPDFを参考に解き、自主ゼミで発表しました。記号や概念の導入が丁寧なので、説明も理解しやすいのが特徴です。
勝手に餅子圏と呼んでいます。グラフで圏論を使ったゼミが完結し、その後に自主的に企画した圏論ゼミで扱っています。
定義・定理の証明も行間が少なくなっているので読みやすかったです。演習問題に関しては、本の「はじめに」にすべて解くこと。と明記されていますが、それはかなり難しいと個人的には考えています。
自主ゼミに関しても、先駆者として ゆる圏 という企画があり、こちらを超えれるよう、引き続き頑張りたいと思っています。
数学科ではない学生から見ても読みやすい本でした。
ただ、証明の注意に他書(具体的には 内田先生の本(増補版) や 松坂先生の本 )を参照せよ。との指示が書かれていることが少し多いです。また、選択公理の説明が他のセクションと比べて、わかりづらいと感じました(個人の意見)。
良い点としては、
・演習問題の全てに解説が付いていて、難易度の概要も書かれている。
※院試とか狙うなら全部解く必要があると思います。
・cf(参照すべき)定理◯.◯や〇〇の定義よりみたいな情報がかなり書かれている。
※セクションごとの定理、命題、注意などカテゴリごとに通し番号が振られているのでゼミとかで使うには不向きかも。
まとめると、一人で勉強を進めるにはかなりいい本だと思います。
『集合』と『位相』を読みました。
集合の方は最初から読み進めて、分からない定理が出てきたらメモをするようにしました。
位相のほうはいい意味で説明が簡素だったため、時間をかけずに概念を掴むことができました。余談ですが、この本を進めていたらゼミの人から太田先生の 深めよう位相空間 をお薦めされたので合わせて共有させて頂きます。
情報系学部にいるので、論理学と集合論を並行して学べる本を探していてこれを見つけました。
記号論理学に関しては、
前原先生の本が新装版
として出されました。元々が古い本なので、表現が古めかしいものになっているのが欠点ですが、定理の説明は長いものになっていて論理的に理解することが十分に可能になっています。
ただ、論理学そのものが人を選ぶ分野になっているため、初学者は試し読みして難しかったら純粋な集合論の本に進んだ方が良いと思います(特に理学部)。
本の紹介に戻ると、商集合まで抑えておくとこれから学ぶ大学数学を理解しやすくなると思うので、そこを目標に進めていくことが良いと思います。
ただ、位相が含まれていないため内容がコンパクトになっている 遠藤先生の本 も使う必要があるかもしれません。1冊で位相まで完結させたい場合は太田先生の はじめての集合と位相 がおすすめです。
100問で一通りの微積分のテクニックを習得することができる問題集。
笠原「微分積分学」も
新装版
が出たため良いと思う。また、他の問題集として
チャート式
なんかもオススメです。
まぁ、レビュー欄にもある通り、表紙の色それぞれがどの用途に適しているのか、みたいな指標を出してくれるとさらに人気になると思います。
PDFなら、 およそ 100 ページで学ぶ微分積分学 や、 北大の資料 などがおすすめです。
また、離散数学などありますが 茨城大の講義資料 も参考にしました。
理工系の微分積分学 に挫折したので、その乗り換え先として選んだ副読本。
1変数と多変数に分かれており、自習書として使えるように前提知識は最低限となるように書かれているため、非常に読みやすかった。ただ、あくまでもサブ的な立ち位置の本のため、前述の笠原微積や 1冊でマスター 大学の微分積分 などを併用することで理解が深まると感じた。
大学の講義で使った やさしく学べる線形代数 を ヨビノリ を併用して一通り終わらせることができたため、少し高度な教科書が欲しいと思い購入。
※やさしく学べるは 問題集 として使いました。
こちらの本も大学指定の教科書となっていることが多く、160ページとかなり薄いため、一通り読むことができました(ベクトル空間の説明がやや雑ではあるものの)。 加筆版 もあるようなので紹介します。こちらは、物理学科の人が喜ぶ内容となっているようです。
写像に関する説明が前提となているものの、行列式についての説明が丁寧にされています。 長谷川 の本と比べると、内容が少なくなった分、説明の量が多くなっている印象を受けました。
類書としてPDFになりますが、 北大の資料 や 神奈川大の講義資料 なども参照して勉強しました。
通称、赤雪江。そこまで不親切な本ではなかったが、当時は知識量が足りなかったため、他の本に乗り移ります。
追記 : 紆余曲折あって、この本を使った自主ゼミを開くことができて、学習を進めています。
数学ガールで有名な人が書いた、群論の専門書。準同型定理まで、新しく出た概念を都度証明し、作用の具体例まで抑えています。
他の本ですが、群論の 手を動かしてまなぶ やPDFですが、 信州大の資料 も読んで、理解を深めていきたいと考えています。
環論 にも挑戦したいと考えています。
・理工系の基礎 複素解析
1冊目ということで軽めの本を選びました。証明がちらほらと演習問題でやらせる形式だったので、ページ数の割に内容は充実しているように感じました。
他の人から、 なっとくする複素関数 もお勧めされました。
・弱点克服 大学生の確率・統計
問題数が少し多く、アクチュアリー対策によっているものの解説は丁寧でこれだけで基礎を身につけることはできるように感じた。
共立出版の統計 も購入したものの、説明が少し長くわかりづらいと感じたため、この本だけを読み進めることとなった。
・ベーシック圏論
自主ゼミを行なっているので、引き続き6章まで完走をすることを目指して頑張りたいと思う。他の本としては、
圏論の技法
や
活躍する圏論
を読んでみたいと思っている。
・キーポイント線形代数
数学科の講義に換算すると半期分しか学習が進んでいないため、早くジョルダン標準系まで到達することができそうなこちらを読みたい。
同じ理由で、 手を動かしてまなぶ の 2冊目 まで読みたいと考えている。
また、
線型代数と固有値問題
という本にも興味がある。固有値問題について
詳しく知りたいというモチベから欲しています。
・複素関数論の基礎
留数定理までとりあえず進めたいと思ったのでこちらで学習をしていきたいと思った。ここから、
複素関数入門
や
入門複素関数
などに取り組みたいと考えている。
・代数方程式とガロア理論
題名の通り、ガロア理論までを扱っている本となっている。群・環・体の定義についても100ページ越えの付録の中で丁寧に説明されている。
同じ著者の 代数と数論の基礎 にも取り組みたいと考えている。
他の本としては、 表現論入門 なんかにも興味がある。
数学以外
・暗号理論入門 原書第3版
・化学で使える線形代数
数学の勉強を本格的に始める前は集合論と線形、微積くらいで学習は終わるだろー、みたいなことを思っていましたが、やり始めたら分野の豊富さとそれらの繋がり具合を知ることができ、どんどん本を買っては勉強をし続けていて、驚きです。
そして、それが義務感から生まれるものではないことにも驚いています(情報系のほうは、義務感が少し強いので余計に、、、)。
ゼミを通して知ったこととしては、
・「多様体」は物理で重宝する。
・「環論」や「位相空間」を学べば、圏論にも役にたつ。そして、「トポロジー」まで学ぶべきである。
などです。
私は NOT 数学科の学生なので、数学の勉強をするのは難しいかなって思い込んでいましたが、知り合いたちにも助けられながら、多くの教材や学生たちと出会うことができました。
今年の9月にもゼミ合宿に参加する予定なので、頑張りたいと思います。その際にまた、現状報告をする予定なのでよろしくお願いします!!