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自主ゼミの記録

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初めまして、ぼっちまんと申します。

 情報工学科のB3で、主に授業外に数学科や物理学科の人たちと一緒にゼミを行うことで数学を学んできました。今回は今までにやったゼミの内容を振り返りたいと思います。

 この記事を書くにあたって、以下の素晴らしい記事を参考にさせていただきました。

数学科の院生が教える本当に初学者向けの数学書

 今回は、参加したゼミの概要を紹介した後、使用したテキストや参考書をまとめて紹介する形式で書いていきます。

1. 圏論ゼミ

 グラフで圏論。いきなり略称ですみません。 この本 を使いました。

 1章、2章は丁寧に書かれていますが、、途中から急に説明が飛躍し出します(例を挙げると極限とか)。入門書として名高い『ベーシック圏論』と比較すると、同じ定理の証明でも、より高度な内容にまで言及している印象を受けました。

 また、非交和(A⨿B)などの概念が、非数学科erにとっては馴染みが薄いにもかかわらず、あっさりと定義されて進んでいくため、具体例を自分で補う必要がありました。このあたりの知識は 30講シリーズ ( 集合 , 位相 ) を読んで学びました。

 圏論について、他に読んだ本は

壱大整域

  Web で公開されていて、資料はPDFでダウンロード可能。alg-d という方が運営しており、 書籍 の販売や、 YouTube での活動も行っています。

ベーシック圏論

 自分は勝手に「餅子圏」と呼んでいます。グラフで圏論を読んで分からなかった定理などがこちらでも紹介されていることがあり、証明の行間が多くならないように意識して描かれていたため、分かりやすかった。演習問題についても極力取り組むようにしており、特に「OOの具体例を挙げよ。」系の問題に取り組んだことで、理解度が上がったように感じた。

 ここからはゼミの思い出を書いていくが、ゼミ自体は合宿中に行った。事前に2章2節まで進め、期間中に2章5節の極限まで扱い、その後、米田の補題まで証明をして,完結させた。

 個人的には3章の自然変換の説明が非常に面白く、圏の同値に関しても具体例が多く紹介されていたので、イメージが広がりました。

 余談ですが、圏論の勉強を始めた時は前提として知識を何も持っていなかったので、グラフで圏論を読みつつ、並行して基礎数学の勉強もしていました。分野ごとに紹介すると、

 線形代数は 理工系の基礎線形代数学 川久保線形代数学 を、

 群論は 結城群論 を、

 集合(位相)は30講と 手を動かして学ぶ を読みました。

 PDFだと、 神奈川大学の講義資料 福井 を読みました。

2. 圏論ゼミ・リターンズ

 米田の補題まで見通せたものの、「関手は何のためにあるのか(随伴を学んでいないので当たり前かもしれないが)」という疑問が残ってしまったので、もう一度圏論を学ぶことに。

 使った教科書はもちろん、『ベーシック圏論』。現在も継続中のゼミで、5章に入りました。写像をベースに証明がされていたので、一人でもある程度理解しながら読み進めることができました。また、環論を既習の人がどのように圏論を見ていたのかについても少し分かった気がして嬉しかったです。

 Twitter(現X)のハッシュタグ #ゆる圏 も、モチベーション維持のきっかけになりました。

 前述のゼミ合宿の直後ということもあり、数学に対するモチベが高く、春休みで時間もあったので代数の本を何冊か読むこともできました。 永尾群論 群環体入門 代数と数論の基礎 などを買って読みました。

3. 多様体ゼミ

 ゼミ合宿で物理学科との交流があったこと、そして、Twitterで物理学科の人が活発に話していたので物理を学びたいという気持ちが出てきました。なので、まずは多様体を勉強することに。

 ゼミでは、 松本多様体 を使うことに。1章は省略し、2章を学習しました。途中で都合が合わなくなり、章が終わり切ったところで離散。ただ、大きな収穫もあり、Beamerと初めて出会います(発表資料を作っていた人がいたから)。綺麗に数式を表示されていて、見やすかったので自分がプレゼンをする際にも使えるように使い方を勉強しました。今は、 Marp を使っています。

 多様体に関しては、twitterで 藤岡多様体 をお勧めしている人や定番の トゥー多様体 を使っている人が多い印象なので、ここら辺を勉強したいと思っています。

4. 代数学ゼミ

 数学科御用達と思われる 雪江 群論入門 に挑戦しました。

 これも続いているゼミで、1章を省略して、4章2節まで到達しました。 この本は具体例が節を跨いで連動しているため、読み進めた時にある程度繋がりを意識していないと詰まってしまう点が難しかったです。代数に関しては、最近 代数方程式とガロア理論 を読み始めました。

5. 数理論理学

 所属が情報工学科なので、どうしてもプログラミングの勉強をしなければいけなく、情報理論などの知識は代数学とも関連が深いので、まだしたことがない分野の中でそれに近いと思われる論理学を選びました。

 大学の講義で 前原 に相当する内容は学んだため、ゲーテルの不完全性定理を学ぶことを大きな目標にして、教科書を選びました。その本は、 嘉田 数理論理学 。有識者曰く、評価がかなり高い本のようです。

 初学のため、大学図書館にあった 戸次 数理論理学 も読みました。

 また、 嘉田 論理と集合 も情報工学に関して分かりやすい記述がされているため評判が良いです。ただ、位相空間に関する記述がないため、そこまで必要な人は 深めよう位相空間 も併用することをお勧めします。同じ著者の 集合と位相 もあるので紹介しておきます。

 あと、情報系学科の人は 茨城大の講義資料 も程よく内容がまとまっていていいと思います。

6. 線形代数(ジョルダン標準形)

 大学の講義では、固有値・固有ベクトルまでしか扱っておらず、ジョルダン標準形を理解したいと思ったので、ゼミ合宿に参加を決意。

 教科書は 永田 線形代数 を使うことに。池田の方も良かったのですが、 線型代数入門 だけでは、ジョルダン標準圏には届かず、 続論 の方も表現論まで書かれていてパンクしそうだったため、却下しました。

 また、複素解析にも興味が出たため、 高木 解析概論 を読み始めました。ただ、これだけでは難しすぎるので、補助として 理工系の基礎 複素関数の基礎のキソ なども読みました。

研究について、

 3年次より、研究室に配属されているので一般的な人よりは卒論の構想が練られている人です。指導教官が解析(統計や確率などを専攻されている)系なので、よく 確率 やルベーグ積分なんかを研究室では勉強しました。

確率とその応用 応用への最短コース ルベグ積分入門 などを読みました。

 他にも、 離散系の数学 Rで学ぶベイズ統計学入門 を趣味で読みました。

これから

 数学の勉強を始めた当初は、「集合・線形・微積をやれば十分だろう」と思っていました。しかし、一歩踏み込むと分野同士が密接に繋がり合っていることに驚きました。環論と圏論、その先のトポロジーなんかがその一例です。

 情報系の勉強はどこか「義務感」があって嫌なのですが、数学は楽しみながら勉強を続けることができています。これからは、 PDF 手を動かして学ぶ 表現論入門 なども読みたいと思う。

 非数学科という壁はありますが、これからも数学を学び続けていきたいです。次はB4の卒論中間報告あたりで、現状をレポートをしたいと思います。

投稿日:2025715
更新日:31日前
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