モノイドの表現論を学習している自分のための備忘録です.
半群
集合上の二項演算が次の結合法則を満たすとき, を半群という.
をと省略して表すことが多い.
をの積と呼び, と省略して表すことが多い.
をと表したり, をと表したりする.
は半群であると考える.
単位元
半群のある元が次の性質を持つとき, を単位元という.
単位元は存在すれば一意である.
をMと省略して表すことが多い.
定義からはモノイドにならない.
逆元
モノイドの2つの元が次の性質を持つとき, をの逆元という.
定義から, がの逆元であることと,がの逆元であることは同値である.
に逆元が存在するとき,を単元という.
任意の単元について,の逆元は一意である.
単元群は群である.
零元
半群のある元が次の性質を持つとき, を零元という.
零元は存在すれば一意である.
冪等元
半群のある元が次の性質を持つとき, を冪等元という.
零元は存在すれば冪等元である.
単位元は存在すれば冪等元である.
モノイド準同型
2つのモノイドについて, 写像が次の性質を持つときを(モノイド)準同型という.
モノイド同型
準同型に対して, 次の性質を持つ準同型が存在するときを(モノイド)同型という.
同型が存在するとき, とは同型であるといい, と表す.
合同関係
モノイド上の二項関係が次の4つの性質を満たすとき, 上の合同関係という.
商モノイド
モノイド上の合同関係に対して,次式で定まるを商モノイドという.
商モノイドはモノイドである.
合同関係が持つ4つの性質のうち, 最後の性質が商モノイドの積のwell-defined性に対応している.
と定めれば, となる.
のwell-defined性はの定義から明らかである.
が同型であるため.