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現代数学解説
文献あり

超微分の定義と定理

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はじめに

前回 、超微分の定義について軽く触れましたが、今回はそれをより詳しく定義し、付随する定理、公式も証明しようと思います。

定義

超微分係数

f(x)は、任意のxにおいてf(x)>0を満たすものとする。
この時、
limh1loghf(ha)f(a)
aにおけるf(x)の超微分係数といい、f(a)で表す。

いきなり前回と違う話から始めるので少し困惑された方もいるかもしれません。
しかし、微分を習った時のことを考えると、微分係数から習ったと思いませんか。教科書
ということで微分係数の発展版の、超微分係数の定義から始めることとします。
それを踏まえたうえで、前回と異なるところは、初めの1文ですね。
これは、f(ha)f(a)が常に正になるようにするために設けました。
「それなら、任意のxにおいてf(x)<0もいいのでは?」と思われる方も少なからずいると思いますが、その点に関しては後の回でお話しするのでお待ちください。

狭義超微分可能

f(a)が存在するとき、f(x)aで狭義超微分可能であるという。

超導関数

f(x)は、任意のxにおいてf(x)>0を満たすものとする。
この時、
limh1loghf(hx)f(x)
f(x)の超導関数といい、f(x)で表す。

ここまでは微分の定義と同様の流れになっています。
これ以上説明することはないと思うので次に進みます。

超微分に関する定理

f(x)は超微分可能とする。x0の時、
f(x)=limΔx0logx+Δxxf(x+Δx)f(x)

h=x+Δxxとおくと、Δx0の時、h1
limΔx0logx+Δxxf(x+Δx)f(x)=limh1loghf(hx)f(x)=f(x)

この定理は、見ての通り、hxx+Δxとしても超微分という操作になるという証明です。指数関数等を扱うときは便利になってくると思います。

超導関数の変換公式

f(x)が微分可能かつ狭義超微分可能であるとする。
この時、
f(x)=xf(x)f(x)

f(x)=limh1loghf(hx)f(x)=limh1logf(hx)logf(x)logh=limh1xf(hx)f(hx)1h(Lhopital)=xf(x)f(x)

一番の問題となってくるこの定理にやってきました。
この定理が成り立つことを証明するには、L'hopitalの定理が使えるかどうかの条件を考えなくてはいけません。
その条件とは、

  1. limxcf(x)=limxcg(x)=0またはlimxcf(x)=limxcg(x)=±
  2. limxcf(x)g(x)が極値を持つ
  3. cの十分近くにおいてg(x)0

です。教科書L'hopital
今回の場合、

  1. limh1{logf(hx)logf(x)}=limh1logh=0
  2. limh1{logf(hx)logf(x)}(logh)=xf(x)f(x)(ただしf(x)が微分可能な場合チャート)
  3. h=1の十分近くにおいて1h0

より、成立することがわかります。

狭義超微分可能微分可能ではありません。以下に反例を上げておきます。
微分可能狭義超微分可能でない例:y=x
狭義超微分可能微分可能でない例:y=|x|+1

xn,ef(x)の超導関数
  1. (xn)=n (xn>0)
  2. f(x)を微分可能とする。
    {ef(x)}=xf(x)=f(x)f(x)
  1. (xn)=xnxn1xn=n
  2. {ef(x)}=xf(x)ef(x)ef(x)=xf(x)=f(x)f(x)

1.は、最も基本的な関数であるため、初めに扱いました。また、この後の考察で重要になってきます。
2.は定理4の証明で使う他、指数関数やテトレーションの超微分でも重要となってきます。

積、冪に関する公式

f(x),g(x)は狭義超微分可能とする。また、2.においてg(x)は微分可能とする。

  1. {f(x)g(x)}=f(x)+g(x)
  2. [{f(x)}g(x)]=f(x)g(x)+xlogf(x)g(x)=f(x)g(x)+logf(x)g(x)g(x)
  1. {f(x)g(x)}=limh1loghf(hx)g(hx)f(x)g(x)=limh1{loghf(hx)f(x)+loghg(hx)g(x)}=f(x)+g(x)
  2. [{f(x)}g(x)]=limh1logh{f(hx)}g(hx)f(x)g(x)=limh1logf(hx)g(hx)logf(x)g(x)logh=limh1g(hx)logf(hx)g(x)logf(x)logh=limh1g(hx)logf(hx)g(hx)logf(x)+g(hx)logf(x)g(x)logf(x)logh=limh1{g(hx)logf(hx)g(hx)logf(x)logh+g(hx)logf(x)g(x)logf(x)logh}=limh1{logf(hx)logf(x)loghg(hx)+logf(x)g(hx)g(x)logh}=f(x)g(x)+logf(x){eg(x)}
    定理3.2.より定理4.2.は成立する。

この定理は、和、積の微分の公式に対応するものです。積の超微分の公式はただの和ですが、冪の超微分の公式は少し形が複雑です。
また、冪の指数部分にある関数は微分可能という条件も付いています。

合成関数の超微分

f(x),g(x)は狭義超微分可能とする。
{f(g(x))}=f(g(x))g(x)

{f(g(x))}=limh1loghf(g(hx))f(g(x))=limh1logf(g(hx))logf(g(x))logh
ここで、g(x)=y,g(hx)=h2yと書ける。

  1. h1に限りなく近いとき、h2=1となるとき
    {f(g(x))}=limh1logf(y)logf(y)logh=0
    g(x)=0(g(x)=t (tN))
    より、{f(g(x))}=f(g(x))g(x)
  2. h1に限りなく近いとき、h21h21のとき
    {f(g(x))}=limh1logf(g(hx))logf(g(x))logg(hx)logg(x)logg(hx)logg(x)logh=limh1,h21logf(h2y)logf(y)logh2logg(hx)logg(x)logh=f(y)g(x)=f(g(x))g(x)
    より成立

合成関数の超微分は合成関数の微分と同じ形になります。わかりやすいですね。

終わりに

今回は超微分の定義をし、定理を証明していきました。できるだけ厳密に証明しようとしましたが、論理的なほころびがありましたら、お知らせください。
また、次回は超微分の意味を考察したいと思います。

参考文献

[1]
難波 誠, 微分積分学, 数学シリーズ, 裳華房
[3]
チャート研究所, 数学Ⅲ, チャート式, 数研出版, 2024
投稿日:2024826
更新日:2024915
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