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科学大数学系院試過去問解答例(2020午前04)

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ここでは科学大数学系の修士課程の院試の2020午前04の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2020午前04

有限次元$\mathbb{R}$線型空間$V$をとり、$\mathrm{End}(V)$$V$の自己準同型環とする。$f\in \mathrm{End}(V)$について以下同値であることを示しなさい。

  1. $f$は同型である。
  2. 任意の$g\in\mathrm{End}(V)$に対して
    $$ \mathrm{rank}(fg)=\mathrm{rank}(gf) $$
    が成り立つ。

$f$が同型でないとする。ここで
$$ f(x)=0 $$
を満たす$x\neq0$及び$y\in\mathrm{Im}f$なる$y\neq0$をとる。ここで$y$を含む基底$\{y,y_1,\cdots,y_n\}$に対して$g$
$$ g(y)=x $$
$$ g(y_i)=0 $$
になるようにとる。このとき$f(z)=y$なる$z\in V$に対して$gf(z)=x$であるから特に
$$ \mathrm{rank}(fg)=0<\mathrm{rank}(gf) $$
である。よって(i)が成り立たないなら(ii)も成り立たない。
次に$f$が同型であったとする。このとき任意の$g\in\mathrm{End}(V)$に対して
$$ \mathrm{rank}(fg)=\mathrm{rank}(g)=\mathrm{rank}(gf) $$
であるから、(i)が成り立つとき(ii)も成り立つ。
以上から(i)(ii)は同値である。

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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント

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