原稿の紹介です。
https://www.researchgate.net/publication/370472897
前原稿によって、加算直積空間上の自己共役なLaplace作用素が定義されている。その平行移動不変性は、前原稿において明示的には言及しなかった。そこで、本原稿では平行移動不変性を示す(もちろん、これは難しくない)。また、上のLaplace作用素と呼称することのさらなる正当化として、がである上の非負値関数の列であるとき、「」という(恐らく技術的な?)付加条件の下で、「を初期値問題の解とすると、その無限テンソル積は、上のLaplace作用素が定めるSchrodinger方程式の解である」こと、及び、「を初期値問題の解とすると、その無限テンソル積は、上のLaplace作用素が定める熱方程式の解である」ことを示す。
ところで、前原稿で「密度の平方根の(BornとHeisenbergによる量子力学的波動関数の確率解釈に触発された)少なくとも、解析学者にとっては極めて初等的な導入を与える。」と記載したが、BornとHeisenbergによる量子力学的波動関数の確率解釈に触発されたことの事情について明示的に言及はしなかった。この事情は、を可測空間とするとき、上の測度とである関数に対して、状態ベクトルの位置の測定に関する確率解釈は上の確率測度であるが、この確率測度は上の複素測度の全変動の規格化である(そこで、例えば、状態ベクトルを上の複素測度として、Schrodinger方程式をその時間発展を定める方程式として考える)ということである。従って、例えば、に対応する状態ベクトルは上の複素測度である。