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東大数理院試過去問解答例(2021B01)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2013B07の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

わたしはGalois理論は好きなのですが、実際に取り扱うのは非常に苦手で、例えばGalois拡大でないものをGalois拡大として取り扱ったり、Galois拡大のGalois拡大はGalois拡大だと平気で口走ったり、そもそも群論ができていなかったりとだいたいどこかで致命的な間違いを犯します。なのでこの解答も答えが正しくなかったり、そもそも途中の議論に致命的な間違いがあったりする可能性が高いので、ご覧になる際は注意深く議論を追ってください。もし誤り等があればコメントで指摘していただけるとうれしいです。

2021B01

4変数関数体K=C(X,Y,Z,W)及びその対称式からなる部分体をFとする。またL=K(X)とおき、LF上のGalois閉包をMとおく。
(1) 拡大次数[M:K]を求め、M=K(x)なるxMを一つ挙げなさい。
(2) M/Kの中間体の個数を求めなさい。
(3) M/Kの中間体のうちF上GaloisであるようなEを全て求め、各EについてE=K(y)なるyEを求めなさい。

  1. まずMF上の
    (T2X)(T2Y)(T2Z)(T2W)
    の最小分解体である。よってM=K(X,Y,Z,W)であるから[M:K]=16である。またs=X+Y+Z+WMとおくと、これはGal(M/K)の単位元以外の任意の元で別の値に移るからM=K(X+Y+Z+W)である。
  2. まず
    Gal(M/K)=(Z/2Z)4
    であるから、その部分群の個数を求めれば良い。まず位数1及び16の群はそれぞれ1つのみである。次に位数2の部分群は生成元の取り方で決まるから15個である。次に写像
    {位数 2 の部分群}{位数 8 の部分群}H{g|hHhg=0}
    (ここでhg(Z/2Z)4の標準的な内積とする)を考えたとき、これは全単射であるから位数8の群も15個。最後に位数4の部分群は、15C23=35個であるよって合計で1+15+35+15+1=67個である。
  3. まずM/FのGalois群G=Gal(M/F)X,Y,Z,Wの互換を含むからS4を部分群として持つ。よって
    G(Z/2Z)4S4
    である。この中間体のうちKを含み、F上Galoisであるようなものは、(Z/2Z)4の部分群でS4の作用で安定であるようなものに対応している。よってこのような部分群を考えれば良い。まず位数2の部分群でこのようなものは
    τ=(XXYYZZWW)
    で生成されるものに限られる。次に位数4の部分群でS4の作用で安定であるものは、(Z/2Z)4τ及び0以外の任意の元はS4による軌道を4つ以上持つことを考慮することによって、存在しないことがわかる。次に位数8の部分群でSの作用で安定であるものは位数2のものと(2)で行った議論の下対応しているから
    (XXYYZZWW)
    (XXYYZZWW)
    (XXYYZZWW)
    で生成されるものの1つのみである。よって条件を満たすものは2つあるが、前者に対応する部分体E1K上の8次拡大であり、これはt=XY+YZ+ZWを含んでいるが、これを固定するGal(M/K)の元は自明元とτのみであるからE1=K(XY+YZ+ZW)である。一方後者に対応する体E2K上の2次拡大であり、E2=K(XYZW)である。
投稿日:20231020
更新日:2024823
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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