4

マクローリン展開を離散から連続へ2(公式まとめ・ご紹介編)

85
0

おはよう

さあ、フォロワー様からいくつか特殊なケースをいただきましたので紹介させていただきます。
以下、 前回の記事 の定義1の積分に展開することを単に第一種積分展開とします。
第二種も作るつもりでいるので、第一種で。
あと、第一種積分展開では何も言わなくても0<x<1を条件とします。

積分展開係数と級数表示

f(ex)=n=0c(n)(0)xn+1
ただし、c(n)(0)fの積分展開係数c(s)s=0におけるn次導関数で、c(s)s0でマクローリン展開可能なものである。

以下証明では、 前回の記事 で導出した公式を用いています。

f(t)0<t<1で定義されており、父関数fが第一種積分展開可能とする。fの積分展開係数をc(s)とする。
f(t)=0c(s)tsds
ここで、c(s)がマクローリン展開可能であるとして展開すると、
c(s)=n=0c(n)(0)n!sn
よって(積分と極限が交換できるので)、
f(t)=0(n=0c(n)(0)n!sn)tsds=n=0c(n)(0)n!0sntsds=n=0c(n)(0)n!n!(ln1t)n+1
 f(t)=n=0c(n)(0)(ln1t)n+1
特にt=ex (x>0)のとき、
f(ex)=n=0c(n)(0)xn+1

すごい。この公式を見つけてくださったノメル様に感謝。
この公式を用いた計算も視野に入れていきます。

積分展開係数と畳み込み

fの積分展開係数をAgの積分展開係数をBとしたとき、
f(x)g(x)=0(AB)(u)xudu
ただし、(AB)(u)は関数A,Bの畳み込みを表す。

Tsumarrrrrri !! fgの積の積分展開係数がそれぞれの関数の積分展開係数の畳み込み!! 神!!

f(x)=0A(s)xsds, g(x)=0B(t)xtdtとする。
f(x)g(x)=(0A(s)xsds)(0B(t)xtdt)=00A(s)B(t)xs+tdsdt
s+t=uとおくと、ds=du , u:tより、
f(x)g(x)=0tA(ut)B(t)xududt
積分の順序交換を行うと、
0(0uA(ut)B(t)dt)xudu=0(AB)(u)xudu

きれいですね。公式を見つけてくださったTyLite様に感謝。
生かせるところでめちゃくちゃ力を発揮しそう。

第二種をつくろう

通常ディリクレ級数みたいな形になります(します)。

x>1に対し、
f(x)=0C(s)xsds
f(x)第二種積分展開と定め、係数C(s)積分展開係数、それに対する関数f(x)父関数と定める。

範囲広げてディリクレ級数っぽくしただけです。
呼び名を増やすのが悪い癖になりつつあるので、積分展開以外はそのままで。(cCが安定してないのは許してっ)

公式まとめ

見つけた・教えていただいた公式ぶっぱぁ。証明掲載済み含め、証明は割愛します。一部特殊なケースのみ、xの範囲を示しています。第一種は0<x<1、第二種はx>1で基本固定しています。

1.積分展開とラプラス変換の関係式
0c(t)xtdt=L[c](lnx)   (0<x<1)
0C(t)xtdt=L[C](lnx)   (x>1)
2.積分展開係数が多項式関数の関係式
Γ(a+1)(ln1x)a+1=0saxsds   (a>1)
Γ(a+1)(lnx)a+1=0saxsds   (a>1)
3.積分展開係数が指数関数の関係式
1lnax=0asxsds   (a>x)
1lnxa=0asxsds   (a<x)
1ln(ax)=0asxsds   (ax>1)
4.1+x+x2+のデルタ関数を用いた積分展開による表現
11x=0(n=0δ(sn))xsds   (0<x<1)
5.関数の積の畳み込みを用いた積分展開
f(x)g(x)=0(ab)(u)xudu   (f(x)=0a(s)xsds,  g(x)=0b(t)xtdt)
f(x)g(x)=0(AB)(u)xudu   (f(x)=0A(s)xsds,  g(x)=0B(t)xtdt)
6.特殊な場合の積分展開係数を用いたディリクレ級数展開
f(ex)=n=0c(n)(0)xn+1   (f(t)=0c(s)tsds)
f(ex)=n=0c(n)(0)xn+1   (f(t)=0C(s)tsds)

他の公式が見つかり次第貼っていきます。

conclusion

ラプラス変換の存在のために独自性が失われつつあります...
が、新定義の確立も視野に入れ、最初の記事の最初の式
0f(t)(0)Γ(t+1)xtdt
の式変形についても積分展開の逆?操作を実行したいので、次が出来上がるまでしばしお待ち。ちなみにt次導関数の定義を頑張ってなんとかすればこの式は(多分)処理できます。では。

投稿日:17日前
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

関数をつくろう(掛詞)

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. おはよう
  2. 積分展開係数と級数表示
  3. 積分展開係数と畳み込み
  4. 第二種をつくろう
  5. 公式まとめ
  6. conclusion