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Ramanujan's master theorem の一般化(予想)

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Ramanujan's master theorem の一般化(予想)

はじめに

今回は,キモすぎる公式,Ramanujan's master theorem(以下,ジャンマス,RMT)との出会いと,自力でガバ証明を与えるまでの葛藤を綴っていこうと思う.
RMTって略され方は英語圏の文章で見かける気がするけど,ジャンマスは勝手に俺がそう呼んでるだけだから注意されたし.

出会いと一般化に関する予想

1年前ほど前(2022年5月),はてなで油そばを食いながら英wiki見漁っていたときに次の公式を発掘した.

Ramanujan's master theorem

0xs1n=0f(n)(1)nn!xndx=Γ(s)f(s)

ラマヌジャンらしいキモい式だなと思った.一体何を食ったらこんな式思いつくんだ?
f(x)=1のとき,当然,和の部分はexに等しく,Γ関数の定義式となるから,成り立ってそう.
俺は直感的に,この式の和の部分はΓ関数に持って行くためにexのマクローリン展開に重みづけをしているのだと感じた.
同時に,これをΓ関数ではなく,メリン変換ととらえると,exのマクローリン展開のみならず,一般の関数のマクローリン展開の重みづけでも成り立ってそうと予想した.

一般化された Ramanujan's master theorem

0xs1n=0g(n)f(n)(0)n!xndx=M[f](s)g(s)

右辺を思いついた経緯だが,普通のジャンマスが

0xs1n=0g(n)(1)nn!xndx==0xs1f(s)n=0(1)nn!xndx=f(s)0xs1exdx=Γ(s)f(s)

と示されるはずだから,

0xs1n=0g(n)f(n)(0)n!xndx==0xs1g(s)n=0f(n)(0)n!xndx=g(s)0xs1f(x)dx=M[f](s)g(s)

となると予想した.実際,一般化の式でf(x)=exとしたら通常のジャンマスと一致している.

色々調べたら実際にこの直感は正しいことが分かったが,問題なのは,通常のジャンマスでさえ証明がどこにも載っていなかったことだ.

思いついた証明その1

最初のアプローチ

面倒なので,長い間放置していたが,自分の力ではこれ以上探せないため,自力で証明してみることにした.
予想式において,最初はg(n)をマクローリン展開して,和の順序を入れ替えるなどしたらうまくいきそうだと考えた.
実際はそうはいかなかったが,nkという項が出てくるから,xexの置換と部分積分で消すことを考えた.そして,部分積分の副産物で上手いこと(s)kがでてきた.総武線で中野駅を目指しているときだった.
ラマヌジャンはここからジャンマスを思いついたのだろうと感じた.
しかし,部分積分の計算過程で発散してうまく計算ができない箇所があった.

ズル

計算がうまくいかなかったが,すでに証明の一歩手前まで来ていたので,アプローチは変えなかった.
そこで,我々非数学屋の特権に手を出すことにした.にδ関数を使ってしまおうという魂胆だ.
都合よく積分区間が(,)(すなわち,原点を通っている)だったので微分にδ関数を絡めてみたらうまく計算できた.ジムでバイクを漕ぎながらの出来事だった.思わずEureka!と叫んでしまいそうになった.
数学屋に怒られそうだったが,知見が欲しかったため,Twitterにこの証明を投稿した.悲しいことに,1つもいいねが付かなかった.

その証明が次である.

1

nkesxenxdx=nkesxδ(yx)enydydx=esxδ(yx)(1)kdkenydykdydx=esxdkδ(yx)dykenydydx=esx(1)kdkδ(yx)dxkenydydx=enydkδ(yx)dxkesxdxdy=enyδ(yx)dkesxdxkdxdy=enyδ(yx)(s)kesxdxdy=(s)kesyenydy
より,
0xs1n=0g(n)f(n)(0)n!xndx=0xs1n,k=0g(k)(0)k!nkf(n)(0)n!xndx=esxn,k=0g(k)(0)k!nkf(n)(0)n!enxdx (xex)=esxn,k=0g(k)(0)k!(s)kf(n)(0)n!enxdx=esxn=0g(s)f(n)(0)n!enxdx=0xs1n=0g(s)f(n)(0)n!xndx=0xs1f(x)dx g(s)=M[f](s)g(s).

思いついた証明その2

ジャンマスそのものを用いた証明.

2

Riemann-Liouville 積分において,f(x)のメリン変換の収束条件からaとして,

0xs1n=0g(n)f(n)(0)n!xndx=Γ(s)g(s)f(s)(0)(1)s=Γ(s)g(s)1Γ(s)0(1)s(0t)s1f(t)dt=g(s)0ts1f(t)dt=M[f](s)g(s).

ジャンマスを既知のものとした証明.でないと循環論法になる.
先のツイートをする直前に反復積分に関する問題を解いていたので,そこから閃いた.

思いついた証明その3

3

簡単のためF(s)=M[f(x)](s)とおくと,メリン変換の倍公式より,M[f(akx)](s)=askF(s).

この両辺にh(k)(0)/k!を掛けてk=0,1,...として辺々加えると,

()=0xs1n,k=0h(k)(0)k!f(n)(0)n!aknxndx=0xs1n=0h(an)f(n)(0)n!xndx
()=k=0h(k)(0)k!askF(s)=F(s)h(as)

g(x)=h(ax)として,

0xs1n=0g(n)f(n)(0)n!xndx=M[f](s)g(s).

任意の関数g(x)h(ax)と表せるかは微妙.

投稿日:2023731
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投稿者

東北大学工学研究科出身 できるだけ受け売りはせず,自分で思いついた解法や妄想を備忘録がてら書き綴っていこうと思います.

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