ここでは京大RIMS数学教室の修士課程の院試の2026専門02の解答例を解説していきます(但し今回は解説の都合で問題を改変しています)。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
体$K$を
$$
K:=\mathbb{Q}\left(\sqrt[3]{1+\sqrt{-3}}\right)
$$
とし、$K$を含み$\mathbb{Q}$上ガロアであるような最小の体を$F$とおく。以下の問いに解答しなさい。但し(3)及び(4)に於いて体を挙げる際は、$F$の適切な元$a$を取り、$\mathbb{Q}(a)$の形で挙げること。
元の問題は「ガロア群$\mathrm{Gal}(F/\mathbb{Q})$を求めなさい」という問題でしたが、問うてることが抽象的だと思ったので、問題を大幅に変更しました。例えば解答を「上で挙げた$\sigma_{a,b}$たちの為す群」としても一応求めていることにはなります。尤もここで求められているのは$\mathrm{Gal}(F/\mathbb{Q})$の群構造だと思いますので、以下これについて解説していきます。
まず$G_1$を$\sigma_{a,0}$全体の為す群($\simeq \mathbb{Z}/3\mathbb{Z}$)とし、$G_2$を$\sigma_{0,b}$全体の為す群($\simeq(\mathbb{Z}/9\mathbb{Z})^\times\simeq \mathbb{Z}/6\mathbb{Z}$)としたとき、
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G=G_1G_2
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$$
G_1\cap G_2=\{1\}
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$$
G_1\triangleleft G
$$
なので、$G=G_1\rtimes G_2$なことが分かります。また半直積の群構造を求めるには群準同型$G_2\to\mathrm{Aut}(G_1)$を求める必要がありますが、今回の場合このような群準同型は自明な群準同型か$G_2$の生成元を$-1$倍写像に持っていくものしかありません。前者の場合は半直積はただの直積なので、今回は後者になります。
元の問題に対してはこの旨を書いておけば、正解になると思います。