積分を解く
今週も級数・積分botに記載されている積分を解きます。
解く積分
見るからにやばそうな積分ですね。パッと見た感じ、分子のが悪さをしそうです。
実際この積分は結構大変なので、前置きはこのくらいにして解法に移りましょう。
パラメータの追加
を次のように定義します。
このときを計算することで、
の計算
すなわち、が成り立つことが分かります。このことから、が計算できれば、
それを微分してを代入することで積分が求まりそうです。
を計算する
では実際にを計算しましょう。
※ここで登場するやは、それぞれの逆関数です。
最後の行で出てきた積分がもう少し上手く変形できそうです。
そこだけ切り取って計算してみましょう。
そこでの微分をつかいます。
証明
このことからは
のように表すことが出来ます。これをについて解くと、
正の分枝を選んで、両辺自然対数を取ると、
両辺をについて微分することで、
が得られます。
これを用いて下の積分の計算を進めます。
(積分変数は、わかりやすさのために変えておきます。)
普通に逆関数の微分公式を使ってもいいです。
いい感じに整理できました。これをの式に代入すると、
虚数単位を使って無理やり二乗をくくり出しました。
最後の式のシグマの部分を見ると、あることに気づきます。
そうですね、のテイラー展開(マクローリン展開)です。
※文字がになっていますが、これはなる複素数で収束することが言いたいからです。
証明
であることを用いて、一般化二項定理で証明します。
ここでである。
を代入して計算すると、
なので、
この級数はで収束します。
文字をに書き換えると公式2が得られます。工夫して積分を求める
の式をよく見ると惜しいことが分かります。
の指数がですね。ここをにするためににを掛けて計算を進めると、
これを用いると、
であったので、代入して
ここで、が一見よくわかりませんが、
複素対数関数を使ったの表示を使うと上手く整理されます。
証明
とおくと、正の分枝を選んで両辺自然対数を取り、変数をに変えると
公式3より、
のように計算でき、元の式に代入することで
上手く虚数が消えて積分が解けました。
今回の積分はかなり大変でしたね。
もっと楽な解法、エレガントな解法を知ってるよって人は、
是非コメント欄で教えてください!
それではまた。