主成分分析を勉強している中で, 最小性について気になったのでまとめた.
一通り書いた後に凸関数使わなくてもいけるなと思ったけど備忘録.
ゴールは次の命題である((1), (2)は同じことを述べている).
微分して0になる点を停留点と呼ぶが、一般に停留点は極値点になるとは限らない.
極値であっても極大値か極小値かは分からないし、最大値か最小値かはもっと分からない.
しかし上に挙げた条件を満たせば, 停留点は直ちに最小値を取る点になる(すごい).
一変数凸関数には次の判定条件がある.
(1)
(2)
(3)
狭義凸関数についても一部類似の命題が成り立つ. (スキップしてもゴールの命題には影響ない)
(1)
(2)
(3)
に対し, (1)
(1)
さて任意の
このとき,
これは矛盾. よって
(2)
とする. 必要なら
ここで, 平均値の定理(杉浦解析I, 定理2.3)よりそれぞれ
が成り立ち,
したがって,
ここで
(3)
が成り立つ. あとは同様.
命題3において一般に(2)
実際に
続いて凸関数とヘッセ行列の関係性をみる.
をヘッセ行列と呼ぶ.
(1)
(2)
凸関数とヘッセ行列には次の関係性がある.
(1)
(2)
よって,
よって,
多変数のテイラーの定理(杉浦解析I, 定理7.2) より,
命題3(1)より凸関数のヘッセ行列は半正定値であるから
ここで
したがって,
これは
命題3(1)から直ちに従う. (というか命題4の証明は半正定値であることを用いている).
以上よりゴールとなるお気持ちの系を得る.
ちなみに関連話題としてvariantcovariantにあるように分散共分散行列が半正定値というのがあるらしい. これについては今後書き留めたい.