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Gaussの乗積表示を使わずに、Weierstraßの乗積表示を導出

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Wierstraβの乗積表示

1Γ(x)=xeγxk=1exk(1+xk)

但し、γは、オイラーマスケローニ定数

を、ガウスの乗積表示なしで示します。

ガウスの乗積表示使うバージョン


ガウスの乗積表示
Γ(x)=limNNxN!k=0N1x+k

無限積を1からにして、N!を無限積に入れる
=limN1xNxk=1Nkx+k

NxexlogNとし、
limN{logN(k=1N1kγ)}=0
を使うと

=limN1xex(k=1N1kγ)k=1Nkx+k

eの肩のシグマを無限積にいれると

=limN1xeγxk=1Nexkkx+k

逆数をとって

Γ(x)=xeγxk=1exk(1+xk)
が、示された。

準備

ディガンマ関数

Γ(x)Γ(x)=ψ(x)=ψ(1)+k=1x11k

証明

ガンマ関数の漸化式
Γ(x+1)=xΓ(x)
を両辺対数微分すれば
ψ(x+1)=1x+ψ(x)
移項して和分すれば
k=1x{ψ(k+1)ψ(k)}=ψ(x+1)ψ(1)=k=1x1k

ミューラーの公式

関数f(x)x0f(x)0ならば、

k=1xf(k)=k=1f(k)f(x+k)

証明


右辺をSとし、中身を揃えるように変形すると
S=limn{k=1nf(k)k=x+1n+xf(k)}
1からxまでの和(有限)を引くと
Sk=1xf(k)=limn{k=1nf(k)k=1n+xf(k)}=limnk=n+1n+xf(k)
xf(x)0なので
limnk=n+1n+xf(k)=0
よって
Sk=1xf(k)=0
S=k=1xf(k)

本題

上の公式1に公式2を適用すると

Γ(x)Γ(x)=ψ(1)+k=1(1k1x+k1)

両辺1から(x+1)まで積分

logΓ(x+1)=ψ(1)x+k=1(xklog(x+k)+log(k))

eの肩にのせる

Γ(x+1)=eψ(1)xk=1exk(kx+k)

xで割って逆数とると

1Γ(x)=xeψ(1)xk=1exk(1+xk)

完成。
しかしディガンマ関数が残ってる。Gaussの乗積表示なしでψ(1)=γを示さないとだが、その方法を私はまだ知らない。
コメント蘭で教えてくださいました。
vunuさん、ありがとうございます。
よって
weierstraβの乗積表示

1Γ(x)=xeγxk=1exk(1+xk)

が示された。

投稿日:20241023
更新日:20241029
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数学者でもなければ大学生でも無い一般人

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