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max-minの等式について

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$$\newcommand{bb}[0]{\mathbb} \newcommand{bm}[0]{\boldsymbol} \newcommand{C}[0]{\mathbb C} \newcommand{de}[0]{\coloneq} \newcommand{f}[2]{{_{#1}F_{#2}}} \newcommand{F}[5]{\f{#1}{#2}\hgs{#3}{#4}{#5}} \newcommand{fg}[2]{\L[\begin{matrix}#1\\ #2\end{matrix}\R]} \newcommand{fh}[0]{\newcommand{\fg}[2]{\L[\begin{matrix}#1\\ #2\end{matrix}\R]}} \newcommand{g}[0]{\Gamma} \newcommand{gf}[2]{\L[\begin{matrix}#1\\ #2\end{matrix}\R]} \newcommand{GL}[1]{\operatorname{GL}_{#1}(\C)} \newcommand{h}[3]{\left[\begin{matrix}#1\\ #2\end{matrix};#3\right]} \newcommand{hgs}[3]{\left[\begin{matrix}#1\\ #2\end{matrix};#3\right]} \newcommand{i}[1]{{-{#1}}} \newcommand{imply}[0]{\implies} \newcommand{kd}[2]{\delta_{{#1},{#2}}} \newcommand{L}[0]{\left} \newcommand{m}[1]{\left(\matrix{#1}\right)} \newcommand{o}[1]{\operatorname{#1}} \newcommand{p}[2]{{_{#1}\phi_{#2}}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{Q}[5]{\p{#1}{#2}\hgs{#3}{#4}{#5}} \newcommand{q}[2]{{_{#1}\phi_{#2}}} \newcommand{R}[0]{\right} \newcommand{SL}[1]{\operatorname{SL}_{#1}(\C)} \newcommand{t}[0]{\vartheta} $$

はじめに

どうもこんにちは,🐟🍊みかん🍊🐟です。今回は,かなり前にツイートした次の等式について話していこうと思います。$a=b=c$である場合を除き

\begin{align} \max(a,b,c) &= \frac{(a+b)|a-b| + (b+c)|b-c| + (c+a)|c-a|}{2(|a-b| + |b-c| + |c-a|)} + \frac{|a-b| + |b-c| + |c-a|}4\\ \min(a,b,c) &= \frac{(a+b)|a-b| + (b+c)|b-c| + (c+a)|c-a|}{2(|a-b| + |b-c| + |c-a|)} - \frac{|a-b| + |b-c| + |c-a|}4 \end{align}

が成り立ちます。この式をどうやって思いついたか,しばらく経った時点で忘れていて,当時のメモを探すのも少々めんどくさくなってしまいましたが,久しぶりに考えてみたら案外あっさり示せることが分かったので,上の等式を示します。以後,本記事では,

\begin{align} (a_1,\dots, a_n) &= \max(a_1,\dots, a_n)\\ [a_1, \dots, a_n]&= \min(a_1,\dots, a_n) \end{align}
とします。

当たり前の事実

まず当たり前の事実を観察します。例えば,2変数の最大最小に関しては,明らかに
\begin{align} (a,b) + [a,b] &= a+b\\ (a,b) - [a,b] &= |a-b| \end{align}
が成り立つので,ここから絶対値と最大最小の表示の関係である
\begin{align} |x| &= \max(x,-x)\\ (a,b)&=\frac{a+b+|a-b|}2\\ [a,b]&=\frac{a+b-|a-b|}2 \end{align}
などが出ます。maxやminの恒等式は基本的にここから出てくるものが多く,例えば$c>0$に対して$c(a,b) = (ca, cb), c[a,b] = [ca,cb]$$-(a,b) = [-a, -b]$が成り立つことがわかります。この観察から,一般の変数でも,$\max + \min$の値や,$\max - \min$の値が分かればよいだろう,ということ推測できると思います。

3変数の場合

では3変数の場合について考えてみましょう。まず,差について考察していきます。つまり,$(a,b,c) - [a,b,c]$がどうなるかを見ていきます。結果としては次のようになります。

\begin{equation} (a,b,c) - [a,b,c] = (|a-b|,|b-c|,|c-a|) = \frac{|a-b| + |b-c| + |c-a|}2 \end{equation}

 $M = (a,b,c), t= \o{median}(a,b,c), m = [a,b,c]$と置くと$|a-b|,|b-c|,|c-a|$$M-t,t-m,M-m$の並び替えになることに注意する。
 一つ目の等号は,$m\le t\le M$であることから$M-t, t-m, M-m\ge 0$であること,また$(M-t) + (t-m) = M-m$であることから,$M-m$$|a-b|,|b-c|,|c-a|$の中で最大となることからわかる。
 二つ目の等号は,$|a-b|,|b-c|,|c-a|$$M-t,t-m,M-m$の並び替えになるので,$|a-b|+|b-c|+|c-a| = (M-t) + (t-m) + (M-m) = 2(M-m)$であり,これは最左辺と最右辺が等しいことを意味する。

上の命題から直ちに従う系があります。

命題1

もし$a,b,c\ge 0$なら,
$$(a,b,c)^2 - [a,b,c]^2 = (|a^2-b^2|,|b^2-c^2|,|c^2-a^2|) = \frac{(a+b)|a-b| + (b+c)|b-c| + (c+a)|c-a|}2$$

単調関数$f$に対して,$f((a,b,c)) = (f(a), f(b), f(c)), f([a,b,c]) = [f(a), f(b), f(c)]$なること,また$x\ge 0$に対して$f$が単調であること,また,条件の範囲では$a+b,b+c, c+a\ge 0$であることに注意して命題1を用いればよい。

上の二つの主張から,最初に述べた等式が従います。

3変数

$a=b=c$でなければ
\begin{align} (a,b,c) &= \frac{(a+b)|a-b| + (b+c)|b-c| + (c+a)|c-a|}{2(|a-b| + |b-c| + |c-a|)} + \frac{|a-b| + |b-c| + |c-a|}4\\ [a,b,c] &= \frac{(a+b)|a-b| + (b+c)|b-c| + (c+a)|c-a|}{2(|a-b| + |b-c| + |c-a|)} - \frac{|a-b| + |b-c| + |c-a|}4 \end{align}
が成り立つ。

$a,b,c\ge r$であるとすると,$a,b,c$をそれぞれ$a-r, b-r, c-r$に置き換えることによって等式が変わらないことがわかるので,$a,b,c\ge 0$と仮定して一般性を失わない。ここで$M = (a,b,c), m = [a,b,c]$であるとすると,命題1とその系によって,$a=b=c$でないならば$M\ne m$だから,
\begin{align} M+m &= \frac{M^2-m^2}{M-m} = \frac{(a+b)|a-b| + (b+c)|b-c| + (c+a)|c-a|}{|a-b| + |b-c| + |c-a|}, \\ M-m &= \frac{|a-b| + |b-c| + |c-a|}2 \end{align}
となることがわかるので,この連立方程式を解けばよい。

明らかなことですが,$M+t+m = a+b+c$なので,中央値も似たような形式で書けます。
$$ \o{median}(a,b,c) = \frac{c|a-b| + a|b-c| + b|c-a|}{|a-b| + |b-c| + |c-a|} $$
ちょっと内心の位置ベクトルみたいですね。これがどういうことを意味するのかはちょっと良くわかりません。

おわりに

絶対値研究では,こういう「自明な観察」をしないと思いつかなそうな等式があったりします。実際,当たり前のことを少し視点を変えて組み合わせるだけで,3変数の最大値や最小値が「対称式」として書けることがわかりました。当たり前のことを積み上げて非自明な結果を作ってみたい人は絶対値研究をしてみるといいかもしれません。それではまた。

投稿日:9時間前
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