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ペル様方程式の整数解

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x^2-221y^2=100のような方程式の整数解について2次体の視点から

https://twitter.com/icqk3/status/1707923823792951661
に画像で投稿した内容を一応テキストデータでも残しておこうと思って

・補足:代数体の元のノルムとその整数環のイデアルのノルムは定義が違って、単項イデアル(α)のノルムは元αのノルムの絶対値と等しい性質があることを使っている。例えば https://www.juen.ac.jp/math/nakagawa/quadnf.pdf の命題4.8


一般的な実用的な解法は既に紹介がある通りで
https://twitter.com/Jupsatellite/status/1707736217872429316
2次体の言葉を知っていると仕組みをよりよく見通せますが
すべてを説明するには書籍ぐらいの量が必要になるので
(キーワードは「代数的整数論」)
・その言葉を知っている人向けに
・言葉を知らないけど雰囲気を知らない人向けに
*元の問題 x^2-221y^2=100
対応する整数環Z[(1+√221)/2]上でノルムが-25となる元を求めることになる。
・単数は-1と(15+√221)/2で生成されてどちらもノルムが+1である
・類数が2で、ノルムの絶対値が25の既約元には3つの同伴でないものがある:5, (11±√221)/2
[(5)=p1・p2と素イデアル分解されてp1,p2が位数2の同じ類に属するため、
ノルムが25の単項イデアルとしてp1・p1,p1・p2,p2・p2の3つが存在する仕組みとして理解できる]
 そのうち前者のノルムは+25, 後者2つのノルムは-25
ノルムが-1の単数が存在しないので後者に単数を掛けたものだけが適する
(x+y√221)/2 = ± (11±√221)/2 * {(15+√221)/2}^n [nは整数]
がすべての解を与える


*ノルムが-1の単数が存在する場合どうなるかの参考に x^2-85y^2=-36
対応する整数環Z[(1+√85)/2]上でノルムが-9となる元を求めることになる。
・単数は-1と(9+√85)/2で生成されて、後者のノルムは-1である
・類数が2で、ノルムの絶対値が9の既約元には3つの同伴でないものがある:3, (7±√85)/2
 そのうち前者のノルムは+9, 後者2つのノルムは-9
前者にノルムが+1の単数を掛けたものか、後者にノルムが-1の単数を掛けたものが適する
(x+y√85)/2 = ±3*{(9+√85)/2}^n, nは奇数
または
(x+y√85)/2 = ±(7±√85)/2*{(9+√85)/2}^n, nは偶数
の2パターンがすべての解を与える


*類数3の場合どうなるかの参考に x^2-229y^2 = -100
対応する整数環Z[(1+√229)/5]では(5)=p1・p2と素イデアル分解されるが、
p1,p2は位数3の異なる類に属するため、p1・p1やp2・p2は単項イデアルにならない
従ってノルムの絶対値が25の既約元は5と同伴なものしか存在しない
この場合はノルムが-1の単数が存在して先と同様の議論をすると最終的な解は
(x+y√229)/2 = ±5*{(15+√229)/2}^n [nは奇数]
の1パターンだけという形になる

投稿日:2023114

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