この記事では、いわゆるコーナーケース・エッジケースは考慮していません。
厳密な議論が必要な方は各自でお願いします。
この記事にはメビウス平面(反転平面)の無限遠点が出てきます。
メビウス平面の無限遠点は射影平面の無限遠点と性質が異なるので注意してください。
(この2タイプの無限遠点についての記事を前々から書こう書こうと思っているのですが、書けていないです……。)
$\measuredangle CAB$で有向角を表すことにします。
有向角に関しては denta_geometry さんの 有向角の使い方 | Mathlog が参考になります。
この記事の証明の一部では、
恒等式 $\measuredangle CAB=\measuredangle CAP_1+\measuredangle P_1AP_2+\cdots+\measuredangle P_{n-1}AP_n+\measuredangle P_nAB$
とか
恒等式 $\measuredangle CAB=\measuredangle ACP_1+\measuredangle CP_1P_2+\measuredangle P_1P_2P_3+\cdots+\measuredangle P_{n-2}P_{n-1}P_n+\measuredangle P_{n-1}P_nB+\measuredangle P_nBA$
とか
円周角の定理:$A,B,P,Q\,\text{が共円}\,\Leftrightarrow\,\measuredangle APB=\measuredangle AQB\,\Leftrightarrow\,\measuredangle APB+\measuredangle BQA=0$
とか
を使うので、証明まできちんと見ようと思う人は有向角が使えた方がいいです。
証明を気にせずに、定理を眺めるだけならいりません。
平面幾何において、ある線がある点を通ること(ある点がある線上にあること)や線同士が交わったり接したりすることを接続関係という。この記事は、円と直線と点の接続関係のみで記述される定理について載せる(私が知っている範囲で)。私がまだまだ不勉強なので抜けが多いと思う。
円と直線(および点)の接続関係は反転によって保たれる。
反転を考える際はユークリッド平面に一つの無限遠点を付け加えた平面で考えると便利である。この平面をメビウス平面あるいは反転平面という。
メビウス平面において直線は無限遠点$P_\infty$を通る円と考えることができる。
すなわち、「2点$X,Y$を通る直線」は「3点$P_\infty,X,Y$を通る円」とみなし、「3点$X,Y,Z$が共線であること」は「4点$P_\infty,X,Y,Z$が共円であること」と考える。また、「点$A$で交わる2直線」は「2点$P_\infty,A$で交わる2円」となり、「平行な2直線」は「点$P_\infty$で接する2円」となる。
円と直線の接続関係の命題は、どの円上にもなくどの直線上にもない点を中心とする反転により、円のみの接続関係の命題に書き換えられる。逆に、円のみの接続関係の命題は、いずれかの円上の点(特に円同士の交点)を中心とする反転により、円と直線の接続関係の命題に書き換えられる。
この記事では直線を円扱いして、すべて円として定理を記載することにする。
バンドル定理(bundle theorem)を3つの表現で記載する。定理1,2,3が等価であることの確認は各自に任せる。
8つの点$A_1,A_2,A_3,A_4,B_1,B_2,B_3,B_4$がある。
$i< j$とすると4点の組$\{A_i,B_i,A_j,B_j\}$を6通り考えることができる。
6組のうちの5組でそれぞれ4点が共円になっているとき、残り1組の4点も共円である。
すなわち、次の6通りのうち5通りで赤文字4点が共円ならば残り1通りの赤文字4点も共円である。
\begin{align} \mqty[\color{red}{A_1B_1}&\color{red}{A_2B_2}&\color{gray}{A_3B_3}&\color{gray}{A_4B_4}]\qquad\mqty[\color{red}{A_1B_1}&\color{gray}{A_2B_2}&\color{red}{A_3B_3}&\color{gray}{A_4B_4}]\qquad\mqty[\color{red}{A_1B_1}&\color{gray}{A_2B_2}&\color{gray}{A_3B_3}&\color{red}{A_4B_4}]\\\\\mqty[\color{gray}{A_1B_1}&\color{gray}{A_2B_2}&\color{red}{A_3B_3}&\color{red}{A_4B_4}]\qquad\mqty[\color{gray}{A_1B_1}&\color{red}{A_2B_2}&\color{gray}{A_3B_3}&\color{red}{A_4B_4}]\qquad\mqty[\color{gray}{A_1B_1}&\color{red}{A_2B_2}&\color{red}{A_3B_3}&\color{gray}{A_4B_4}] \end{align}
次のような交点をもつ4つの円$\psi_1,\psi_2,\omega_1,\omega_2$がある。
このとき、$A_{11},A_{11}',A_{22},A_{22}'$が共円ならば$A_{12},A_{12}',A_{21},A_{21}'$も共円である。
逆も成り立つ。
定理2
互いに交わる3つの円があり、円同士の交点を$B_1,B_1'$および$B_2,B_2'$および$B_3,B_3'$とする。
点$A$が与えられたとき、円$AB_1B_1'$, 円$AB_2B_2'$, 円$AB_3B_3'$は1つの円束に属する。
(すなわち、円$AB_1B_1'$, 円$AB_2B_2'$, 円$AB_3B_3'$は$A$のほかにもう1つ共通の点$C$を通る。)
定理3
定理3の証明概略を載せる。
点$A$が無限遠点であるとき、根心の存在定理となる。
点$A$が無限遠点でないとき、$A$を中心として反転してから根心の存在定理を使う。
ミケルの六円定理を3つの表現で記載する。定理4,5,6が等価であることの確認は各自に任せる。
8つの点$A_1,A_2,A_3,A_4,B_1,B_2,B_3,B_4$がある。
$i,j,k,l$はすべて異なり$i< j,\,k< l$とすると4点の組$\{A_i,A_j,B_k,B_l\}$を6通り考えることができる。
6組のうちの5組でそれぞれ4点が共円になっているとき、残り1組の4点も共円である。
すなわち、次の6通りのうち5通りで赤文字4点が共円ならば残り1通りの赤文字4点も共円である。
\begin{align} \mqty[\color{red}{A_1}&\color{red}{A_2}&\color{gray}{A_3}&\color{gray}{A_4}\\\color{gray}{B_1}&\color{gray}{B_2}&\color{red}{B_3}&\color{red}{B_4}]\qquad\mqty[\color{red}{A_1}&\color{gray}{A_2}&\color{red}{A_3}&\color{gray}{A_4}\\\color{gray}{B_1}&\color{red}{B_2}&\color{gray}{B_3}&\color{red}{B_4}]\qquad\mqty[\color{red}{A_1}&\color{gray}{A_2}&\color{gray}{A_3}&\color{red}{A_4}\\\color{gray}{B_1}&\color{red}{B_2}&\color{red}{B_3}&\color{gray}{B_4}]\\\\\mqty[\color{gray}{A_1}&\color{gray}{A_2}&\color{red}{A_3}&\color{red}{A_4}\\\color{red}{B_1}&\color{red}{B_2}&\color{gray}{B_3}&\color{gray}{B_4}]\qquad\mqty[\color{gray}{A_1}&\color{red}{A_2}&\color{gray}{A_3}&\color{red}{A_4}\\\color{red}{B_1}&\color{gray}{B_2}&\color{red}{B_3}&\color{gray}{B_4}]\qquad\mqty[\color{gray}{A_1}&\color{red}{A_2}&\color{red}{A_3}&\color{gray}{A_4}\\\color{red}{B_1}&\color{gray}{B_2}&\color{gray}{B_3}&\color{red}{B_4}] \end{align}
$(i,j;k,l)=(1,2;3,4),(1,3;2,4),(1,4;2,3),(2,3;1,4),(2,4;1,3)$で共円が成り立っているとする。
\begin{align}
&\measuredangle A_3B_1A_4 \\
=&\measuredangle A_3B_1A_2+\measuredangle A_2B_1A_4 \\
=&\measuredangle A_3B_4A_2+\measuredangle A_2B_3A_4 \\
=&(\measuredangle A_3B_4A_1+\measuredangle A_1B_4A_2)+(\measuredangle A_2B_3A_1+\measuredangle A_1B_3A_4) \\
=&\measuredangle A_3B_4A_1+(\measuredangle A_1B_4A_2+\measuredangle A_2B_3A_1)+\measuredangle A_1B_3A_4 \\
=&\measuredangle A_3B_2A_1+0+\measuredangle A_1B_2A_4 \\
=&\measuredangle A_3B_2A_4
\end{align}
より、4点$A_3,A_4,B_1,B_2$は共円である。
他の場合も同様に示せる。
この証明を見てみると、与えられた5組の4点共円をもとにして円周角の定理を5回使っていることがわかると思う。
この記事では、定理4の共円の条件が成立していることを$\mqty[A_1&A_2&A_3&A_4\\B_1&B_2&B_3&B_4]_\mathrm{Miquel}$と書くことにする。
縦が重複しないように上段から2個・下段から2個選んだ4点の組み合わせ6組のうちの5組において4点共円が成立していたら残り1組の4点も共円であることを意味している。
次のような交点をもつ4つの円$\psi_1,\psi_2,\omega_1,\omega_2$がある。
これらの2点ペア4組からそれぞれ1点を選んだ4点が共円ならば、選ばなかった残りの4点も共円である。
(例:$A_{11},A_{12},A_{21},A_{22}$が共円$\Leftrightarrow$$A_{11}',A_{12}',A_{21}',A_{22}'$が共円)
定理5
定理5で$A_{11},A_{12},A_{21},A_{22}$が共円の場合は$\mqty[A_{11}&A_{21}'&A_{12}'&A_{22}\\A_{22}'&A_{12}&A_{21}&A_{11}']_\mathrm{Miquel}$となる。
点$A$を通る3つの円があり、これらの円同士の交点のうち$A$でないものを$B_1,B_2,B_3$とする。
点$C_1$が円$AB_2B_3$上にあり,点$C_2$が円$AB_3B_1$上にあり,点$C_3$が円$AB_1B_2$上にあるとき、3円$B_1C_2C_3,\,B_2C_3C_1,\,B_3C_1C_2$は1点$D$を通る。
定理6
定理6の場合は$\mqty[A&C_1&C_2&C_3\\D&B_1&B_2&B_3]_\mathrm{Miquel}$となる。
定理6の証明概略を載せる。
点$A$が無限遠点であるとき、ミケルの定理(ミケルの三角形定理)となる。
点$A$が無限遠点でないとき、$A$を中心として反転してからミケルの定理を使う。
8つの点$A_1,A_2,A_3,A_4,B_1,B_2,B_3,B_4$がある。
$i,j,k,l$はすべて異なり$i< j,\,k< l$とすると4点の組$\{A_i,A_j,B_k,B_l\}$を6通り考えることができる。
6組のうちの5組でそれぞれ4点が共円になっているとき、残り1組の4点も共円である。
定理4は異なる8点を考えているが、$A_i$と$B_j$が近づいた極限を考えることで2点が一致する場合の定理が得られる。
次の定理は定理4における$A_4$と$B_3$が近づいた極限とみなせる。
7つの点$A_1,A_2,A_3,B_1,B_2,B_4,T$がある。
次の5つの条件のうち4つを満たしていれば残りの1つも成り立つ。
この記事では、定理7の5つの条件が成立していることを$\mqty[A_1&A_2&A_3&T\\B_1&B_2&T&B_4]_\mathrm{Miquel}$と書く。
次の定理は定理4における$A_4$と$B_3$が近づき$A_2$と$B_1$が近づいた極限とみなせる。
6つの点$A_1,A_3,B_2,B_4,S,T$がある。
次の4つの条件のうち3つを満たしていれば残りの1つも成り立つ。
この記事では、定理8の4つの条件が成立していることを$\mqty[A_1&S&A_3&T\\S&B_2&T&B_4]_\mathrm{Miquel}$と書く。
クリフォードの定理は無限に続く定理である。
通常のクリフォードの定理の前に、$n=4$の場合について違う表現で書いておく。
ここではクリフォードの定理の初段である$n=4$の場合を定理6を踏まえた書き方で書く。
点$A$を通る3つの円があり、これらの円同士の交点のうち$A$でないものを$B_1,B_2,B_3$とする。
点$C_1$が円$AB_2B_3$上にあり,点$C_2$が円$AB_3B_1$上にあり,点$C_3$が円$AB_1B_2$上にあるとき、3円$B_1C_2C_3,\,B_2C_3C_1,\,B_3C_1C_2$は1点$D$を通る。
定理6において$A,C_1,C_2,C_3$が共円ならば円$B_1B_2B_3$は点$D$を通る。
点$A$が無限遠点である場合、ミケルの四辺形定理となる。
$A,C_1,C_2,C_3$が共円なので$\mqty[A&C_1&B_2&B_3\\D&B_1&C_2&C_3]_\mathrm{Miquel}$が成り立って$B_1,B_2,B_3,D$の共円がいえる。
点$A$を通る$m$個の円がある。
次のようにすると、$m$が奇数のとき円が1つ定まり、$m$が偶数のとき点が1つ定まる。
$m=0,1,2,3$の場合は明らかなので、$m\ge 4$の場合をクリフォードの定理という。
注意:「クリフォード点」や「クリフォード円」は私が勝手にそう呼んでいるだけで、そういう用語があるわけではありません。
証明略 (私がまだわかっていません。)
ミケルの五点円定理(五角形定理,五芒星定理)は直線と円の定理だが、ここではすべて円として記述する。
添え字は5を法とする剰余で同一視する(例:$B_1$と$B_6$は同じ点)。
$i=1,2,3,4,5$とする。
点$A$を通る5つの円$\omega_1,\omega_2,\omega_3,\omega_4,\omega_5$があり、$\omega_{i+2}$と$\omega_{i-2}$が再び交わる点を$B_{i}$とし、$\omega_{i+1}$と$\omega_{i-1}$が再び交わる点を$C_{i}$とする。円$B_{i}B_{i+1}C_{i-2}$と円$B_{i}B_{i-1}C_{i+2}$が再び交わる点を$D_{i}$とする。
このとき、5点$D_1,D_2,D_3,D_4,D_5$は共円である。
点$A$が無限遠点である場合が通常のミケルの五点円定理である。
$i$を使って円と直線の接続関係を表にすると次のようになる。
| $A$ | $B_{i-2}$ | $B_{i-1}$ | $B_{i}$ | $B_{i+1}$ | $B_{i+2}$ | $C_{i-2}$ | $C_{i-1}$ | $C_{i}$ | $C_{i+1}$ | $C_{i+2}$ | $D_{i-2}$ | $D_{i-1}$ | $D_{i}$ | $D_{i+1}$ | $D_{i+2}$ | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $\omega_{i-2}$ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| $\omega_{i-1}$ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| $\omega_{i}$ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| $\omega_{i+1}$ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| $\omega_{i+2}$ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
| - | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
$\mqty[A&B_{i}&B_{i+1}&C_{i-1}\\D_{i+1}&B_{i+2}&C_{i+1}&C_{i-2}]_\mathrm{Miquel}$より$B_{i},C_{i+1},C_{i-1},D_{i+1}$は共円であり、
$\mqty[A&B_{i}&B_{i-1}&C_{i+1}\\D_{i-1}&B_{i-2}&C_{i-1}&C_{i+2}]_\mathrm{Miquel}$より$B_{i},C_{i+1},C_{i-1},D_{i-1}$は共円であるので、
5点$B_{i},C_{i+1},C_{i-1},D_{i+1},D_{i-1}$は共円となる。
よって、$\mqty[B_{i+2}&C_{i+1}&D_{i+1}&D_{i-2}\\D_{i-1}&D_{i+2}&B_{i-2}&C_{i-1}]_\mathrm{Miquel}$より$D_{i+1},D_{i+2},D_{i-2},D_{i-1}$は共円である。
$i$に複数の値を代入すれば5点$D_1,D_2,D_3,D_4,D_5$が共円であることがわかる。
参考:証明に出てきた5つの円(5点$B_{i},C_{i+1},C_{i-1},D_{i+1},D_{i-1}$を通る円($i=1,2,3,4,5$))をこの定理の構図に付け加えると、$n=5$のクリフォードの定理の構図になる。
この後に載せる高田の定理の証明で使用する補題を先に示しておく。
添え字は5を法とする剰余で同一視する(例:$B_1$と$B_6$は同じ点)。
$i=1,2,3,4,5$とする。
点$A$を通る5つの円$\omega_1,\omega_2,\omega_3,\omega_4,\omega_5$があり、$\omega_{i+2}$と$\omega_{i-2}$が再び交わる点を$B_{i}$とし、$\omega_{i+1}$と$\omega_{i-1}$が再び交わる点を$C_{i}$とする。
円$B_{i}B_{i+2}C_{i+1}$と円$B_{i}B_{i-2}C_{i-1}$が再び交わる点を$E_{i}$とする。
円$\omega_{i-1}$と円$B_{i}B_{i+1}E_{i-2}$の交点のうち$B_{i+1}$でない方を$F^+_{i}$とし、円$\omega_{i+1}$と円$B_{i}B_{i-1}E_{i+2}$の交点のうち$B_{i-1}$でない方を$F^-_{i}$とする。
円$B_{i}B_{i+1}E_{i-2}$と円$B_{i}B_{i-1}E_{i+2}$が再び交わる点を$G_{i}$とする。
このとき、次の[i],[ii],[iii]が成り立つ。
[i]
\begin{align}
&\measuredangle F^+_{i}B_{i}F^-_{i}\\
=&\measuredangle B_{i}F^+_{i}B_{i+1}+\measuredangle F^+_{i}B_{i+1}C_{i}+\measuredangle B_{i+1}C_{i}B_{i-1}+\measuredangle C_{i}B_{i-1}F^-_{i}+\measuredangle B_{i-1}F^-_{i}B_{i}\\
=&\measuredangle B_{i}E_{i-2}B_{i+1}+\measuredangle F^+_{i}AC_{i}+\measuredangle B_{i+1}C_{i}B_{i-1}+\measuredangle C_{i}AF^-_{i}+\measuredangle B_{i-1}E_{i+2}B_{i}\\
=&(\measuredangle F^+_{i}AC_{i}+\measuredangle C_{i}AF^-_{i})+\measuredangle B_{i}E_{i-2}B_{i+1}+\measuredangle B_{i+1}C_{i}B_{i-1}+\measuredangle B_{i-1}E_{i+2}B_{i}\\
=&\measuredangle F^+_{i}AF^-_{i}+(\measuredangle B_{i}E_{i-2}B_{i-2}+\measuredangle B_{i-2}E_{i-2}B_{i+1})+\measuredangle B_{i+1}C_{i}B_{i-1}+(\measuredangle B_{i-1}E_{i+2}B_{i+2}+\measuredangle B_{i+2}E_{i+2}B_{i})\\
=&\measuredangle F^+_{i}AF^-_{i}+\measuredangle B_{i}C_{i-1}B_{i-2}+\measuredangle B_{i-2}C_{i+2}B_{i+1}+\measuredangle B_{i+1}C_{i}B_{i-1}+\measuredangle B_{i-1}C_{i-2}B_{i+2}+\measuredangle B_{i+2}C_{i+1}B_{i}\\
=&\measuredangle F^+_{i}AF^-_{i}+(\measuredangle B_{i}C_{i-1}A+\measuredangle AC_{i-1}B_{i-2})+(\measuredangle B_{i-2}C_{i+2}A+\measuredangle AC_{i+2}B_{i+1})\\
&\ +(\measuredangle B_{i+1}C_{i}A+\measuredangle AC_{i}B_{i-1})+(\measuredangle B_{i-1}C_{i-2}A+\measuredangle AC_{i-2}B_{i+2})+(\measuredangle B_{i+2}C_{i+1}A+\measuredangle AC_{i+1}B_{i})\\
=&\measuredangle F^+_{i}AF^-_{i}+\measuredangle B_{i}B_{i+1}A+\measuredangle AB_{i+2}B_{i-2}+\measuredangle B_{i-2}B_{i-1}A+\measuredangle AB_{i}B_{i+1}\\
&\ +\measuredangle B_{i+1}B_{i+2}A+\measuredangle AB_{i-2}B_{i-1}+\measuredangle B_{i-1}B_{i}A+\measuredangle AB_{i+1}B_{i+2}+\measuredangle B_{i+2}B_{i-2}A+\measuredangle AB_{i-1}B_{i}\\
=&\measuredangle F^+_{i}AF^-_{i}+(\measuredangle B_{i}B_{i+1}A+\measuredangle AB_{i}B_{i+1})+(\measuredangle B_{i+1}B_{i+2}A+\measuredangle AB_{i+1}B_{i+2})\\
&\ +(\measuredangle B_{i+2}B_{i-2}A+\measuredangle AB_{i+2}B_{i-2})+(\measuredangle B_{i-2}B_{i-1}A+\measuredangle AB_{i-2}B_{i-1})+(\measuredangle B_{i-1}B_{i}A+\measuredangle AB_{i-1}B_{i})\\
=&\measuredangle F^+_{i}AF^-_{i}+\measuredangle B_{i}AB_{i+1}+\measuredangle B_{i+1}AB_{i+2}+\measuredangle B_{i+2}AB_{i-2}+\measuredangle B_{i-2}AB_{i-1}+\measuredangle B_{i-1}AB_{i}\\
=&\measuredangle F^+_{i}AF^-_{i}+0\\
=&\measuredangle F^+_{i}AF^-_{i}
\end{align}
より、4点$A,B_{i},F^+_{i},F^-_{i}$は共円である。
[ii]
[i]より4点$A,B_{i},F^+_{i},F^-_{i}$は共円であるので
$\mqty[A&B_{i}&B_{i+1}&B_{i-1}\\G_{i}&C_{i}&F^-_{i}&F^+_{i}]_\mathrm{Miquel}$より$B_{i+1},B_{i-1},C_{i},G_{i}$は共円である。
[iii]
$\mqty[A&B_{i}&B_{i-2}&F^+_{i}\\E_{i-2}&B_{i+2}&B_{i+1}&C_{i-1}]_\mathrm{Miquel}$より$B_{i+2},B_{i-2},E_{i-2},F^+_{i}$は共円であり、
$\mqty[A&B_{i}&B_{i+2}&F^-_{i}\\E_{i+2}&B_{i-2}&B_{i-1}&C_{i+1}]_\mathrm{Miquel}$より$B_{i+2},B_{i-2},E_{i+2},F^-_{i}$は共円である。
また、[i]より4点$A,B_{i},F^+_{i},F^-_{i}$は共円であるので$\mqty[A&B_{i+2}&B_{i-1}&F^-_{i}\\E_{i+2}&B_{i}&F^+_{i}&C_{i-2}]_\mathrm{Miquel}$より$B_{i+2},E_{i+2},F^+_{i},F^-_{i}$は共円である。
以上から、6点$B_{i+2},B_{i-2},E_{i+2},E_{i-2},F^+_{i},F^-_{i}$は共円になることがわかる。
(証明はtakadaを参考にしました。)
[i]の証明の考察:
定理12の[i]は$i=1,2,3,4,5$の5つの主張をまとめて述べているが、その中の1つに着目する。
4点$A,B_{i},F^+_{i},F^-_{i}$を決定するために必要な点と円は$A,$ $B_{i},B_{i+1},B_{i+2},B_{i-2},B_{i-1},$ $C_{i+1},C_{i+2},C_{i-2},C_{i-1},$ $E_{i+2},E_{i-2},$ $F^+_{i},F^-_{i}$の14点と$\omega_{i},\omega_{i+1},\omega_{i+2},\omega_{i-2},\omega_{i-1},$ $B_{i}B_{i+2}C_{i+1},B_{i}B_{i-2}C_{i-1},B_{i+1}B_{i-2}C_{i+2},B_{i-1}B_{i+2}C_{i-2},$ $B_{i}B_{i+1}E_{i-2},B_{i}B_{i-1}E_{i+2}$の11円である。証明では補助点として$\omega_{i+1}$と$\omega_{i-1}$の交点である$C_{i}$を使っている。必要14点+補助1点が各円の上に何個乗っているか見てみると、$\omega_{i+1},\omega_{i-1}$は6点共円・$\omega_{i},\omega_{i+2},\omega_{i-2}$は5点共円・$B_{i}B_{i+2}C_{i+1},B_{i}B_{i-2}C_{i-1},B_{i+1}B_{i-2}C_{i+2},B_{i-1}B_{i+2}C_{i-2},B_{i}B_{i+1}E_{i-2},B_{i}B_{i-1}E_{i+2}$は4点共円になっている。
[i]の証明では円周角の定理を18回使っているのだが、これは6点共円2つで各3回・5点共円3つで各2回・4点共円6つで各1回、これらを合わせて計18回となっている。
高田の定理は円と直線の定理だが、ここではすべて円として記述する。
添え字は5を法とする剰余で同一視する(例:$B_1$と$B_6$は同じ点)。
$i=1,2,3,4,5$とする。
点$A$を通らない円$\omega$上に点$B_1,B_2,B_3,B_4,B_5$があり、円$AB_{i+1}B_{i+2}$と円$AB_{i-1}B_{i-2}$が再び交わる点を$C_{i}$とする。円$B_{i}B_{i+2}C_{i+1}$と円$B_{i}B_{i-2}C_{i-1}$が再び交わる点を$E_{i}$とする。
このとき、5点$E_1,E_2,E_3,E_4,E_5$は共円である。
点$A$が無限遠点である場合が通常の高田の定理である。
点$A$と円$AB_{i+2}B_{i-2}\,(i=1,2,3,4,5)$に対して定理12を適用する。定理13の点$A$と円$AB_{i+2}B_{i-2}$を定理12の点$A$と円$\omega_{i}$に当てはめると、定理13の$B_{i},C_{i},E_{i}$は定理12の$B_{i},C_{i},E_{i}$と対応するので、定理12より$B_{i+2},B_{i-2},E_{i+2},E_{i-2}$の共円が言える。$i$に$i-1,i+1$を代入することで、$B_{i+1},B_{i+2},E_{i+1},E_{i+2}$の共円および$B_{i-1},B_{i-2},E_{i-1},E_{i-2}$の共円もいえる。
また、定義より$E_{i+1},E_{i-1}$は円$B_{i+1}B_{i-1}C_{i}$上の点である。
よって$B_{i+1},B_{i+2},B_{i-2},B_{i-1}$が共円ならば$\mqty[B_{i+1}&E_{i-1}&B_{i-2}&E_{i+2}\\E_{i-2}&B_{i+2}&E_{i+1}&B_{i-1}]_\mathrm{Miquel}$より$E_{i+1},E_{i+2},E_{i-2},E_{i-1}$は共円になる。
$i$に複数の値を代入すれば5点$E_1,E_2,E_3,E_4,E_5$が共円であることがわかる。
冒頭にも書いたが、メビウス平面では直線は円と同じように扱うことができる。
円に加えて直線が関係する定理は一見すると別の定理のように見えても、メビウス平面で考えると実は同じもので統一的に理解できる場合があることがわかったと思う。
この記事を書いてみて、ミケルの六円定理がいろいろと使えて便利だった。
定理6のように1点を通る3円を起点にして探すと、ミケルの六円定理の構図を見つけやすい。
そして定理4のように8点を$2\times4$の形に書いてみると確認がしやすいと思う。
いったんその構図を見つけてしまえば、関連する点と円が8点6円に限定されるので、角度追跡など別の手で示すこともやりやすくなる。
ミケルの六円定理の表現その1(定理4)と表現その3(定理6)だけでも頭の片隅に置いておいてもらえればうれしい。
今回の記事では円が接するものをほとんど載せていないので、また勉強してわかったことが増えたら次の記事を書いてみたいと思う。