線型代数の復習で気づいたこと守備録です。
齋藤線型の命題[3.10]は一次方程式系の理論を用いずに線型空間の次元の一意性を示す重要な命題ですが、証明がやや言葉足らずでなにをやっているのかわからなくなったことがあるので、自分なりに加筆します。
齋藤線型の命題[3.10]
定義だけおさらいしておきます。
を満たすとき,
それでは本題に移ります。
このとき,定理の主張の対偶
「
を示せばよい.
とくに,
まず
もし
一方,
帰納法の仮定によって,
このとき,
実際,
したがって,
一方,
これらの線型独立性に反する.したがって
以上によって,
結構くどく書きました。帰納法を用いた証明では何が仮定されているのか途中でわかりづらくなりがちです。
今回の命題から、(有限次元)線形空間の次元の一意性が直ちに言えます。
読んでくれてありがとう。
今回はこのへんで。