ここでは科学大数学系の修士課程の院試の2024午後04の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
2024午後04
次元球面上の点を考える。ここでの部分集合
とおき、の位相から定まる部分位相をいれる。
- 及びの整係数ホモロジー群を求めなさい。
- 及びの次ホモロジー群はでないことを示しなさい。
- からへの同相によるの像はかに限られることを示しなさい。
- の部分集合をとり、とおき、とおく。このときに少し厚みを持たせた図形とは内部がの被覆になっているからMayer-Vietoris完全列
が得られる。以上から
である。次に及びは可縮であるからMayer-Vietoris完全列
が得られる。以上から
である。 - より一般に任意のについてであることを示す。まずの場合を考える。このときの近傍でと同相になるようなものをとる。このときMayer-Vietoris完全列
が得られる。ここからが従う。次にの場合を考える。このときの近傍でとホモトピー同値になり、が二つの単位円の和集合とホモトピー同値であるようなものをとる。この整係数ホモロジー群はを満たすから、前半の議論と同様にMayer-Vietoris完全列
が得られる。ここからが従う。 - 同相が存在するときでなければならない。よってとの可縮性及び(2)よりとしてあり得るのはのみである。