少し前に, 力学系のゼミで例として連分数を扱いました. 準備のために細かい証明をしたにも関わらず, 発表の時にはあまり本質的でないと思い, 細かい部分は飛ばす判断をしました.
準備したのに結局使わないのは悲しいので, Mathlog に落としておこうと思います.
殴り書きしたため, 最悪に読みづらいです. すみません.
次のような分数表示を有限連分数という.
ただし
また, 無限列
実は全ての実数に対して連分数による表示が一意に存在します. この記事ではこの証明と構成を目標にします.
連分数を扱うにあたって, 非常に親和性の高い写像を紹介します.
写像
で定める. (ガウス変換)
ただし,
さて, この定義を少し変形すると, 次のようになります.
(ただし,
すると, 途中で
多少省略して書く.
である. したがって
これはつまり, 次を意味します.
また, この表示は一意です. この証明は, 次の無限連分数の時の証明と多分同じなので省きます.
雰囲気的に, 無理数は無限連分数で一意に表せそうですね. 実際にそうなります.
つまり, 無限連分数は常に値を持ち, 無理数の無限連分数表示が一意に存在する.
証明は本質的ではないです. 本質的で意味ありげな証明方法をご存じの方は是非ご紹介をお願いします. 以下枠線内は定理3の証明です.
自然数の無限列
とすると,
任意の
まず,
となるように定める.
ここで, 例えば
であるが,
は
となるので,
である. したがって,
であるが, この集合は距離が0より大きい2点を含まないため, この2点の距離は0であり, つまり
異なる無限連分数が異なる値を持つことを示せばよい. まず,
ここで, 2つの異なる無限連分数
まず今回の結果は次のように言えます.
とします.
次を満たす全単射
任意の
せっかくなので, 少しだけ力学系的な意味に触れます.
さて, シフト作用素というものは, 挙動が完全にわかっているものと考えてもよいでしょう. 力学系において共役というのは, 実質的に同じ写像という意味です. つまり, この一見謎な写像