Legendre多項式は区間における直交性
を満たす. これを区間にして考えると, として, 直交性
を得る. また, とすると, 直交性は
となる. これらは前の記事(
Legendre多項式の変数付きの拡張について
)で導入した-Legendre多項式を用いることによって, と同時に一般化することができる. この類似を考えていきたい. まず, 区間における積分が
によって定義される. として, 重み関数で直交する多項式, つまり,
を満たす多項式として-(little)Jacobi多項式が
によって定義でき, は具体的に
で与えられる. これを元に, -Legendre多項式の類似として, -Legendre多項式を, と定義することができる. その直交性は,
となる.
Bailey対
に関するBailey対とは, 関係式
を満たす数列の組のことをいう. 以下略して-Bailey対ということにする. が-Bailey対であることは,
が成り立つことと同値であることが知られている. 先ほど導入した-Legendre多項式は
と書くことができるので,
とすると, は-Bailey対である. Bailey対に関しては, 以下の定理が知られている.
Baileyの補題
が-Bailey対のとき,
とすると, は-Bailey対である.
これを用いると, 一つのBailey対から新たなBailey対を得ることができ, からさらにを得ることができる. これを繰り返して得られるBailey対の無限系列をBailey鎖という. これを先ほどの,
に適用すると以下を得る.
の多項式に対する線形作用素を
とすると,
が成り立つ.
逆にこれを直接に示すことによって, Baileyの補題の証明を与えることもできる. Bailey対の一般化として, WP-Bailey対というものも知られており, それを直交多項式を用いて解釈できるかどうかについても考えてみたいと思う.