こんにちは,nmoonです.今回は以下の問題について考えていきたいと思います!
$a$を$2$より大きい実数とする.以下の漸化式を解け.
$$a_{n+1} = a_{n}^2 - 2 , a_{0} = a$$
この漸化式の有名な解法は,任意の非負整数$n$において,$a_{n}\geq2$が示されるので,$a_{n}=b_{n}+\displaystyle\frac{1}{b_{n}} , b_{n} > 1$とすると,$b_{n+1} = b_{n}^2$から解く,というものです.
しかし,皆さんはこれを最初に見てこう思ったでしょう.
いや,無理じゃない?
あまりにも突飛なので,どうやったらこの解法に辿り着けるか考えていきたいと思います.
$$e^{ix} = \cos{x} + i\sin{x}$$
証明は省きます.
よって,
$$\begin{cases}
e^x = \cos{(-ix)} + i\sin{(-ix)}\\
e^{-x} = \cos{(ix)} + i\sin{(ix)}
\end{cases}
$$
より
$$\cos{(ix)} = \displaystyle\frac{e^x + e^{-x}}{2}$$
となります.
では,本題である漸化式を解いていきます.
条件式より,
$$\displaystyle\frac{a_{n+1}}{2} = 2\biggl(\displaystyle\frac{a_{n}}{2}\biggr)^2 - 1$$
より,$2\cos{c_{n}} = a_{n}, c_{n+1} = 2c_{n}$を満たす数列$\lbrace c_{n}\rbrace$を取ることができる.そして,このとき$c_{n} = 2^nc_{0}$となる.
また,$\cos{c_{0}} = \displaystyle\frac{a}{2}$ より,下準備の結果を利用すると,
$$c_{0} = i\log{(a+\sqrt{a^2 - 1})}$$
とすると,条件を満たすことがわかる.以上から,
$$a_{n} = 2\cos{(2^nc_{0})} = (a+\sqrt{a^2-1})^{2^n} + (a-\sqrt{a^2-1})^{2^n}$$
自分の中でもやっとしていたものが解決していい気分です.
大学数学は俄かなので,どこかで議論の怪しいところがあれば教えて下さい.
最後まで読んでくださり,ありがとうございます.