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素イデアルによる局所化の交わり

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$$\newcommand{aaa}[0]{\mathfrak{a}} \newcommand{oo}[0]{\mathcal{o}} \newcommand{pe}[0]{\mathfrak{p}} \newcommand{Spec}[0]{\mathop{\mathrm{Spec}}\nolimits} $$

$\oo$を整域とすると, ($\oo$の分数体の中で)
$$ \bigcap_{\pe\in\Spec\oo}\oo_\pe=\oo $$
が成り立つ. ここで, $\oo_\pe$$\oo$$\pe$による局所化である.

$a/b\in\bigcap_\pe\oo_\pe$ $(a, b\in\oo, b\neq 0)$とし, $\oo$のイデアル
$$ \aaa=\{x\in\oo\mid xa\in b\oo\} $$
を考える. $\pe\in\Spec\oo$を任意にとる(実際には極大イデアルだけを考えれば十分). このとき, $a/b\in\bigcap_\pe\oo_\pe\subseteq\oo_\pe$だから, $a/b=c/s$ $(c\in\oo, s\in\oo\setminus\pe)$と表せる. すると, $sa=bc\in b\oo$より$s\in\aaa\setminus\pe$となるので, $\aaa\not\subseteq\pe$が従う. 以上より, $\aaa$を含む$\oo$の極大イデアルが存在しないので, $\aaa=\oo$となる. すると, $1\in\oo$より$a\in b\oo$, したがって$a/b\in\oo$となる.

例えば,
$$ \bigcap_{\text{$p$:prime}}\mathbb{Z}_{(p)}=\mathbb{Z} $$
が成り立つ(零イデアルを無視しているが, 本質的に影響はない). この場合の等号は簡単にわかる. 実際, 左辺の元の分母は, どんな素数でも割れないので, $1$でなければならない.

投稿日:20231021

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