また模範解答があっさり風味だったので、自分なりに解答案を作り直してみました。エレガントな模範解答を読んで意味不明だった方には、もしかしたら参考になるかもしれません。
B 6.1.6 $X$ と $Y$ を位相空間とし、$f: X \to Y$ を連続写像とする。$f^*: C(Y) \to C(X)$ を $f$ によるひきもどしが定める連続関数全体の空間の写像とする。
1.$\overline{f(X)} = Y$ ならば $f^*$ は単射であることを示せ。$Y$ が正規ならば逆もなりたつことを示せ。
2.$f^*$ は全射とする。$X$ が正規ならば $f$ はうめこみであることを示せ。$Y$ が距離空間ならば $f(X)$ は $Y$ の閉集合であることを示せ。
3.$f$ が同相写像ならば $f^*$ は可逆であることを示せ。$X$ が正規で $Y$ が距離空間ならば逆もなりたつことを示せ。
4.$X$ を問題 6.1.5 のとおりとし、$Y = [0, 1]$ を $\mathbb{R}$ の部分空間、$f: X \to Y$ を恒等写像とする。$f^*$ は可逆写像であることを示せ。
問4のために、B6.1.5からも一部引用する。
B 6.1.5 $U = (0, 1] \subset X = [0, 1]$ の部分集合 $A$ を、$A = \left\{ \frac{1}{n} \;\middle|\; n \in \mathbb{N}, n \neq 0 \right\}$ で定める。$U$ と $T = X - A$ を $\mathbb{R}$ の部分位相空間と考える。 包含写像 $U \to X,\ T \to X$ による像位相により、$X$ を位相空間と考える。
2. $X$ の位相は、$\mathbb{R}$ の部分空間としての位相より真に細かいことを示せ。
1.
$f^*$ の単射性を示す
$g, h \in C(Y)$ として $f^*(g) = f^*(h)$ すなわち $g \circ f = h \circ f$ ならば $g = h$ を示す
$g, h$ の $f(X)$ への制限を考えると
$g|_{f(X)} \circ f = h|_{f(X)} \circ f$
だが $f: X \to f(X)$ は全射なので
$ g|_{f(X)} = h|_{f(X)}$
ここで $\mathbb{R}$ のハウスドルフ性より $\overline{f(X)}$ の稠密な部分集合 $f(X)$ 上で$g, h$が一致すれば $\overline{f(X)}$ 上でも一致する
ゆえに $g = h$ であり、$f^*$ は単射
$Y$ を正規として逆を示す
$Y \neq \overline{f(X)}$ ならば $g \circ f = h \circ f$ だが $g \neq h$ となる $g, h \in C(Y)$ の存在を示せばよい
$Y \neq \overline{f(X)}$ より $\exists y_0 \in Y \setminus \overline{f(X)}$
$\overline{f(X)}, \{y_0\}$ は $Y$ の閉集合だからウリゾーンの補題を用いて
$\exists g \in C(Y), \ \overline{f(X)} \subset g^{-1}(0)$ かつ $\{y_0\} \subset g^{-1}(1)$
また、$h$ を零写像とすると
$1 = g(y_0) \neq h(y_0) = 0$ より $g \neq h$ だが
$f(X) \subset \overline{f(X)}$ 上で $g$ はつねに $0$ だから $g \circ f = h \circ f$
したがって、示された $\square$
2.
$X$ が正規ならば $f$ はうめこみであることを示す
$x, y \in X, \ x \neq y$ とする
$X$ は正規なので $\{x\}, \{y\}$ は $X$ の閉集合である
ウリゾーンの補題より $\exists g \in C(X), \ g(x)=0, g(y)=1$
$f^*$ は全射だから $\exists h \in C(Y), \ g = h \circ f$
ここで、もし $f(x) = f(y)$ とすれば
$0 = g(x) = h(f(x)) = h(f(y)) = g(y) = 1$
となり矛盾
よって $x \neq y$ ならば $f(x) \neq f(y)$ であり $f$ は単射
あとは $f$ が $X$ から部分空間 $f(X)$ への閉写像であることを示せばよい
$A$ を $X$ の閉集合とする
$A=X$ ならば $f(A)=f(X)$ は $f(X)$ の閉集合である
$A \neq X$ ならば $\forall x \in X \setminus A$ として、ウリゾーンの補題より
$\exists g_x \in C(X), \ A \subset g_x^{-1}(0)$ かつ $\{x\} \subset g_x^{-1}(1)$
$f^*$ は全射だから $\forall x \in X \setminus A$ に対し
$\exists h_x \in C(Y)$ $g_x = h_x \circ f$ を満たし、$h_x(f(x)) = 1$
ここで $f(x) \in f(X) \setminus f(A)$ に対して
$V_x = \{ y \in Y \mid h_x(y) > 1/2 \}$
とすると $h_x$ の連続性から $V_x$ は $Y$ の開集合で $f(x) \in V_x$ となり、
$y \in f(A)$ とすると $y = f(a), a \in A$ として
$h_x(y) = h_x(f(a)) = g_x(a) = 0 \ (A \subset g_x^{-1}(0))$
となるので $y \notin V_x$
よって $V_x \cap f(X) \subset f(X) \setminus f(A)$ に含まれる$f(x)$の開近傍 $V_x \cap f(X)$ なるものがとれるから
$f(X) \setminus f(A)$ は $f(X)$ の開集合であり、 $f(A)$ は $f(X)$ の閉集合となる
以上より、$f$ はうめこみである
$Y$ が距離空間ならば $f(X)$ は $Y$ の閉集合であることを示す。背理法を用いる
$\exists b \in \overline{f(X)} \setminus f(X)$ とする
$Y$ の距離 $d$ について $\forall x \in X, \ d(b, f(x)) > 0$ なので
$g: X \to \mathbb{R}$ $x \mapsto \frac{1}{d(b, f(x))}$
が定まり、$g$ は連続である
したがって $f^*$ の全射性から $\exists h \in C(Y), \ g = h \circ f$ となり
$\frac{1}{d(b, f(x))} = h(f(x))$ より $d(b, f(x))h(f(x)) = 1$
ここで
$\phi: Y \to \mathbb{R}$ $y \mapsto d(b, y)h(y)$
を考えると、$d(b, \cdot), h$ は連続で
$\phi(f(x)) = d(b, f(x))h(f(x)) = 1 \ $ $(x \in X)$
$Y$ はハウスドルフなので $f(X)$ 上で一致する2つの連続関数は $\overline{f(X)}$ 上でも一致する
特に $b \in \overline{f(X)}$ について $0 = d(b, b) h(b) = 1$ となり矛盾
よって $\overline{f(X)} = f(X)$ となり、$f(X)$ は $Y$ の閉集合 $\square$
3.
$f$ が同相写像ならば $(f^{-1})^* : C(X) \to C(Y)$ が $f^*$ の逆写像を定める
逆に $f^*$ が可逆とする
問2の結果を用いると、$f^*$ の全射性から
$X$ が正規ならば $f$ はうめこみであり
$Y$ が距離空間ならば $f(X) = \overline{f(X)}$ である
距離空間は正規であることに注意して 問1の結果を用いると、
$f^*$ の単射性から $Y = \overline{f(X)}$
したがって $f$ は全射なうめこみであるから同相写像である $\square$
4.
$f^*$ の単射性は明らかなので、$f^*$ の全射性を示す
$k \in C(X)$ が $k \in C(Y)$ となることを示せばよい
像位相の定義より、$V \in \mathbb{R}$ を開集合とするとき $k^{-1}(V) \cap U, \ k^{-1}(V) \cap T$ が $\mathbb{R}$ の部分空間 としての開集合となるとき、$k^{-1}(V)$ が $Y$ の開集合であることを示せばよい
$x \in k^{-1}(V), \ x \neq 0$ のとき
$x \in k^{-1}(V) \cap U = O_x \cap U = O_x \cap [0, 1]$
ここで $O_x$ は $\mathbb{R}$ の開集合であり、$k^{-1}(V) \cap U$ は $U$ の開集合だからこのようにかける
よって $x$ の開近傍として $O_x \cap [0, 1]$ がとれる
したがって$0 \notin k^{-1}(V)$ なら、上記より $k^{-1}(V)$ は $Y$ の開集合である
$0 \in k^{-1}(V)$ のとき
$\exists r > 0, \ U_r(0) \cap [0, 1] \subset k^{-1}(V)$ を示す
$k(0) \in V$ は開集合だから、ある開集合 $W$ とある閉集合 $C$ が存在して
$k(0) \in W \subset C \subset V$
(※例えば、十分小さい $\epsilon > 0$ について、半径 $2\epsilon$ の開球が $V$ に含まれるので、$W, C$ をそれぞれ半径 $\epsilon$ の開球、閉球とすればよい)
$0 \in k^{-1}(W) \cap T$ が $T$ の開集合だから
$\exists r > 0, \ U_r(0) \cap T \subset k^{-1}(W) \cap T \subset k^{-1}(V) \cap [0, 1]$
$S = U_r(0) \cap T$ とすると $k(S) \subset W$
$y \in U_r(0) \setminus T = U_r(0) \cap A$ とすると、無理数の稠密性より$y$ の任意の開近傍は $S$ と交わるから $y \in \overline{S}$
また、$k$ の連続性より $k(\overline{S})\subset \overline{k(S)}$ すると
$k(y) \in k(\overline{S}) \subset \overline{k(S)} \subset \overline{W} \subset C \subset V$ より $y \in k^{-1}(V)$ $U_r(0) \cap [0, 1] = (U_r(0) \cap T \cap [0, 1]) \cup ((U_r(0) \setminus T) \cap [0, 1]) \subset k^{-1}(V)$ $\square$