この記事は 2026年3月10日10:00 ~ 2026年3月13日18:00 の期間にポロロッカ上で私が開催したコンテスト SPRC001 の問題文と解説をまとめたものです.
解説自体は元のコンテストページでも閲覧可能ですが,正解もしくはギブアップをしないと見ることができないので,これを書きました.ついでに多少の修正や解法の追加,よく使う手法や類題の記載もしました.
P問題を除いたすべての問題が,多項式の根の累乗和に関係した問題になっています.
ニュートンの恒等式の習得におすすめだよ
ここでは,多項式とは1変数多項式のことを指すものとします.
定理名は適当です.
($0$を根に持たない)多項式の根それぞれの逆数を根にもつ多項式は,元の多項式の係数を逆順に並べたものである.
$x$に関する${n}$次方程式
$${a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+…+a_2x^2+a_1x+a_0=0}$$
の${n}$個の複素数解の${k}$乗の和を${S_k}$とすると,
$${a_nS_{k+n}+a_{n-1}S_{k+n-1}+…+a_2S_{k+2}+a_1S_{k+1}+a_0S_k=0}$$
が成り立つ.ただし,${a_n,a_0≠0}$,${k}$は整数.
$x$に関する${n}$次方程式
$${a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+…+a_2x^2+a_1x+a_0=0}$$
の${n}$個の複素数解の${k}$乗の和を${S_k}$とすると,
$${a_nS_{k}+a_{n-1}S_{k-1}+…+a_{n-k+1}S_{1}+a_{n-k}k=0}$$
が成り立つ.ただし,$a_n≠0$,$1 \leq k \leq n-1$.
${n}$次方程式について,${S_k(1 \leq k \leq n-1)}$は,方程式の${n}$次〜${n−k}$次の係数までにしか依存しない.
すなわち,${n-k-1}$次〜${0}$次(定数項)の係数をどのように変えても,${S_k}$は変化しない.
$x=\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_n$を根にもつ$n$次多項式
$$f(x)=a(x-\alpha_1)(x-\alpha_2)...(x-\alpha_n)$$
について,
$$\frac{f'(x)}{f(x)}=\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{x-\alpha_k}$$
が成り立つ.
$n$次方程式$f(x)=0$の${n}$個の複素数解の${k}$乗の和を${S_k}$とすると,
$$\frac{xf'(x)}{f(x)}=\sum_{k=0}^{\infty}\frac{S_k}{x^k}$$
が成り立つ.
${x}$に関する${2025}$次方程式
$${2026x^{2025}-2025x^{2024}-2x+1=0}$$
の重複を含めた${2025}$個の複素数解を${α_1, α_2, ...,α_{2025}}$とします.以下の値を求めてください.
$$\sum_{k=1}^{2025}α_k$$
${x}$に関する${100}$次方程式
$${x^{100}+27x^{99}+9x^{98}+243=0}$$
の重複を含めた${100}$個の複素数解を${α_1, α_2, ...,α_{100}}$とします.以下の値を求めてください.
$$\sum_{k=1}^{100}α_k^2$$
$x$に関する$10$次方程式
$${x^{10}+2x^9+4x^2+3x-2026=0}$$
の重複を含めた$10$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{10}$とします.以下の値を求めてください.
$${\sum_{k=1}^{10}\frac{1}{\alpha_k}}$$
${x}$に関する${2026}$次方程式
$${x^{2026}+2025x-2024=0}$$
の重複を含めた${2026}$個の複素数解を${α_1,α_2,...,α_{2026}}$とします.以下の値を求めてください.
$${\sum_{k=1}^{2026}α_k^{2026}}$$
$x$に関する$7$次方程式
$${x^7+x^6+x^5+x^4+3x^3+3x^2+3x+3=0}$$
の重複を含めた$7$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_7$とします.
$${S_n=\sum_{k=1}^{7}\alpha_{k}^{n}}$$
とするとき,以下の値を求めてください.
$${\prod_{n=1}^{8}\frac{S_{n+4}+S_{n+5}+S_{n+6}+S_{n+7}}{S_n+S_{n+1}+S_{n+2}+S_{n+3}}}$$
ただし,${S_n+S_{n+1}+S_{n+2}+S_{n+3}}$が$n=1,2,...,8$の範囲で$0$にならないことが証明できます.
$x$に関する$4$次方程式
$${x^4+4x^3+6x^2+8x-2357=0}$$
の重複を含めた${4}$個の複素数解を${\alpha_1,\alpha_2,\alpha_3,\alpha_4}$とします.以下の値を求めてください.
$${\sum_{k=1}^{4} (\alpha_{k}+1)^4}$$
$x$に関する$2$次方程式
$${x^2+3x+9=0}$$
の$2$つの複素数解を$\alpha,\beta$とします.
$${S_n=\alpha^n+\beta^n}$$
とするとき,以下の値は整数になるので,その正の約数の個数を求めてください.
$${\prod_{n=1}^{243}S_n}$$
$x$に関する$100$次方程式
$$x^{100}+x^{98}+x^{96}+...+x^4+x^2+2026=0$$
の重複を含めた$100$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{100}$とします.
$$S_n=\sum_{k=1}^{100}\alpha_k^n$$
とするとき,以下の値を求めてください.
$$\sum_{n=1}^{100}{S_n}$$
$x$に関する$100$次方程式
$${x^{100}-20x^2+26x+2026=0}$$
の重複を含めた$100$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{100}$とします.以下の値を求めてください.
$${\sum_{k=1}^{100}\alpha_{k}^{98}}$$
$x$に関する$6$次方程式
$${x^6+3x^5+9x^4+27x^3+81x^2+243x+2026=0}$$
の重複を含めた$6$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_6$とします.以下の値を求めてください.
$${\sum_{k=1}^{6}\alpha_{k}^{14}}$$
$x$に関する$12$次方程式
$${x^{12}-12x^{11}+66x^{10}-220x^{9}+...+66x^2-12x+1\left(=\sum_{n=0}^{12}{}_{12}\mathrm{C}_n(-x)^n\right)=2}$$
の$12$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{12}$とします.以下の値を求めてください.
$${\sum_{k=1}^{12}\alpha_{k}^{15}}$$
いずれも$0$でない$4$個の複素数$x,y,z,w$が
$$x+y+z+w=30$$
$$x^2+y^2+z^2+w^2={30}^2-2$$
$$x^3+y^3+z^3+w^3=30^3$$
$$x^4+y^4+z^4+w^4=2026$$
を満たします.このとき,$xyzw$の値を求めてください.
$x$に関する$2025$次方程式
$${x^{2025}+x^{2024}+...+x+1=0}$$
の$2025$個の複素数解を${\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{2025}}$とします.
$${S_n=\sum_{k=1}^{2025}\alpha_k^n}$$
とするとき,以下の値を求めてください.
$${\sum_{n=0}^{20261231}S_n}$$
$x$に関する$2028$次方程式
$$x^{2028}-x^{2026}-3x^{1000}+3x^{998}-5x^2+5=0$$
の重複を含めた$2028$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{2028}$とします.以下の値を求めてください.
$$\sum_{k=1}^{2028}\alpha_k^{2026}$$
$x$に関する$243$次方程式
$${x^{243}+3x^{242}+5x^{241}+...+485x+487\left(=\sum_{m=0}^{243}(2m+1)x^{243-m}\right)=243}$$
の重複を含めた$243$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{243}$とします.以下の値を求めてください.
$$\sum_{k=1}^{243}\alpha_k^{243}$$
$x$に関する$n$次方程式$(n \ge 1)$
$${x^n+nx^{n-1}+n(n-1)x^{n-2}+...+n!\left(=\sum_{k=0}^{n}{}_n\mathrm{P}_{n-k} x^k\right)=0}$$
の重複を含めた$n$個の複素数解を$\alpha_{n,1},\alpha_{n,2},...,\alpha_{n,n}$とし,これらが$1$でないことが証明できるので,
$${g(m)=\prod_{n=1}^{m}\left(\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{\alpha_{n,k}-1}\right)}$$とします.以下の値を求めてください.
$$\frac{g(2025)g(2026)}{g(2025)+g(2026)}$$
以下の値を求めてください.
$$\lim_{m → \infty} |g(m)|$$
$1,2,...,102$の並び替え$\sigma=(\sigma(1),\sigma(2),...,\sigma(102))$について,多項式$F_{\sigma}$を
$${F_{\sigma}=x^{200}+x^{199}+\sum_{m=1}^{102}m\sigma(m)x^{m-1}}$$
で定めます.$x$に関する$200$次方程式
$$F_{\sigma}=0$$
の重複を含めた$200$個の複素数解を$\alpha_{\sigma_1},\alpha_{\sigma_2},...,\alpha_{\sigma_{200}}$とし,
$$\sum_{k=1}^{200}\alpha_{\sigma_k}^{100}$$
の値を$\sigma$の$\boldsymbol{\mathsf{スコア}}$とします.このとき,$\sigma$としてありうるもの$102!$通りすべてについての$\boldsymbol{\mathsf{スコア}}$の平均値を求めてください.
$x$に関する$2026$次方程式
$${2026^2{}_{2026}\mathrm{C}_{2026}x^{2026}+2025^2{}_{2026}\mathrm{C}_{2025} x^{2025}+...+1^2{}_{2026}\mathrm{C}_{1}x \left(=\sum_{k=1}^{2026}(k^2 {}_{2026}\mathrm{C}_k) x^k\right)=1000x+2026}$$
の重複を含めた$2026$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{2026}$とします.
$$S_m=\sum_{k=1}^{2026}\alpha_{k}^{m}$$
とするとき,以下の値を求めてください.
$$\prod_{n=1}^{2024}\left(\left(\sum_{m=0}^{n} {}_{n}\mathrm{C}_{m}S_{m}\right)-1\right)$$
$2027$次の多項式$f(x)$は,$0$ 以上 $2027$ 以下の任意の整数$n$について$f(n)=\frac{243}{n+1}$をみたします.また,
$${f(x)=0}$$
の重複を含めた$2027$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{2027}$とします. $${S_n=\sum_{k=1}^{2027}\alpha_{k}^{n}}$$
とするとき,以下の値は整数になるので,これを素数$2029$で割ったあまりを$M$とします.
$${\sum_{n=1}^{2027}S_n}$$
以下の値を求めてください.
$$M+S_1$$
数列${\lbrace F_n \rbrace(n=0,1,...)}$を${F_0=1,F_1=1,F_{n}=F_{n-1}+F_{n-2}}$ ${(n \ge 2)}$で定めます.
$x$に関する$15$次方程式
$${x^{14}+x^{13}+2x^{12}+...+233x^2+377x+610\left(=\sum_{m=0}^{14}F_{m}x^{14-m}\right)=-x^{15}+2026}$$
の重複を含めた$15$個の複素数解を$\alpha_1,\alpha_2,...,\alpha_{15}$とします.以下の値を求めてください.
$${\sum_{k=1}^{15}\alpha_{k}^{15}}$$
上の定理1~6が使えるor関係する問題を集めたもの
備考欄は解いた後に見るのがいいかも.
主に偶然見つけたもの
| 問題 | 備考 |
|---|---|
| 早大高等学院2025-1(3)② | 相反方程式は逆数も解 |
| 東京医科大学2021大問4 | 誘導(アイウエ)を無視して解ける |
| 岡山大学文系2016 大問1 | やるだけ. (3)は$(x-2)^2+(x-2)+1$を持ち出すのがいい |
| 岡山県立大学2016 大問2(2) | 相反方程式は逆数も解 |
| 兵庫県立大学中期2020 大問3 | やるだけ |
| 玉川大学2022 大問3 | やるだけ |
| 北海道教育大学2022 大問1 | やるだけ |
| 慶應商学部2003 大問1(2) | やるだけ |
| 千葉大後期2013 大問1 | 分子でいつもの + mod12 |
| 千葉大前期2015 大問7 | $0^0$が出てくるので問題文で$c \neq0$とか書いてくれ! |
| 東工大1965 大問2 | 移項すれば$t_0$を出さずに$t_3$が求まる($b=0$か気にしなくていい) |
| 東工大2013 大問1(1) | やるだけ |
| 一橋後期2009 大問1 | やるだけ |
| 東大1964 大問1 | OMC250(B)を簡単にした感じ.因数分解の方が速い. |
| 東大1994 大問2 | やるだけ.(1)の方がむずい.$\frac{5}{4a},\frac{5}{4b}$を根とする式を考えたい |
| 東大文系1997 大問1 | やるだけ.(1)の方が時間かかった |
| 東大2003 大問4 | やるだけ.共役無理数関連. |
| 東大2017 大問4 | やるだけ |
| 京大プレ2014夏 大問3 | やるだけ |
| 京大実戦2025夏 大問6 | 試験中は解けなかった |
| 2013年第1回駿台全国模試 大問4 | リンク後で |
| 2025年第1回駿台全国模試 大問3 | リンクなし |
| 知恵袋にあるなんかの問題 | やるだけ |
diffが低い順に並べた.難易度順になっているとは限らないことに注意.
| 問題 | diff/配点 | 備考 |
|---|---|---|
| OMC037(A) | 160/100 | 解の逆数和 |
| OMC050(A) | 435/200 | 解の逆数和に帰着可 |
| OMC062(A) | 720/200 | |
| OMC048(A) | 957/300 | |
| OMC090(D) | 1047/300 | 定理1 |
| OMC275(C) | 1051/300 | |
| OMC169(D) | 1121/200 | |
| OMC227(C) | 1217/300 | |
| OMCB055(E) | 1283/200 | |
| OMC260(C) | 1373/300 | |
| OMC190(B) | 1346/200 | 定理1 |
| OMC250(B) | 1376/300 | |
| OMC264(D) | 1445/400 | |
| OMC110(C) | 1458/400 | |
| OMC032(C) | 1588/400 | 幾何パートがむずい.共役無理数関連 |
| OMC197(H) | 1620/300 | |
| OMCB075(H) | 1782/300 | |
| OMC200(E) | 1812/400 | |
| OMCB011(H) | 1850/300 | 共役無理数関連 |
| OMC252(C) | 1859/400 | 整数パートがむずい |
| OMC118(E) | 1993/600 | |
| OMC247(D) | 2029/400 | |
| OMCE003(E) | 2157/500 | |
| OMCE015(E) | 2215/600 | |
| OMC250(F) | 2377/600 | |
| OMC180(D) | 2397/600 | |
| OMCE018(E) | 2585/700 |
| 問題 | 備考 |
|---|---|
| JMO1991予選2 | いいね |
| JMO2003予選4 | 3次方程式を持ち出す |
| JMO1995本選5 | 今なら5じゃなさそう |
| JMO2017本選5 | 考え中 |
| KMO2024 1次予選6 | 共役無理数関連.正攻法ではない.工夫したあとmod8,125 |
| AMC2019-12A-Problem17 | |
| AIME2003II-9 | |
| AIME2008II-7 |
間違いがあったら教えてください.類題などもあればコメントで是非書いてください.
定理と類題の項目は,載せてない典型も追加して新たに記事を作るかも.