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現代数学解説
文献あり

超微分の小ネタ、(モニックな、実係数)n次関数の超微分と解のm乗和

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はじめに

超微分については 7777777氏 の「 超微分 」という概念を前提にしてしてはいますが、その本質を突く記事というわけではないので、その定義と幾許かの定理・公式等が分かれば大丈夫だと思われます。

調べてみたところ、 先行研究 がありました。

本題

モニックな$n$次関数
$f(x) = x^n + a_{1}x^{n-1}+a_2x^{n-2}+\cdots +a_{n-1}x+a_n\quad (a_i \in \mathbb{R})$
を考え、$f(x)=0$の解を$\alpha_1, \alpha_2 \cdots \alpha_n$と置きます。
ここで、$f(x)$の超微分可能性を明確にしておきます。
ラグ / Lagu氏 の「 超微分で微分っぽいことをする 」より、
$f(a)>0, a\neq 0$のとき、$f$$a$で微分可能であることと、$f$$a$で超微分可能であることは同値です。
よって、$f(x)=0$のどの実数解より大きい正の実数$x$に対して$f(x)$は超微分可能であることになります。
しかしながら$n$次方程式の「実数解」のままだと若干扱いづらいので、すこし前提が強くなりますが、
$i = 1,2\cdots,n$に対して、$|{}^{\forall}\alpha_i|< x$を満たす$x$の範囲で考えます。勿論この範囲で$f(x)$は超微分可能です。
実際に超微分してみましょう。
\begin{eqnarray} f^{`}(x) = \dfrac{xf'(x)}{f(x)}&=& x (\log f(x))' = x\left(\sum_{i=1}^n\log |x-\alpha_i|\right)'\\ &=& \sum_{i=1}^n\dfrac{x}{x-\alpha_i} = \sum_{i=1}^n\dfrac{1}{1-\dfrac{\alpha_i}{x}} \end{eqnarray}
ところで、$\left|\dfrac{\alpha_i}{x}\right|<1$のとき、
無限級数$\displaystyle\sum_{m=0}^{\infty}\left(\dfrac{\alpha_i}{x}\right)^m$$\dfrac{1}{1-\dfrac{\alpha_i}{x}}$に絶対収束します。今考えている$x$の範囲は、$\left|\dfrac{\alpha_i}{x}\right|<1$を常に満たします。絶対収束性から、
$$\sum_{i=1}^n\dfrac{1}{1-\dfrac{\alpha_i}{x}} = \sum_{i=1}^n\sum_{m=0}^{\infty}\left(\dfrac{\alpha_i}{x}\right)^m = \sum_{m=0}^{\infty}\dfrac{\sum_{i=1}^n\alpha_i^m}{x^m}$$
となるので、解の$m$乗和を$s_m$と置くと、
$$f^{`}(x) = \sum_{m=0}^\infty\dfrac{s_m}{x^m}$$
と表せることになります。
(これ、母関数っぽいですけど母関数じゃないですね、何と呼ぶんでしょうね、これ。)

終わりに

ミスや間違いなどあれば指摘の方をよろしくお願いします。

参考文献

投稿日:925
更新日:926
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