多元数論の世界においては二重数というものがありますが、その拡張である超二重数(Hyper-dual Numbers)について少し書いてみます。
https://mathlog.info/articles/XAcARaOl1G8CUKMHI1rt
$a,b,c,d\in\mathbb{R}$,$ε_{1}^{2}=ε_{2}^{2}=(ε_{1}ε_{2})^{2}=0$,$ε_{1}≠0$,$ε_{2}≠0$,$ε_{1}ε_{2}≠0$として、
$a+bε_{1}+cε_{2}+dε_{1}ε_{2}$と表される数。
$a_{0},a_{1},a_{2},a_{3},b_{0},b_{1},b_{2},b_{3}\in\mathbb{R}$として、
$a_{0}+a_{1}ε_{1}+a_{2}ε_{2}+a_{3}ε_{1}ε_{2}$と$b_{0}+b_{1}ε_{1}+b_{2}ε_{2}+b_{3}ε_{1}ε_{2}$の和,積は、
和:
$(a_{0}+b_{0})+(a_{1}+b_{1})ε_{1}+(a_{2}+b_{2})ε_{2}+(a_{3}+b_{3})ε_{1}ε_{2}$
積:
$a_{0}b_{0}+(a_{0}b_{1}+a_{1}b_{0})ε_{1}+(a_{0}b_{2}+a_{2}b_{0})ε_{2}+(a_{0}b_{3}+a_{1}b_{2}+a_{2}b_{1}+a_{3}b_{0})ε_{1}ε_{2}$
で与えられ、
$a_{0}+a_{1}ε_{1}+a_{2}ε_{2}+a_{3}ε_{1}ε_{2}$の乗法逆元は、
$\frac{1}{a_{0}}-\frac{a_{1}}{a_{0}^{2}}ε_{1}-\frac{a_{2}}{a_{0}^{2}}ε_{2}+(-\frac{a_{3}}{a_{0}^{2}}+\frac{2a_{1}a_{2}}{a_{0}})ε_{1}ε_{2}$
で与えられます。
(見たら分かりますが、$a_{0}=0$のときは定義されていません)
和の定義を眺めると、結合法則、交換法則が成り立つことが分かります。
また、積についても交換法則が成り立つのがすぐ分かります。
結合法則、分配法則については少々計算が要りますが、いずれにしても成り立つことが分かるはずです。
この超二重数には二重数の良さを広げる形の性質を持っています。
初等関数など、冪級数展開可能な2変数関数$f(x,y)$に対して、
$f(x+ε_{1},y+ε_{2})$の$ε_{1},ε_{2},ε_{1}ε_{2}$の係数がそれぞれ$\frac{∂f}{∂x},\frac{∂f}{∂y},\frac{∂^{2}f}{∂x∂y}$、
$f(x+ε_{1}+ε_{2},y)$の$ε_{1},ε_{2},ε_{1}ε_{2}$の係数がそれぞれ$\frac{∂f}{∂x},\frac{∂f}{∂x},\frac{∂^{2}f}{∂x^{2}}$となる。
このままだと参考にしたサイトからそのままいくつかを抜粋しただけになってしまうので追加の情報を補足しておくと、
今回は$ε_{2}$を追加するという方法で二重数の拡張を紹介しましたが、他にも$ε^{2}=0$ではなく$ε^{3}=0$にする、という方向でも拡張がされています。
そちらについては私はよく知らないので、存在だけ仄めかしておきます。
また、他にも複素数と混ざって二重複素数の方や四元数を改造して平面四元数などの方向に拡張されたりと、他の多元数と混ざりあって拡張されているので、一般化は多岐にわたります。