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東大数理院試過去問解答例(2017B05)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2017A05の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです

2017A05

$V$$n$次元線型空間とし、双線型写像
$$ \begin{array}{cccc} \wedge:&V\times V&\to&V\wedge V\\ &(a,b)&\mapsto&a\wedge b \end{array} $$
を考える。

  1. $n=3$のとき、$\wedge$は全射であることを示しなさい。
  2. $n\geq4$のとき、$\wedge$は全射でないことを示しなさい。
  1. $V=\mathbb{R}^3$としてよい。このとき線型写像
    $$ f:V\wedge V\to V $$

    $$ \begin{pmatrix} a\\ b\\ c\\ \end{pmatrix}\wedge\begin{pmatrix} x\\ y\\ z\\ \end{pmatrix}\mapsto\begin{pmatrix} bz-cy\\ cx-az\\ ay-bx\\ \end{pmatrix} $$
    で定義する。これはwell-definedな線型写像である。任意の$v\in V$に対し$v_1,v_2$$v_1,v_2,v$$V$の正規直交基底になるように取れば$f(v_1\wedge v_2)=v$であるから$f$は全射であり、$f$の域も余域も$3$次元空間なので、$f$は線型同型である。以上から任意の$w\in V\wedge V$に対して、$x_1,x_2$$x_1,x_2,f(w)$$V$の正規直交基底になるように取れば$x_1\wedge x_2=w$になることが従う。
  2. $V=\mathbb{R}^n$とし、$e_1,e_2,e_3,e_4,\cdots,e_n$を標準基底とする。ここで
    $$ x:=e_1\wedge e_2+e_3\wedge e_4 \in V\wedge V $$
    とすると
    $$ x\wedge x=2e_1\wedge e_2\wedge e_3\wedge e_4\neq0\in V\wedge V\wedge V\wedge V $$
    である。一方$\wedge$の像の任意の元$a\wedge b$$(a\wedge b)\wedge(a\wedge b)=0$を満たしているから、$x$$\wedge$の像に含まれないことが分かる。よって$\wedge$の非全射性が従う。
投稿日:9日前
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藍色日和
藍色日和
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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