0

東大数理院試過去問解答例(2022B03)

315
0

ここでは東大数理の修士課程の院試の2022B03の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2022B03

整数a,bに対し、単射環準同型ϕa,b:Z[X]Z[Y,Z]
ϕa,b(X):=a(Y5+Y3Z2)+bZ6
で定める。この準同型によってZ[Y,Z]が自由Z-加群になるためには、gcd(a,b)=1であることが必要充分であることを示せ。

初めに充分性を示す。互いに素なa,bを取る。このとき単射
Z[X]A:=Z[Y5+Y3Z2,Z6]
を考えたとき、as+bt=1なる整数s,tに対して変換
Z[Y5+Y3Z2,Z6]Z[Y5+Y3Z2,Z6]Y5+Y3Z2a(Y5+Y3Z2)+bZ6Z6t(Y5+Y3Z2)+sZ6
を考えることで、Z[Y5+Y3Z2,Z6]=Z[a(Y5+Y3Z2)+bZ6,s(Y5+Y3Z2)+tZ6]は自由Z[X]-加群であることがわかる。次にZ[Y5+Y3Z2,Z]は自由Z[Y5+Y3Z2,Z6]-加群である。次にZ[Y,Z]Z[Y5+Y3Z2,Z]上自由であるから、以上よりZ[Y,Z]ϕa,bによって自由Z[X]-加群になっている。

次に必要性を示す。gcd(a,b)=d1とする。ここでZ[Y,Z]が自由Z[X]-加群であったとする。このときM=Z[Y,Z]/Im(ϕa,b)も自由加群になる。しかしf=1d(a(Y5+Y3Z2)+bZ6)とおくと、fMに於いて0でない捩れ元になっているからMの自由性に矛盾する。以上からZ[Y,Z]Z[X]-加群として自由ではない。

投稿日:20231023
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中