ここでは東大数理の修士課程の院試の2026B06の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
相異なる点$p,q\in S^2$を固定し、$S^2\times\{0,1\}$に同値関係
$$
(p,0)\sim(p,1)
$$
$$
(q,0)\sim(q,1)
$$
を入れ、剰余位相空間
$$
X:=(S^2\times\{0,1\})/\sim
$$
を定義する。ここで$\widetilde{f}:S^2\times\{0,1\}\to S^2\times\{0,1\}$を
$$
\widetilde{f}(x,0)=(x,1)
$$
$$
\widetilde{f}(x,1)=(x,0)
$$
で定義する。このとき同相写像$f:X\to X$が誘導される。ここで$X\times[0,1]$に対して同値関係
$$
(x,1)\sim(f(x),0)
$$
を入れ、剰余位相空間
$$
Y:=(X\times[0,1])/\sim
$$
を定義する。
位相空間$A,B$に対して$A\approx B$と書いたときは、$A$と$B$がホモトピー同値であることを指す。