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現代数学解説
文献あり

輪と位相

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はじめに

AAGと名乗ってます。今日はちょっと特殊な代数系について語ります。
前提知識としては、環論と位相空間のちょっとした知識があれば十分だと思います。

輪(wheel)

(W,+,,0,1,/)であるとは以下の公理を満たす代数系である。
(Wを動く全称量化が初めにつく場合省略する)

  1. (W,+,0),(W,,1)は可換モノイド
  2. //x=x
  3. /(xy)=/x/y
  4. (x+y)z+0z=xz+yz
  5. (x+yz)/y=x/y+z+0y
  6. 00=0
  7. (x+0y)z=xz+0y
  8. /(x+0y)=/x+0y
  9. 0/0+x=0/0
名称について

「輪」という日本語表記は Wikipedia によると暫定的なもので、「車輪」「ホイール」とも呼ばれますが、この記事では「輪」で統一します

Rを可換環,Sを積閉集合とする.
W=R×R /とおく.
ただし、(x,y)(x,y)s,sS,sx=sxsy=sy
以下、(x,y)の同値類を[x,y]で表す。
0=[0,1],1=[1,0]
[x,y]+[x,y]=[xy+xy,yy]
[x,y][x,y]=[xx,yy]
/[x,y]=[y,x]
とおくと、(W,0,1,+,,/)は輪となる。(証明略)
これをSRで表す。

商輪は局所化に似てると思います。名前の通り商によって輪を作ります。
特にx[x,1]で定まる写像を「埋め込み」と呼ぶことにします。

この記事では以降用いませんが、
輪の射を0,1,+,,/を保つ射とすれば完備・余完備となり、
局所化と同様に商輪は左随伴となります。
(右随伴は({0x=0|xW},{0x=0/x=0|xW})です。)

位相輪

※ここから独自の定義です。

位相輪

(W,+,,0,1,/)について
Wに位相が定まり、+,,/が連続になるとき、
(W,+,,0,1,/)を位相輪と呼ぶ。

RRが位相輪で、埋め込みRRRが位相的に埋め込みになっているものは、
RR{0/0}S1と同相で、0/0を含む開集合は全体集合のみである。

(アイデア)

まず、y0について、[x,y]=[xy1,1]であり、[1,0]=[x,0]であるから、RR{1/0,0/0}Rと同相.
以下、RRR{1/0,0/0}とみなす。
R{1/0}について、x/xは自己同相写像であるから、これにより0の近傍と/0の近傍との1対1対応がある. つまり、R{1/0}S1
xx/0を考えると0/0を含む開集合の逆像は0周辺の要素を含む、つまり0/0を含む開集合は1/0も含む.
xa+0/x(ただしaR)を考えると0/0を含む開集合の逆像は0周辺の要素を含む、つまり0/0を含む開集合はaも含む.
したがって、0/0を含む開集合は全体のみである.

おわりに

実数の商輪は一点コンパクト化になってたので、一点コンパクト化の別な一面がみれたように思います。
もし次回があったら双対数の商輪について語ります!

参考文献

投稿日:2024103
更新日:2024105
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投稿者

AAG
AAG
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抽象代数学とか好きなB1。気分屋です。 (元の名前:AGA) 厳密にテキトーにやってます。 基本検算しません。 間違いがあったら容赦なく指摘してください。

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