私の証明と似ています。
一番肝心の難しい箇所で
物凄く都合のいい考え方をして、
いきなり証明が
「はい、おしまい」
と終わってしまいます。
$p$を素数とする。この時、
$(p-1)!\equiv-1 \pmod p$
が成り立つ。しかも、逆も成り立つ。つまり、この式が成り立てば$p$は素数である。
まず、線形合同式
$ax\equiv 1 \pmod p$は、
$a, p$が互いに素の時、$p$を法として一意に解を持ちます。
これは実は、ガロア理論の5次方程式の解が作る巡回群と似ています。こちらは和に関してですが。
$a< p$かつ$a\leqq \frac{p-1}{2}$となる
$a=\frac{p-1}{2}-n$と置きます。量化は各自してください。
余りを求めるのに、引き算と足し算を使います。
$p-a=b=\frac{p+1}{2}+n$
まずこうなります。
$b-a=2n+1$
つまり、$p-2a=2n+1$です。
これが
$p-(2n+1)=2m+1$
$p-(2m+1)=2k+1$
のようになり、$p$以下の全ての奇数を経て初めに戻ってくればいいですね。
そのためには、$p$から数を引いて、$a$ができ、$a$を引いて$b$ができ、一周する前に同じ数が現れなければいいです。
ちょっとやってみましょうか。
$11$から$2$を引くと$1$ができ、そこから$2$を引くと$10$ができ、割り切れます。
$3$を引くと、$2$ができます。
$10$ができて、今度は$4$ができます。
一周目で$2$ができれば、
$11/3=3$余り$2$で、
$22/3=6$余り$4$です。
つまり$11$を$3$で割り、余りが$1$でも$2$でも、引き算で全ての数ができます。
$11/4=2$余り$3$で、$6-4=2$ $(2+3)/4=$余り$1$です。商は1ですが、どうでもいいです。
つまり、こういうことです。
余りと割る数の2つの数が
互いに素になると、ユークリッドの互除法により余りで$1$を作ることができます。
余りには初めの数も含まれ、
初めの数$a$から、引く数$b$を引いて、$c=a-b$が$a$と互いに素であればいいです。$a$と$b$が互いに素であれば、$a$と$c$も互いに素です。
一意に存在するかどうかですが、割られる数を更に足したり引いたりしてしまうと、割られる数$d$を割る数$e$個足したり引いたりしないと、余りが変わってしまいます。
従って一意に存在します。
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線形合同式
$ax\equiv 1 \pmod p$は、
$a, p$が互いに素の時、$p$を法として一意に解を持ちます。
同じことを何度も繰り返すようですが、
$a\equiv x$だと
$a^2\equiv ax\equiv 1$
$a^2-1\equiv 0$
$(a-1)(a+1)\equiv 0$
$\therefore a-1,a+1\equiv 0 \pmod p$
つまり、$p$が素数なのに、$a-1$または$a+1$が$p$の約数であることになります。
$11$みたいな素数が、$4$とか$5
$で割り切れることになります。
これは矛盾です。
つまり、
$a\not\equiv x$です。
あっという間に終わります。
$a=2, 3, \cdots p-2$とします。
線形合同式
$ax\equiv 1 \pmod p$は、
$a, p$が互いに素の時、$p$を法として一意に解を持ちます。(三回目)
つまり、$a=2$の時、
それと組になる$x$が、
$3\leqq x\leqq p-2$
の範囲に、ただ1つ存在します。
この時、$p$を法としているので、$x< p$です。
一意に定まるので、$2$に対して1つの$x$が定まり、$x$を$a$とした時に、$x=2$が
$2\leqq x=2\leqq p-2$
の範囲の、一意の解として定まります。
$3$に対しても$4$に対しても、1つ$x$が取れ、$p$に近い大きな側の数も、より小さな数の$x$が取れます。
ただし、($x$が)$a$に対して1つあるとしか言っていないので、より小さな数が、より大きな数と($a$と$x$の)組として存在する訳ではありません。複雑怪奇な組み合わせでも、一意に存在することから余らないことが言えるだけです。
$ax$の組を全て掛けます。
$8$進法の各桁を$7$で割るような感じで、いくら掛けても余りが$1$なら余りは$1$です。
$1$も掛けて、最後に$p-1$を掛けます。
$(p-2)!(p-1)\equiv 1*(p-1)\equiv -1$
$\therefore (p-1)!\equiv -1 \pmod p$
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