ここでは東大数理の修士課程の院試の2006A06の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです
$f,\varphi:[1,\infty)\to\mathbb{R}$をそれぞれ連続関数及び$C^1$級関数とする。これらが次の条件
を満たしているとき、$f$は有界であることを示しなさい。
$f$が恒等的に$0$であれば示すことは何もない。$f$がある点$x$に於いて$f(x)>0$(resp. $f(x)<0$)を満たしていとする。このとき$f(y)=0$なる$x< y$が存在するとすると、このとき中間値の定理から$f(z)>0$(resp. $f(z)<0$)かつ$f'(z)<0$(resp. $f'(z)>0$)なる$z\in[x,y]$が存在し、これは条件(i)(iii)に反する。よって任意の$y>x$に対して$f(y)>0$(resp. $f(y)<0$)が満たされている。このとき常微分方程式(iii)を解くことで、任意の$y\geq x$に対して、
$$
f(y)=f(x)\exp\left(\int_x^y\varphi(t)dt\right)
$$
であり、条件(i)(ii)からこれは有界である。$f$は$[1,x]$上連続かつ$[x,\infty)$上有界なので、$f$の有界性が従う。