こんにちは、受験勉強を終えたitouです。ようやく好き放題数学ができるようになってMZVを勉強し始めました。
で、ネットを漁って数式を探してたらこんなのを見つけました。
Ozonumさんのポスト
数式1
Ozonumさんも言っていますが、左辺の級数のweightは3なのに、右辺は2です。つまりweightが下がってるわけですが、これはなぜでしょうか?
そもそもweightとはMZVに対して定義される概念で、
(この記事ではインデックスは左向き)
における
ルール①
ルール②級数表示の中で、二項係数
ルール③級数表示の中で、分数次数が
ルール④指数法則同様、
これらルールは多くの場合について成立します。たとえば アカデミック後進国ニッポンさんの記事 を見てください。
唐突ですが、ある級数に対し、その有限和を考えます。まずMZVに対しては多重調和和を
とし、
とします。
がすぐに分かります。特に、
です。ここで、
が従います。これより
という3項間漸化式を満たします。つまり、
~~~~~ここからヒューリスティックな話~~~~~
級数
(
※
左辺の部分和を
より、自明な漸化式
が従うので、この級数のweightは3、depthは1
左辺の部分和を
より、自明な漸化式
が従うので、この級数のweightは1、depthは1
(例2は らららさん に教えてもらいました。weightの概念の整理の項で述べたルールではこの級数のweightは0ですが、この定義では1となります。)
この定義でうまくいくぞ!と思って冒頭の級数にも同じことをします。
左辺の部分和を
より、自明な漸化式
が従う。
…うまくいってない!
部分和
の形であるならば、
これがどこから出てきたのか説明します。
部分和
実際、このルールを導入すると、
冒頭の級数について
漸化式を使ってweightの一般的定義を導入してみました。厳密な議論は全然ですが…今回導入したルール以外にもweightが減少する場合があるかもしれないので、今後はそのあたりが課題ですね。そもそも有限級数に漸化式を使おうという発想は、(もともとこういうタイプの漸化式に興味があったのですが)便利さんの例の論文をみて私も有限和関連の面白いことをしたいなあと思った所からです。
ここまで読んで下さりありがとうございました。誤植誤り等指摘お願いします。
追記(2024/3/26)
・例1の級数が間違っていたので訂正
・以下の式(