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東大数理院試過去問解答例(2015B02)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2015B02の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2015B02

多項式環S=k[t]をとり、その部分環R
R:=k[t4,t10,t13]
とする。またRの部分集合
I:={xR|xSR}
を考える。

  1. IR及びSのイデアルを定めていることを示しなさい。
  2. IRのイデアルとしての生成系のうち、生成元の個数が最小になるものを一つ挙げなさい。
  1. まず定義からIRであり、更に和とSの元倍で閉じている。よってR及びSに於いてIはイデアルである。
  2. Rt19を含む元を持たない一方、t4,t20,t21,t22,t23を含むから
    I=t20S
    である。よってIRt20,t21,t22,t23で生成される。
    次にI3元生成されないことを示す。まずm={fR|f(0)=0}とおく。これはRの極大イデアルである。ここで
    I=(t20,t21,t22,t23)
    Im=(t24,t25,t26,t27)
    であるから、I/mI4次元k線型空間である。よってI3元生成されることはない。よってt20,t21,t22,t23が所望の生成系である。
投稿日:202489
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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