(こちらの記事は Wathematicaアドベントカレンダー2024 向けに書かれたものです)
こんにちは。Wathematicaアドベントカレンダー、7日目担当のharu(Twitter:@haru___open)です。先日雪江先生の「代数学2」(いわゆる青雪江)を読むゼミを終えました。せっかくなので今回はそれに関連して、方程式を解くということについて、1の
これには「周期」と呼ばれるきれいな対称性を持った概念が関係しています。
証明は割愛して、なんとなくの雰囲気がわかるように努めました。
例えば以下の方程式
の解
であることはよく知られています。しかしながらより次数の高い方程式については簡単にはいきません。そこで登場するのが補助方程式という概念です。
方程式
ちんぷんかんぷんなので具体例を見てみましょう。
3次方程式
と表されます。
この
と取ってあげればよいです。確かに
お気づきの方もいると思いますが補助方程式のややこしい言い回しは体論の言葉を使えばスマートに言い換えられます。
補助方程式
以下帰納的に
を得ます。方程式
つまり補助方程式を得ることと、体の拡大を考えることが対応しています。
本題に入る前にGaloisの基本定理の主張を述べておきます。
とすれば以下が成立。
(1){
(2)
(3)
このとき
証明は2をはじめとした、代数学の基本的な教科書にあります。ここでは既知のものとして話を進めます。
今回は
この体の拡大はGalois拡大であり、そのGalois群
それには周期という概念が非常に密接に関わっています。
この話を始める前に少しだけ言葉の定義をしましょう。
となるものに限られる。
また
と書くことにする。
では周期を定義しましょう。
1の原始
を
具体例を見てみましょう。
同様にして
確かに2つの項で書けていて、まさに2項周期といった感じです。
さらによく見ると、どうも
さらにもう1つ例を見てみましょう。
同様にして
では初めの問いに戻りましょう。
例2を見てみましょう。
そう、実は
もっと一般に以下の事実が成り立ちます。
Galois拡大
証明は割愛します。
最後に
と定義する。
これは
では補助方程式を作ってみましょう。
体の列
が取れればよさそうです(もちろん元の方程式より難しくなってはだめです)。
これは周期の対称性から、簡単に用意することができます。
とすれば、各係数は
さらに
とすればこの各係数は
なおそれぞれ計算すると
(
ご覧いただきありがとうございました。今回の内容についてより詳しいことや、証明が知りたい方は是非参考文献の1をご覧ください。とてもわかりやすく丁寧に書いてあります。