アンドロイドは-同値の夢を見るか
実は連載でした
はい、実は連載だったんです!!
-同値
それじゃあパッパとやってきましょうね〜〜(やっつけ仕事)
-同値
について-同値(right equivalent)とは
:微分同相 s.t.
つまり,定義域を微分同相で変換してあげたときにがに一致するなら,とは同じと見なそうね!!ってことです
これと似た要領で以下のような同値もあります
今度は値域も微分同相で変換してあげてますね!ここからすぐに(を恒等写像とすれば)-同値は-同値であるとわかります.ただ,逆は成り立ちません.
は-同値であるが,-同値でない.
を恒等写像,とすれば良いが,
をどう取っても,となる.
値域の方だけ変換してあげる同値のことを-同値に対して-同値(left equivalent)といいます.これに関しても-同値は-同値と言えますね!
学び始めの頃はここらへんの違いがよく分からず大変でしたね...同値の判定にも時間がかかりましたが,毎日感謝の座標変換1万回を繰り返していくと段々慣れていきます.最近になってくると祈る時間が増えてきましたしね!
(ネタが分からない人はすぐにMathlogを閉じてHUNTERHUNTERを見てください!!少なくとも特異点論よりは大事です)
おいおい-同値はまだかよ
...と思った方、、、お 待 た せ い た し ま し た !!
-同値の定義をします!!
-同値
について-同値(contact equivalent)とは
:成分の行列 s.t.
『-同値は"微分同相変換"と"行列変換"両方の性質を持つ』
さて,意味を考えていきましょう.まず,行列変換の意味です.
(ただし,)とする.
このとき,となるので,
の成分は:イデアルの元と思える
さてイデアルという言葉が登場しましたね!!さっきまで微分同相という幾何の言葉しか使っていなかったのに,急に代数として考えられてしまうわけです.これこそが特異点系の代数幾何の人が-同値を使う理由なのです!!
さてでは,-同値について重要な命題を紹介します.
に対して,以下の(i)と(ii)は同値
(i)
(ii):微分同相 s.t.
またが被約(i.e.の冪零元はのみ)のときに(iii)も加えて同値
(iii) :微分同相 s.t.
-同値というのは「微分同相写像でイデアルが移り合う」という意味があるのが分かります.(iii)は実はHilbertの零点定理から分かるのですが「図形も(被約であれば)イデアルに直に対応するので,微分同相で図形が移る」という意味になります!
:の極大イデアル
:微分同相に対して("原点を通る関数"を"原点を通る関数に移す"ので)であることに注意.
とする.
(ただし,:微分同相)
定理1よりを示せば良い.
よって
このことから-同値は上記の中で最も弱い同値ということになります.
接空間とMilnor数とTjurina数
詳しい議論は次回に回しますが,と-同値になるようなもの全体を多様体とみて(実はLie群になる)における接空間を求めてあげます.
:上の微分同相写像全体,とする.
:半直積群について,
という群作用を考える.このとき,はが同じ作用の軌道に入る
実は-同値の定義域側の座標変換はと書く慣習があります.上の定義3でのままで書いたのは後々面倒だからという理由があります.実際は可逆なので定義3の上では問題はありません.しかし,半直積という言い方をするならで書くべきなので(急遽慌てて)直しました.紛らわしくてすみません.
それでは,接空間を求めていきましょう!
とおき,写像族を内の弧と見るときの接空間を考えたいです
設定
- は単位行列,は恒等写像.すなわちとする
- この変換は原点を動かさないとするので,つまり,についての定数項はない
- をで微分したものが(写像族の弧の)接ベクトルになる
- 接ベクトルの集まりが接空間
のによる微分は
を考えれば,
左辺はにおける接ベクトルです.
右辺はとなります!
ただしで,(についての定数項はないので)とします.
とは任意係数です.接ベクトルの各成分はの成分を生成元とするイデアルと極大イデアルヤコビイデアルの元の和で表されるわけです.つまり接空間はになりますね!これをと表します.
上の方法と同様にして,-同値の接空間がと分かります.確認してみましょう.
ここまではかなり雑にやってしまったと反省があります.別の回にしっかりやろうと思います(覚えてれば)
Milnor数(ミルナー数)とTjurina数(チュリナ数)について
ざっくり証明(間違ってたら言ってください)
が原点で孤立特異点を持つ
:の近傍 s.t.
Hilbertの零点定理より,が成立.(はの外側での特異点に由来する)
が原点で孤立特異点を持つとする.
Milnor代数
Tjurina代数
また
Milnor数
Tjurina数
と定める.
ここでは定義と軽く性質を紹介するだけにしますが,これら2つが不変量として重要な働きをします!
また次のことが成り立ちます.
思い出してください-同値は-同値より弱かったはずです.なのに!なのに!-同値だけでもMilnor数が一致するんです!
最後にガチ強定理をやります
その前の準備
- が次の同次多項式(homogeneous polynomial)に含まれる単項式が全て次である.
- が重み,次数の重み付き同次多項式(weighted homogeneous polynomial)に含まれる単項式について,.
(分かりやすさと扱いやすさのために重みは正整数値にしました)
同次多項式はまぁわかると思います.とか.
問題は重み付き同次多項式です.これに関しては具体例を見た方がいいかもしれません!
- は重みで次数の重み付き同次多項式ですね
- は重みで次数6の重み付き同次多項式です.実際,はで,はで,はとなり,全て重みをつけると同次式になりますね!
齋藤恭司
原点で孤立特異点を持つ(複素)について以下は同値
- :重み付き同次多項式 s.t.
- :重み付き同次多項式 s.t.
これ使い方の例としてはMilnor数とTjurina数を調べて(計算自体は数式計算ソフトSingularで簡単にできる)同じだったら,重み付き同次多項式と同値になるとかです!
(それも,問わずに!!)
冪級数は項が無限個並んで,しかも斉次とは限らない訳ですが,Milnor数とTjurina数を調べるだけで,簡単にできるかを考えることができる訳です!!割とすごくないですか!!
恐ろしく素晴らしい定理だ...俺じゃなきゃ見逃しちゃうね
さらに少し別話題にはなりますが,semi weighted homogeneousというものがあります.を重み付き同次多項式として,
+(高次の項)
というものをsemi wighted homogeneousと言います(日本語だと何て呼ぶのか知りません...重み付き半同次式とか...?)
素朴な疑問として,になるかどうかの疑問も出てきます.ただ必ずしもそうとは限らないことも分かります.
実はは正しいのですが,定理5を用いれば,が分かるので,以下のことが分かります.
よって常にとは限りません
まとめ
- -同値,-同値,-同値をやりましたね
- の順に強い同値ですね
- 特に-同値はイデアルに密接に関係しています
- それぞれの同値の軌道の接空間を調べました
- Milnor数とTjurina数について触れました
- 齋藤の定理の凄さに圧倒されましたね
今回はちょっと山盛りになってしまいました...ごめんなさい...
思った以上に連載きつい気がしてきました...ちょっと休...
次回「キュウサイホダイ」
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