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競技積分サイト「Integralis」 について。

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はじめに

ごきげんよう。りーるるです。
今回は、僕が以前から作りたいと思っていた「競技積分」のためのWebサイトを公開したので、その紹介をしようと思います。
サイトはこちらです。
競技積分サイト「Integralis」
トップ画面 トップ画面

Integralisとは

Integralisは、積分問題をオンライン上で解き、その成績を競うための競技数学サイトです。
一般的な数学コンテストでは、整数・幾何・組合せ・代数など、さまざまな分野から問題が出題されます。
一方、Integralisで扱う中心的な題材は積分です。
基本的には、
$$ \int_a^b f(x)\,dx $$
のような一変数の積分について、その値を求める問題が出題されます。
問題文には、原則として求める積分だけが表示されます。
使用する置換、定理、級数展開、特殊関数などは示されません。与えられた積分を見て、自分で解法を考え、最終的な値を提出します。
単に原始関数を計算するだけでなく、

  • 巧妙な置換積分
  • 部分積分
  • 対称性の利用
  • パラメータ積分
  • 無限級数への展開
  • 複素解析
  • 積分変換
  • 特殊関数
    など、積分の評価に関係する幅広い方法を扱います。
    定積分を級数へ変形して解くことも、もちろん正当な解法です。
    Integralisでは、積分記号の中だけで計算が完結することを求めているわけではありません。最終的な目的が積分の値を求めることであれば、どのような数学的手法を用いるかは解答者に委ねられます。

コンテストについて

Integralisでは、複数の積分問題からなるContestを開催します。
Contestが始まると、Problem A、Problem B、Problem C、……という形で問題が公開されます。
各問題にはDifficultyが設定されており、
$$ \text{問題の点数}=100\times\text{Difficulty} $$
となります。
例えば、Difficulty 4の問題は400点、Difficulty 8の問題は800点です。
Contest中は、各問題の最終的な値を解答欄へ入力します。正解すれば、その問題の点数を獲得できます。
Contestには、主に次の2種類があります。

Rated Contest

成績がRatingへ反映されるContestです。
順位だけではなく、どのDifficultyの問題を正解したかなども考慮されます。

Unrated Contest

成績がRatingへ反映されないContestです。
Ratingを気にせず参加できる練習会、実験的な大会、特殊なテーマの大会などに使用します。
大会によっては、参加可能なRating Colorが指定される場合があります。参加条件がない大会には、すべての参加者が参加できます。

BASICとADVANCED

Integralisには、次の2つのDivisionがあります。

  • BASIC
  • ADVANCED

BASIC RatingとADVANCED Ratingは完全に独立しています。
BASIC Contestの結果によってADVANCED Ratingが変化することはなく、ADVANCED Contestの結果によってBASIC Ratingが変化することもありません。
ここで注意してほしいのは、

BASICは簡単で、ADVANCEDは難しい
という単純な区分ではないことです。
Divisionは、問題の難しさそのものではなく、その問題を解くために本質的に必要となる数学的な範囲を表します。
したがって、非常に難しいBASIC問題もあれば、比較的取り組みやすいADVANCED問題もあります。

BASIC

BASICは、高校数学および初等的な一変数解析を中心として完結する問題を扱います。
例えば、次のような手法です。

  • 置換積分
  • 部分積分
  • 部分分数分解
  • 三角関数の公式
  • 三角置換
  • 有理化
  • 対称性や周期性
  • 絶対値や床関数を含む積分
  • 初等的な広義積分
  • 初等的な無限級数
  • 関数方程式的な式変形
    解法の発見が非常に難しくても、必要な数学的道具がBASICの範囲であれば、BASICに分類されます。
    また、複素解析などを使えば短く解ける問題であっても、BASICの範囲だけで自然な解法が存在する場合は、原則としてBASICです。

ADVANCED

ADVANCEDも、中心にあるのは一変数積分の評価です。
ただし、BASICよりも広い数学的手法を本質的に使用する問題を扱います。
例えば、次のような内容です。

  • Feynman trick、パラメータ積分
  • 和・極限・積分の交換
  • 複素積分
  • 留数定理
  • Fourier級数
  • Fourier変換
  • Laplace変換
  • Mellin変換
  • Taylor展開
  • Laurent展開
  • 無限級数・無限積
  • 母関数
  • Gamma関数
  • Beta関数
  • ゼータ関数
  • Polylogarithm
  • 一般化二項定理
  • 超幾何級数
  • Gaussの超幾何関数
  • GaussやKummerなどの変換・総和公式
    ADVANCEDの上位問題では、一般的な数学コンテストではかなり専門的とされる分野を扱う可能性もあります。
    ただし、単に専門的な記号を登場させることが目的ではありません。
    どれほど高度な手法を使う問題であっても、最終的な主題は一変数積分の評価であることを重視します。
    例えば、
    $$ \text{定積分} \longrightarrow \text{一般化二項定理} \longrightarrow \text{項別積分} \longrightarrow \text{Beta関数} \longrightarrow \text{Gamma関数} $$
    という流れで解く問題も、Integralisでは積分問題として扱います。

Difficulty

各Divisionの問題には、1から10までのDifficultyが設定されます。
Difficultyは、そのDivisionの中での難しさを表します。
そのため、BASIC Difficulty 10とADVANCED Difficulty 1を、単純に同じ軸で比較することはできません。
大まかな感覚としては、次のように考えています。

Difficulty 1~3

基本的な公式や典型的な置換を用いる問題です。積分に慣れていない方でも、比較的参加しやすい範囲を想定しています。

Difficulty 4~6

複数の変形を組み合わせる必要があり、解法の発見にもある程度の工夫が必要となる問題です。

Difficulty 7~8

解法の入口が見つけにくく、積分に関する十分な経験や知識が必要となる問題です。計算も、ある程度複雑になってくるかもしれません。主にテクニカルな変形が目立ち始める難易度です。

Difficulty 9~10

非常に高度な発想、複数分野の組合せ、専門的な定理などを必要とする最上位の問題です。
Difficultyは作問者が投稿時に申告しますが、最終的なDifficultyは運営が問題を確認した上で決定します。

解答の提出方法

解答欄には、積分を計算した後の最終的な値を入力します。
例えば、
$$ \frac{\pi}{4},\qquad \sqrt{2},\qquad e-1,\qquad \ln 2 $$
などです。
一方で、
$$ \int_0^1 f(x)\,dx $$
や、
$$ \sum_{n=1}^{\infty}\cdots $$
のように、未評価の積分・総和・極限などを残した解答は認められません。
解答は半角で入力します。
自然対数については、表記を統一するため、原則として \ln を使用してください。
使用できる記号や入力方法については、サイト内の答案表記辞典にまとめています。
答案表記辞典
答案表記辞典 答案表記辞典

順位の決定

基本的には、獲得点数が高い参加者ほど上位となります。
同点者がともに全問題を正解している場合は、Completion Time、すなわち完答タイムを使用します。
完答タイムは、Contest公開・開始時刻から、すべての問題を初めて正解し終えるまでの時間です。
同じ点数で全問正解した参加者が複数いる場合、より早く全問題を正解した参加者が上位となります。一方、全問正解していない参加者同士が同点の場合は、完答タイムによる順位差を付けず、同順位となります。

Rating

Integralisには、BASIC RatingとADVANCED Ratingがあります。
どちらも表示上の初期値は1です。
Rating 1は、実力が1であることを意味するものではありません。まだIntegralis上で十分に実力が測定されていない状態を表します。
最初の3回のRated ContestはPlacement期間です。
Placementでは、単純な順位だけではなく、実際にどのDifficultyの問題を攻略したかを中心としてRatingを測定します。
Placement終了後は、順位によるPerformanceと、正解した問題によるPerformanceの両方を用いてRatingが更新されます。
また、高いRatingへ進むためには、それに対応する高Difficultyの問題を実際に攻略する必要があります。
易しい問題だけを大量に解くことで最高Ratingへ到達するのではなく、高難易度問題を突破したことがRatingへ反映される仕組みを目指しています。
反対に、既に高いRatingを持つ参加者が比較的易しいContestに参加しただけで、Difficulty不足を理由として強制的にRatingを下げるものではありません。
詳細な計算方法はこちらに掲載しています。
Rating System

Rating Color

Ratingに応じて、ユーザー名の表示色が変化します。
現在のRating Colorは次の通りです。

RatingColor
1~1599NONE
1600~1999JADE
2000~2399CYAN
2400~2799AZURE
2800~3199VIOLET
3200~3599MAGENTA
3600~3999SCARLET
4000~4399CRIMSON
4400~BLACK

BASICとADVANCEDでは、それぞれ独立したRating Colorを持ちます。
例えば、BASICではSCARLET、ADVANCEDではJADEという状態もあり得ます。
Rating Color一覧 Rating Color一覧
今後、「黒」の方が増えれば、さらにデザイン性でくらいがわかるようにしていきたいです。

作問者として参加する

Integralisでは、問題を解くだけでなく、自作問題を投稿することもできます。
作問投稿ページでは、次の内容を入力します。

  • 非公開の投稿タイトル
  • Division
  • 想定Difficulty
  • 問題文
  • 正解
  • 解説
  • 使用する特殊関数や発展公式
  • 管理者への補足
    投稿タイトルは、自分の投稿一覧と管理者の審査画面で問題を識別するためのものです。実際のContestには表示されません。
    問題文・正解・解説にはLaTeXを使用でき、実際の表示を確認しながら編集できます。
    また、作成途中の問題は、1アカウントにつき最大5件まで下書きとして保存できます。
    作問投稿画面 作問投稿画面
    投稿された問題は、運営が内容を確認します。
    必要に応じて、表記の修正、DifficultyやDivisionの調整、解説の修正依頼などを行います。
    採用された問題では、作問者として投稿者のアカウントが管理されます。
    なお、自分が作問した問題が採用されているContestには、Writer Lockによって参加できません。
    これは、事前に問題や解答を知っている作問者が、一般参加者として同じContestへ参加することを防ぐための仕組みです。

投稿できる問題について

投稿できるのは、原則として投稿者自身が作成したオリジナル問題です。
次のような投稿は認めていません。

  • 他サイト、書籍、大会などの問題の転載
  • 数値だけを変えた問題
  • 記号や積分区間だけを変えた問題
  • 表現だけを変えた問題
  • 解法の核が既存問題と実質的に同一である問題
  • 他所ですでに公開した問題
  • 既存問題との重複に気付いている問題
    採用後に既存問題との重複が判明した場合も、掲載を取り消すことがあります。
    Integralisでは、問題数を増やすことだけではなく、「見たことのない積分」や「新しい解法の構造を持つ問題」を蓄積していくことを大切にしたいと考えています。

初めて利用する方へ

利用するには、まずアカウントを作成してください。
Integralis
新規登録ページでメールアドレスとパスワードを設定し、ログインするとダッシュボードが表示されます。(Xで新規登録がおすすめです)
ダッシュボードでは、主に次の情報を確認できます。

  • BASIC Rating
  • ADVANCED Rating
  • Ratingの推移
  • 正解した問題数
  • Contestへの参加回数
  • 最近の提出
  • 開催予定のContest
  • 過去問
  • ランキング
  • 自分のプロフィール
    初めての方は、まず過去問やUnrated Contestから参加してみることをおすすめします。

今後について

Integralisは、まだ公開したばかりのサイトです。
現在実装されている機能についても、実際のContest運営や参加者からの意見を踏まえ、調整する可能性があります。
特に、次のような部分は今後も改善していきたいと考えています。

  • 問題の質とDifficulty基準
  • Rating計算
  • 解答として認識できる数式表記
  • 作問・審査の仕組み
  • スマートフォンでの使いやすさ
  • Contestの開催形式
  • 不正対策
  • 特殊関数を含むADVANCED上位問題の扱い
    不具合、分かりにくい部分、追加してほしい機能などがあれば、ぜひ教えていただけると助かります。

最後に

積分は、単に微分の逆演算として公式を適用するだけのものではありません。
一つの定積分から、数列、級数、特殊関数、複素解析、整数論的な定数など、さまざまな数学へつながることがあります。
Integralisを、積分を解く場所であると同時に、積分を通して新しい数学を知る場所
にしていきたいと考えています。
積分が好きな方はもちろん、競技数学が好きな方、難しい数式をじっくり考えてみたい方にも参加していただければ嬉しいです。
サイトはこちらです。
競技積分サイト「Integralis」
よろしくお願いします。


※本記事の内容は2026年8月2日時点のものです。最新の規則や仕様については、Integralis内のHelpおよび各Contestの案内を優先してください。

余談

めっちゃ頑張りました。褒めてください。
海外進出したいです。

投稿日:19時間前
更新日:18時間前
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投稿者

高校範囲や大学範囲で解析をやったりする

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