ここでは東大数理の修士課程の院試の2008B05の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
2008B05
次元トーラスをとり、を自然な射影とする。に対してをの定める線型写像とし、をによって誘導されるの間の連続写像とする。
- 行列を
とおく。を満たす同相写像を一つ求めなさい。 - 等式を満たす同相写像は存在しないことを示しなさい。
- 初めに
をの対角化とする。ここでをで定義し、合成をとる。このとき
であるから、は所望の同相である。 - このようなが存在したとして矛盾を導く。まずは線型写像を誘導する。この表現行列を
と置いたとき、の条件からつの行列
は等しい。しかしこのような行列はしかなく、が同相であることに矛盾する。よっては存在しない。