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第二可算全不連結コンパクトハウスドルフ空間の分類

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$$\newcommand{abs}[1]{\left\lvert#1\right\rvert} \newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{End}[0]{\mathrm{End}} \newcommand{inpro}[1]{\mathopen{\langle}#1\mathclose{\rangle}} \newcommand{mapsfromup}[0]{\genfrac{}{}{0}{}{\xymatrix@=3pt{{} \\ {}\ar@/^15pt/[u]}}{}} \newcommand{mapstodown}[0]{\genfrac{}{}{0}{}{\xymatrix@=3pt{{} \ar@/^15pt/[d] \\ {}}}{}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{norm}[1]{\left\lVert#1\right\rVert} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{set}[2]{\{\, #1 \mid #2\,\}} \newcommand{setmid}[0]{\mathrel{}\middle|\mathrel{}} \newcommand{siji}[0]{\mathbf{1}} \newcommand{span}[0]{\mathrm{span}} \newcommand{tr}[0]{\mathrm{tr}} \newcommand{ve}[0]{\varepsilon} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

Cantor-Bendixson rank

Sierpinski-Mazurkiewiczの定理という高々可算なコンパクトハウスドルフ空間を分類する定理があるんですが、それは$\{0\}\cup\set{\frac1n}{n\in\N}$みたいな空間を繰り返しペタペタ貼り付けて得られる空間だけが出てきます。その「繰り返し」というのは順序数を使って超限帰納的に繰り返すわけで、結局分類の不変量としてはその繰り返した回数という順序数だけが出てきて、その順序数をCantor-Bendixson rankと呼びます。

Cantor-Bendixson rank

閉集合$A\subset X$の導集合$A'$とは$A$内の孤立点を除いた閉集合
$$A':=\set{x\in X}{x\in\overline{A\setminus \{x\}}}$$
であり、それを次のように超限帰納的に繰り返す:

  • $\alpha=0$のとき$A^{\alpha}:=A$
  • $\alpha$が極限順序数のとき$A^\alpha:=\bigcap_{\beta<\alpha}A^\beta$
  • $A^{\alpha+1}:=(A^\alpha)'$
    $X$が可算のときは必ずある順序数$\alpha$$A^\alpha$が非空有限集合になるので、組$(\alpha,\abs{A^\alpha})$のことをCantor-Bendixson rankと呼ぶ。
Sierpinski-Mazurkiewiczの定理

可算コンパクトハウスドルフ空間$X$はある順序数に順序位相を入れた空間と同相。更に、$X$のrankを$(\alpha,n)$とすると$X\approx \omega^\alpha\times n+1$であり、rankは$X$の完全な同相不変量になっている。

じゃあ可算じゃない場合は?って言うと流石にそれは$[0,1]^d$など色んなものがあるわけですが、全不連結を課すとほとんどCantor集合しかなくなる。

Cantor集合の特徴付け

第二可算全不連結コンパクトハウスドルフ空間であって孤立点を持たないものはCantor集合に同相。

なので一般の第二可算全不連結コンパクトハウスドルフ空間は孤立点の無いパートがCantor集合で、孤立点(の更に除いた孤立点の$\dots$)は可算順序数によって記述されて、まあ流石に分類できらあ!

本題

第二可算全不連結コンパクトハウスドルフ空間はCantor集合の閉集合のなすchain(の同相類)によって分類される。ここで単にchainと言ったのは、各順序数$\alpha$に対し閉集合$C_\alpha$を割り当てる対応であって$\alpha<\beta\Rightarrow C_\alpha\supset C_\beta$かつある可算順序数以降で$C_\alpha=\emptyset$となるものである。

このchainを$X$からどう作るかを説明する。まず、導集合$X^\alpha$を取っていくとこれは停止するのでそれを$C:=X^\alpha\subset X$と置く。これはCantor集合である。次に各$\alpha$について$\overline{X^\alpha\setminus C}\cap C=:C_\alpha$と置く。$X$は今可算パート$X\setminus C$とCantorパート$C$に分かれてて、2パートのくっつき方のデータとして$C$内での可算パートのlimit setを集めてくるのである。$X/C$が可算コンパクトハウスドルフなので、$X\setminus C$はある順序数$\gamma$に同相である。

$$0\to C_0(\gamma)\to C(X)\to C(C)\to0$$
という短完全列があるので、ここから$*$-準同型$\psi:C(C)\to C_b(\gamma)/C_0(\gamma)$が生えて、
$$C(X)\cong\set{(f,g)\in C_b(\gamma)\oplus C(C)}{f=\psi(g)\mod C_0(\gamma)}$$
となる。結局このような$\psi$をup to homeo of $\gamma$で分類するという問題に変わった。$C(C)$はclopen set上の指示関数がBanach空間として張っているからそのような関数への$\psi$の応答を見たらいい。

  • $C_b(\gamma)/C_0(\gamma)$の冪等元は$C_b(\gamma)$の冪等元にliftする。
    これは順序数の空間の全不連結性から従う。
  • $C_b(\gamma)$の冪等元はcofinalな$\alpha_0<\alpha_1<\dots\nearrow\gamma$$\sum_{n=0}^\infty\siji_{[\alpha_{2n}+1,\alpha_{2n+1}]}$と書ける。
    mathstackexchange で本質的に示してる。

以上から$\psi$とは「$\gamma$のcofinalな区間への分割を取って、各区間の上に$C$のclopen setでラベル付けしたもの」をup to homeoで更に有界集合を各ラベル毎に無視した対象であり、各区間を並び替えてラベルの付け方をdelayさせればラベル$A$が乗ってる区間の長さをある程度まで長くできる。どこまで長くできるかというと$C_\alpha\cap A\neq\emptyset$$\alpha$について長さ$\omega^\alpha$までは長くできる。そこが限界なので結局そういうデータだけで$\psi$を標準的な形にすることができる。

「分類される」と言ったのは「不変量の集合への単射になっている」という意味で、全てのchainが出てくるかが分からない。

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SOFT ANALYSIS

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