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第二可算全不連結コンパクトハウスドルフ空間の分類

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Cantor-Bendixson rank

Sierpinski-Mazurkiewiczの定理という高々可算なコンパクトハウスドルフ空間を分類する定理があるんですが、それは{0}{1nnN}みたいな空間を繰り返しペタペタ貼り付けて得られる空間だけが出てきます。その「繰り返し」というのは順序数を使って超限帰納的に繰り返すわけで、結局分類の不変量としてはその繰り返した回数という順序数だけが出てきて、その順序数をCantor-Bendixson rankと呼びます。

Cantor-Bendixson rank

閉集合AXの導集合AとはA内の孤立点を除いた閉集合
A:={xXxA{x}}
であり、それを次のように超限帰納的に繰り返す:

  • α=0のときAα:=A
  • αが極限順序数のときAα:=β<αAβ
  • Aα+1:=(Aα)
    Xが可算のときは必ずある順序数αAαが非空有限集合になるので、組(α,|Aα|)のことをCantor-Bendixson rankと呼ぶ。
Sierpinski-Mazurkiewiczの定理

可算コンパクトハウスドルフ空間Xはある順序数に順序位相を入れた空間と同相。更に、Xのrankを(α,n)とするとXωα×n+1であり、rankはXの完全な同相不変量になっている。

じゃあ可算じゃない場合は?って言うと流石にそれは[0,1]dなど色んなものがあるわけですが、全不連結を課すとほとんどCantor集合しかなくなる。

Cantor集合の特徴付け

第二可算全不連結コンパクトハウスドルフ空間であって孤立点を持たないものはCantor集合に同相。

なので一般の第二可算全不連結コンパクトハウスドルフ空間は孤立点の無いパートがCantor集合で、孤立点(の更に除いた孤立点の)は可算順序数によって記述されて、まあ流石に分類できらあ!

本題

第二可算全不連結コンパクトハウスドルフ空間はCantor集合の閉集合のなすchain(の同相類)によって分類される。ここで単にchainと言ったのは、各順序数αに対し閉集合Cαを割り当てる対応であってα<βCαCβかつある可算順序数以降でCα=となるものである。

このchainをXからどう作るかを説明する。まず、導集合Xαを取っていくとこれは停止するのでそれをC:=XαXと置く。これはCantor集合である。次に各αについてXαCC=:Cαと置く。Xは今可算パートXCとCantorパートCに分かれてて、2パートのくっつき方のデータとしてC内での可算パートのlimit setを集めてくるのである。X/Cが可算コンパクトハウスドルフなので、XCはある順序数γに同相である。

0C0(γ)C(X)C(C)0
という短完全列があるので、ここから-準同型ψ:C(C)Cb(γ)/C0(γ)が生えて、
C(X){(f,g)Cb(γ)C(C)f=ψ(g)modC0(γ)}
となる。結局このようなψをup to homeo of γで分類するという問題に変わった。C(C)はclopen set上の指示関数がBanach空間として張っているからそのような関数へのψの応答を見たらいい。

  • Cb(γ)/C0(γ)の冪等元はCb(γ)の冪等元にliftする。
    これは順序数の空間の全不連結性から従う。
  • Cb(γ)の冪等元はcofinalなα0<α1<γn=01[α2n+1,α2n+1]と書ける。
    mathstackexchange で本質的に示してる。

以上からψとは「γのcofinalな区間への分割を取って、各区間の上にCのclopen setでラベル付けしたもの」をup to homeoで更に有界集合を各ラベル毎に無視した対象であり、各区間を並び替えてラベルの付け方をdelayさせればラベルAが乗ってる区間の長さをある程度まで長くできる。どこまで長くできるかというとCαAαについて長さωαまでは長くできる。そこが限界なので結局そういうデータだけでψを標準的な形にすることができる。

「分類される」と言ったのは「不変量の集合への単射になっている」という意味で、全てのchainが出てくるかが分からない。

投稿日:19日前
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SOFT ANALYSIS

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