(i)(ii)の証明
を体である有限生成-代数とする.
を-代数の射とする.
が有限生成-代数であることから,ある自然数が存在して,
全射が存在する.
を包含写像とすると,が成り立つ.
とおくと,準同型定理より,自然な全射に対して、が唯一つ存在して,が成り立つ.
によってはの部分環とみなせるので、が体であることからは整域.つまりは素イデアルである.
より,.
従って,.
準同型定理より,自然な全射に対して,が唯一つ存在して,が成り立つ.
また,よりは全射で,さらに同型があるので,は有限生成-代数である.
よって第5章演習問題21番より,あるが存在して,任意の代数閉体と任意のを満たす準同型写像に対してある準同型写像が存在して,を満たす.()
ここで,がの極大イデアルであることを背理法で示す.
がの極大イデアルでないと仮定する.
第5章演習問題23番(ii)とが整域であることよりなのであるの極大イデアルが存在して,とを満たす.
は体.
から誘導される準同型写像をとする.
の代数閉包をとし,を包含写像とすると,
より.従って()より,ある準同型写像が存在してを満たす.
が体であることからは単射なので,
.
よって同型射によってなので,が極大イデアルとなり,矛盾.
従っては極大イデアルである.
これにより,体は体上有限生成なので,
第5章演習問題18番より,は上有限.
さらには上有限なので,は上有限.
(ii)(i)の証明
が第5章演習問題23番(iii)の条件を満たすことを示す.
をの極大イデアルでない素イデアルとする.
とおく.
すべてのに対して,射影と代入写像の合成が存在するのでは有限生成-代数.
が体でないことを背理法により示す.
が体であると仮定する.
(ii)よりは上有限で,特に上有限.
命題5.1より,は上整.つまりは上整.
よって命題5.7からは体.
これはの極大イデアルでないことに矛盾する.
従っては体でない.
これより各に対しての極大イデアルを取れる.によるの縮約をとおく.
はの縮約より,が成り立つ.
以下が成り立つことを示す.
は明らかなので,逆の包含を示す.
とする.
を自然な全射とすると,.
命題3.11(iv)よりによるの縮約はを含まない.
従って.つまり.
よってが示された.
特に,が成り立つのではジャコブソン環である.