いらっしゃいませ,にんとぅくです.本日は$\text{Morse}$理論が一体どういうものなのかを概観します.今回はAIに原文を書かせてみました.
参考文献があまりにも面白くて,この記事の目的はそれらの存在を皆さんに知っていただくことだと予め言っておきます.是非とも手に取るなり,動画を閲覧するなりしてください.記事本文はおまけですので,読まずに参考文献に飛んでいただいて構いません.
モース理論(Morse theory)は,滑らかな多様体の上に定義された実数値関数を調べることで、その多様体の位相的構造を理解する理論です.
一見すると,$f:M \to \mathbb{R}$ という滑らかな関数を考えているだけに見えます.しかし,この関数の値を少しずつ変化させながら
$$
M_a = \{ x \in M \mid f(x) \leq a \}
$$
という部分空間を観察すると,$a$が特定の値を通過するときにだけ,$M_a$の位相が変化することが分かります.その「特定の値」を生み出しているのが,$f$の臨界点です.
したがってモース理論の基本的な発想は,関数の臨界点から多様体の位相を考察するというものです.
モース理論を理解するには,関数を「高さ」だと思うと直感的です.地図帳の等高線が良い例えでしょうかね.
多様体$M$を地形だと考え,その上の関数$f:M \to \mathbb{R}$を各点の高さだと思います.すると,
などが現れます.これらは微積分でいう臨界点に対応します.
$M$を滑らかな$n$次元多様体,$f:M \to \mathbb{R}$を滑らかな関数とする.点$p \in M$が臨界点であるとは,$df_p = 0$となることをいう.逆に,$df_p \neq 0$となる点$p$を正則点という.臨界点 $p$ における関数値$f(p)$を臨界値と呼び,正則点のそれも同様に正則値とよばれる.
例えば,
$$
f(x,y) = x^2 + y^2
$$
では原点が谷底であり
$$
f(x,y) = x^2 - y^2
$$
では原点は鞍点です.モース理論では,このような臨界点がどのような種類のものなのかを調べます.
臨界点については先ほど話しましたが,ここで重要なのは,臨界点には「良い臨界点」と「退化した臨界点」があることです.
臨界点の種類を調べるために,2階微分を計算します.局所座標$(x_1,\dots,x_n)$をとると,点$p$の$\text{Hessian}$は
$$
\operatorname{Hess}_p(f)
=
\left(
\frac{\partial^2 f}
{\partial x_i \partial x_j}(p)
\right)_{1 \leq i,\,j \leq n}
$$
で与えられます.臨界点$p$において$\det\operatorname{Hess}_p(f)\neq0$ならば,$p$を非退化臨界点と呼びます.そして,すべての臨界点が非退化であるような関数をモース関数と呼びます.
モース理論の中心的な結果の一つが,モースの補題です.$p$が非退化臨界点ならば、適切な局所座標を選ぶことで,
$$
f(x) = f(p) - x_1^2 - \cdots - x_\lambda^2
+ x_{\lambda + 1}^2 + \cdots + x_n^2
$$
と書けます.ここで$\lambda$は$\text{Hessian}$の負の固有値の個数です.この$\lambda$を臨界点の指数(index)と呼びます.つまり,非退化臨界点の近くでは,関数は本質的に
$$
-\sum_{i=1}^{\lambda} x_i^2
+\sum_{i=\lambda+1}^{n} x_i^2
$$
という非常に単純な形になっています.
指数$\lambda$は,「その臨界点で何方向に下向きになっているか」を表しています.例えば,
$$
f(x,y) = x^2 + y^2
$$
の臨界点$(0,0)$の$\text{Hessian}$は
$$
\begin{pmatrix}
2&0\\
0&2
\end{pmatrix}
$$
なので負の固有値はありません.したがって,$\operatorname{index}(p) = 0$で,これは谷底に対応します.一方,
$$
f(x,y) = -x^2 -y^2
$$
では負の固有値が2個なので,$\operatorname{index}(p) = 2$で,これは山頂に対応します.また,
$$
f(x,y) = x^2 - y^2
$$
では負の固有値が1個なので、$\operatorname{index}(p)=1$で,これは鞍点に対応します.2次元では,以下のようになります.
| 指数 | 臨界点のイメージ |
|---|---|
| $0$ | 谷 |
| $1$ | 鞍点 |
| $2$ | 山 |
ここまでの話は微分積分です.しかし,モース理論が面白いのはここからです.
各実数$a$に対して,
$$
M_a=f^{-1}((-\infty,a])
$$
を考えます.これは「高さが$a$以下の部分だけを取り出す」という操作です.地形に例えるなら,海面を徐々に上昇させていくイメージです.すると,海面がある臨界点に到達したときにだけ,$M_a$ の位相が変化します.なんか臨界点に達したときだけ図形がグニャッってなるんですよね.
逆に言えば,臨界値を通過しない限り,$M_a\approx M_b$ となります.したがって,「位相的な変化は臨界値でのみ起こる」というのがモース理論の重要な原理です。
では,臨界点を通過すると具体的に何が起こるのでしょうか.指数$\lambda$の臨界点を1つ通過すると,ざっくり言えば「$\lambda$次元のハンドルを1つ付け加える」という変化が起こります.ハンドルの説明は省きますが,そういう図形の基本部品があると思ってください.
$n$次元多様体の場合,指数$\lambda$の臨界点に対応するハンドルは
$$
D^\lambda\times D^{n-\lambda}
$$
です.その境界の一部
$$
S^{\lambda-1}\times D^{n-\lambda}
$$
を既存の空間に貼り付けます.したがって,臨界値の前後を比較すると,
$$
M_b \simeq M_a \cup
\left(D^\lambda\times D^{n-\lambda}\right)
$$
という形で理解できます.ここで「臨界点を調べること」と「多様体をハンドルで組み立てること」がつながります.
知っている人にだけ言っておくと,ハンドル分解は多様体そのものを調べることで,ホモトピーやホモロジーを調べる胞体分割とは似て非なるものです.
具体例として球面$S^2$を考えます.球面上に高さ関数
$$
f:S^2\to\mathbb{R}
$$
を考えます.この関数には,南極と北極という2つの臨界点があります.南極は指数$0$,北極は指数$2$です.
南極を通過すると,指数$0$の臨界点によって$D^2$が現れます.そして北極を通過すると,指数$2$の臨界点によって点が付加され,最終的に$S^2$になります.
次にトーラス$T^2=S^1\times S^1$を考えます.高さ関数を適切に選ぶと,指数ごとの臨界点を
とできます.したがってトーラスは,
$$
\boxed{
1\text{個の0-ハンドル}
+
2\text{個の1-ハンドル}
+
1\text{個の2-ハンドル}
}
$$
から作ることができます.この「指数1の臨界点が2個ある」という情報は,トーラスの1次元の穴に対応しています.
ここまでで,
$$
\text{臨界点}
\longrightarrow
\text{ハンドル}
\longrightarrow
\text{位相}
$$
という流れが見えてきました.さらにモース理論は,ホモロジー群とも直接結びつきます.
指数 $\lambda$ の臨界点の個数を$m_\lambda$とします.一方,$M$の$\lambda$次ベッチ数を
$$
b_\lambda = \dim H_\lambda(M;\mathbb{R})
$$
とします.すると $\text{Morse}$不等式
$$
\boxed{m_\lambda\geq b_\lambda}
$$
が成り立ちます.
臨界点の指数を数えると,オイラー標数も以下のように
$$
\chi(M)
=
\sum_{\lambda=0}^{n}
(-1)^\lambda b_\lambda
\stackrel{\text{!?}}{=}
\sum_{\lambda=0}^{n}
(-1)^\lambda m_\lambda.
$$
と計算できます.例えば球面では,
$$
m_0=1,\qquad m_1=0,\qquad m_2=1
$$
なので,
$$
\chi(S^2) = 1-0+1 = 2
$$
となります.このように,臨界点を数えるだけでも多様体の位相的情報が得られます.これは
$$
\boxed{
\text{微分可能な関数の臨界点}
\quad\Longrightarrow\quad
\text{位相不変量}
}
$$
というモース理論の基本思想を端的に表しています.
モース理論は,臨界点を数えるだけで終わりません.モース関数$f$とリーマン計量を選ぶと,勾配$\nabla f$を考えることができます.そして勾配流
$$
\frac{dx}{dt} = -\nabla f(x)
$$
を考えます.これは,地形の上で「坂を下っていく」運動だと思えばよいでしょう.この勾配流によって,ある臨界点から別の臨界点へ流れる軌道を調べることができます.そして臨界点を生成元として,
$$
\cdots
\longrightarrow
C_k
\overset{\partial}{\longrightarrow}
C_{k-1}
\longrightarrow
\cdots
$$
という複体を作ります.これが Morse complex です.適切な条件のもとでは,そのホモロジーは多様体の通常のホモロジーと一致します.
$$
\boxed{H_k(C_*)\cong H_k(M)}
$$
つまり
$$
\boxed{
\text{臨界点と勾配流から}
\text{多様体のホモロジーを計算できる}
}
$$
ということです.
モース理論の最も大きな魅力は,
多様体そのものを直接調べる代わりに,その上の関数を調べることで,多様体の位相を知ることができる
という点にあります.多様体の位相を直接調べるのは難しい場合があります.しかし,関数$f:M\to\mathbb{R}$なら微分して$df,\, \operatorname{Hess}(f)$を調べることができます.そして,その局所的な情報である臨界点が,多様体全体の大域的な位相構造を反映しています.この意味でモース理論は,
$$
\boxed{
\text{解析}
\quad\longleftrightarrow\quad
\text{幾何}
\quad\longleftrightarrow\quad
\text{トポロジー}
}
$$
を結びつける理論だと言えます.
モース理論の基本的な考え方は,
$$
\boxed{
\text{多様体上の関数の臨界点を調べることで,
多様体の位相を理解する}
}
$$
というものです.特に重要なのは,
そして臨界点を通過したときの
$$
D^\lambda\times D^{n-\lambda}
$$
というハンドルの付加です.最終的には,
$$
\boxed{
\text{臨界点}
\longrightarrow
\text{ハンドル分解}
\longrightarrow
\text{Morse complex}
\longrightarrow
\text{ホモロジー}
}
$$
という流れによって,解析的な情報から位相的な情報を取り出すことができます.これがモース理論の基本的な魅力です.
こうして見てみると$\text{ChatGPT}$って$\text{boxed\{\}}$めっちゃ好きですよね.無料版にしては中々尤もらしいこと出力してきて,一層私の普段の記事もこれに負けないように私らしくマイペースにやっていこうと思えました.
それでは,またのお越しをお待ちしております.