$\mathbf{K}$で実数体もしくは複素数体を指すものとします.
多様体といえば$C^\infty$級のものを指すものとします.
ベクトル束の記号って$E$なんですね.何から由来しているんだろう.
$E,X$を位相空間,$\pi:E\rightarrow X$を全射連続写像とする.
これらについて,以下の条件が満たされるとき$\pi :E\rightarrow X$をベクトル束という.
(1) $E_x=\pi^{-1}(x)$は$\mathbf{K}$上の$n$次元ベクトル空間である.
(2) ベクトル空間として$E_x$に自然に入る位相は$E$の部分空間としての位相とコンパチである.
(3) 各点$x\in X$に対し,次の性質を持つ近傍$U_x$が存在する:$\pi^{-1}(U_x)$に$E$の部分空間としての位相を入れる.下の写像$\Psi:\pi^{-1}(U_x)\rightarrow U_x\times \mathbf{K}^n$が同相写像を与えるように各$E_y$($y\in U_x$)の基底$\{\mathbf{e}_1(y),\cdots,\mathbf{e}_n(y)\}$を定められる.
$$\Psi(\sum_{\mu=1}^n\alpha^\mu \mathbf{e}_\mu (y))=(y\,;\alpha^1,\cdots,\alpha^n)$$
$E_x$を$x$上のファイバーといいます.
(3)より明らかに$X$の連結成分ではファイバーの次元は一定です.
(3)から(2)を導くことができますが,ここでは明示的に書いておきました.
多様体上のベクトル束は$E,X$を多様体,連続写像のところを$C^\infty$写像で置き換えればよいです.
$\pi_1 :E\rightarrow X$,$\pi_2 :F\rightarrow X$を$X$上の二つのベクトル束とする.連続写像$\varphi:E\rightarrow F$が準同型であるとは以下の条件を満たすことをいう.
(1)より$\varphi(E_x)\subset F_x$なので(2)のような定義ができますね.
$\varphi$が全単射で$\varphi^{-1}$も準同型であるとき$\varphi$を同型写像といいます.