0
大学数学基礎解説
文献あり

ベクトル束を定義するだけ

57
0

はじめに

Kで実数体もしくは複素数体を指すものとします.
多様体といえばC級のものを指すものとします.

位相空間上のベクトル束

ベクトル束の記号ってEなんですね.何から由来しているんだろう.

位相空間上のベクトル束

E,Xを位相空間,π:EXを全射連続写像とする.
これらについて,以下の条件が満たされるときπ:EXをベクトル束という.
(1) Ex=π1(x)K上のn次元ベクトル空間である.
(2) ベクトル空間としてExに自然に入る位相はEの部分空間としての位相とコンパチである.
(3) 各点xXに対し,次の性質を持つ近傍Uxが存在する:π1(Ux)Eの部分空間としての位相を入れる.下の写像Ψ:π1(Ux)Ux×Knが同相写像を与えるように各EyyUx)の基底{e1(y),,en(y)}を定められる.
Ψ(μ=1nαμeμ(y))=(y;α1,,αn)

Exx上のファイバーといいます.
(3)より明らかにXの連結成分ではファイバーの次元は一定です.
(3)から(2)を導くことができますが,ここでは明示的に書いておきました.
多様体上のベクトル束はE,Xを多様体,連続写像のところをC写像で置き換えればよいです.

ベクトル束の間の準同型

π1:EXπ2:FXX上の二つのベクトル束とする.連続写像φ:EFが準同型であるとは以下の条件を満たすことをいう.

  1. 図式
    Eφπ1Fπ2X
    は可換である.
  2. 任意のxXについてφ|ExExからFxへのベクトル空間としての準同型となっている.

(1)よりφ(Ex)Fxなので(2)のような定義ができますね.
φが全単射でφ1も準同型であるときφを同型写像といいます.

参考文献

[1]
志賀浩二, 多様体論
投稿日:20241125
更新日:20241126
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

はじめまして!楽しい記事を書ければと思いますので、よろしくお願いします。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. はじめに
  2. 位相空間上のベクトル束
  3. 参考文献