ここでは東大数理の修士課程の院試の2011B01の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。
正整数$k$に対して
$$
\mu_k:=\{z\in\mathbb{C}|z^k=1\}
$$
とおく。これは乗法群である。非自明な有限アーベル群$G$に対して群同型
$$
G\simeq \mu_{k_1}\times\cdots\times\mu_{k_\ell}
$$
が成り立つような正整数の組$k_1,\cdots,k_\ell$が存在するような最小の$\ell$を$t(G)$とおく。